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18億円超の横領でも懲役9年 ― 三菱UFJ貸金庫巨額窃盗事件・山﨑由香理被告の判決に納得のいかない傍聴人も

三菱UFJ銀行支店から約6億円を詐取したとして、業務上横領などの罪に問われた元支店長代理・山﨑由香理被告(47)に対する判決公判が2025年10月6日、東京地方裁判所で開かれ、小野裕信裁判長によって懲役9年が言い渡された。検察側の求刑は懲役12年。

刑務所の中で品行方正にしていたら7年で出所できる可能性がある。

だが、被害は数十億円単位にも及ぶ。

10年以下の量刑は軽すぎないか!?

「18億円を超える被害」「銀行内部者による貸金庫荒し」という重大さを考えれば、懲役10年以上は社会的にも納得を得やすい水準なのだが。

類似事件との比較〜

かつて農協職員による10億円超横領事件(2020年) JAの職員が長年かけて10億円超を横領、懲役12年とされた。(求刑15年)

今回の判決が「軽く思える」理由が明らかにある。

起訴された推定被害額が約3.9億円のみ。裁判所は「起訴内容」しか裁けない。たとえ本人が18億盗んだと自白していても、証拠が揃って起訴された金額が約3.9億なら、その範囲で量刑が判断されてしまう。

弁護側が“ギャンブル依存”を主張し「病的賭博」として心神耗弱や責任能力の減免を狙った可能性がある。

反省・弁償の有無も影響する。弁償がある・反省している・再犯の恐れが低い等の情状酌量があれば、量刑が軽くなりがちだ。

過去の裁判実務から、女性であることが量刑に影響した可能性もある。男女平等とはいえ、女性被告に対して量刑がやや軽くなる傾向は一部に存在する。

女性の犯罪率が低いということも背景にあるのだろう。日本における犯罪全体の女性の割合は2割程度だ。

この日は月曜日にもかかわらず、一般傍聴を求める人々が多数詰めかけ、法廷前にはおよそ100人弱が集結。用意された傍聴席はわずか31席に限られ、多くが抽選によって入廷の可否を決められた。

他、約17〜18席は報道関係者が占めた。

社会的関心の高さを裏付ける形で、判決言い渡しを見届けようとする空気は張り詰めていた。

判決が確定してから、思わず罵声が法廷に響いた。50代後半位の男性である。

「被害者の、悪徳女は地獄に堕ちろ!刑務所で苦しい思いをしろ!」

彼は退廷を命じられた。

法廷の外で、なだめる係員に対して

「被害者なら普通に思うことだ。」と述べた。

男性自身も、かつて罪を犯して逮捕されて罪を償った経験、また自身も被害に遭って被害者となり辛い思いをしてきたと話した。

「裁判官に伝えてほしい。被害者を蔑ろにした判決が多い。加害者は人権を尊重され一方で被害者は被害を受けたままだ。そして私は死刑に賛成である。」

被害者なのかは不明だったが、今回の判決に納得がいくわけがない。

2025年1月時点で、約70人の被害者に対し総額14億円の被害のうち、40件分、約7億円(半額程度)をすでに補償済みとはいえ、全体の補償費用は十数億円規模なので、追加費用も発生する可能性がある。

プライバシーの観点から貸金庫の中身は原則として銀行は把握しておらず、被害者が中身を証明できない場合は残念ながら保証される可能性は低い。

したがって、「何がどれだけ入っていたのか」の立証責任は被害者側にあり立証できなければ犯罪として成立しないというケースがある。

山﨑被告にはこの後民事裁判が残っている。

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