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日産自動車株式会社(7201)

東京モーターショーで明暗分けたトヨタと日産の行方
2007年10月26日 16:53 JST


日産自動車のカルロス・ゴーン社長の記者会見にあぶれた報道陣。千葉・幕張メッセで 

【10月25日、さくらフィナンシャルニュース=東京】24日に行われた「東京モーターショー」の事前発表会で、日本の自動車業界のリーダー的存在を担ってきたトヨタ自動車と日産自動車の勝負が付いた様子がありありと映し出された。環境や人間とのふれあいといった車社会の将来を見据えた企業戦略を前面に押し出したトヨタの渡辺捷昭社長に対して、日産のカルロス・ゴーン社長は2年間も情報を小出しにしてきた高級スポーツカーの「GT-R」の自慢話に徹(てっ)した。

こうした企業トップのパフォーマンスが業績や株価には如実に表れている。2007年9月中間期の米国会計基準ベースで、トヨタの連結営業利益は前年同期比で約1割増の1兆2000億円強と、2期連続で最高益を更新するもようだ。欧米のほか、アジアや中近東での業績が好調。時価総額は約22兆円に達する。

一方の日産自動車は株価が今年に入って下降傾向にあり、時価総額が約5兆円にとどまる。日産の2007年度第1四半期決算では本業のもうけを示す連結営業利益が3.2%の減益となった。国内販売の不調が特に目立つ。

損失や引当金を前倒し一括償却することで「V字回復」を演出したゴーン・マジックのメッキははがれた。コスト削減という錦の旗を掲げ、系列内に脈々と伝わってきた暗黙知ともいうべき生産技術のバリューチェーンを自ら断ち切った代償は大きい。しかも、日産がもうけた利益がルノーや一部の役員らに吸い取られる仕組みができあがってしまった。

その結果が、技術的な魅力に乏しい内装のデザインに凝っただけのクルマの列である。結局、ゴーン社長は晴れの舞台で、たった一台のスポーツカーをアピールするにとどまり、車社会の未来への道筋を何一つ示すことができなかった。公言した電気自動車の開発や市場投入についても、具体策を示すことすらなかった。

24日の報道機関向け内覧会は各国からの報道陣が詰めかけ会場はごった返していた。2年前に比べ、中国などアジア諸国からのメディアが目立った。そんな中、コロシアム風の造りにした会見会場には新型「GT-R」やゴーン社長を一目見ようと、大勢の報道陣が詰めかけた。

会場には偉大なる経営者、カルロス・ゴーンを演出する仕掛けが目立った。社長が堂々と胸を張って、流ちょうなスピーチができるよう、会見原稿が映し出される3つの大画面モニターが左右と中央の高い位置に取り付けられていた。日産関係者を優先するような会場配置もそうだった。

しかし、社長賛美のために凝りに凝った会場はあまりに狭く、会見場をのぞくことすらできなかった国内外の報道陣からは不満が噴出した。一部マスコミが「GT-R」が今回のモーターショーのめだまだとはやし立てているが、実際には多くのクルマ雑誌がこのクルマを再三にわたって取り上げてきており、テクノロジー的な新鮮味は全くなかった。

「GT-R」が壇上に登場したとき、内心しらけていた報道陣も多い。詰まるところ、マスコミの関心はゴーン社長がこれみよがしに隠し続けてきた「GT-R」のフロントマスクのデザインと値段だけだったのだ。そんなことも知らずか、大きなスクリーンに映し出された会見原稿を自信たっぷりに読み上げるゴーン社長の後ろ姿には時代錯誤という滑稽(こっけい)さが漂っていた。どこかの国の独裁者とそのイメージを重ね合わせたのは筆者だけではあるまい。【了】


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