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江尻隆弁護士が元部下の美人弁護士から婚約不履行で訴えられている事件、被告江尻氏側から第4回準備書面が提出される

江尻隆弁護士が、元部下だった美人弁護士から婚約不履行で訴えられている事件で、被告江尻氏側から第4回準備書面が提出されましたので、全文を掲載します。

平成26年(ワ)第9289号

原告 森順子

被告 江尻隆

準備書面(4)(弁論終結後提出)

平成27年10月7日

東京地方裁判所民事第30部 御中

被告訴訟代理人 鯉沼希朱

[目次]

1 婚約の不存在 2頁

(1)被告による「申込み」について 2頁

(2)原告の「承諾」について 3頁

(3)その他の事実関係について 5頁

(4)原告が他の人からプロポーズをされたという話に関連して 6頁

(5)結論 7頁

2 和解契約の成立 8頁

3 原告供述に全く信用性が認められないこと 12頁

4 唐突な二世帯住宅の主張から窺える本訴提起の背景 15頁

(1)二世帯住宅の主張が架空の作り話であること 15頁

(2)本訴提起の背景 16頁

5 最後に 17頁

1 婚約の不存在

(1)被告による「申込み」について

原告の主張する請求原因事実によれば、平成3(1991)年12月、飲みに行った先で、被告が原告に対して結婚の申込みをしたとするが、以下の点からして、全く事実とは認められない。

①不自然・不合理性

原告と被告は、それまで仕事上のつきあいのみで、二人で飲みに行ったことはなく、原告が結婚の申込みをされたとするこの機会も、アソシエイト・ランチョン制度(*)という本件事務所の公式制度により設定されたものである。またその飲みに行ったという店も、当時本件事務所のすぐ近くにあり、本件事務所の者がよく利用していた居酒屋である。その経緯及び場面は、到底、結婚の申し込みがされるようなものではなかった。

*乙1での本件事務所の説明抜粋

「・・・アソシエイト・ランチョン制度もあり、月一回パートナーはアソシエイトと2人だけで昼食をとり(パートナーが負担すれば夜の会合でも良かった)、毎月異なった相手となるような輪番制だった。・・・」

被告代理人 あなたは、本件事務所に入所してからは平成3年12月に、入所後間もなく被告と飲みに行くまで、被告とは仕事上のつき合いのみで、2人で飲みに行ったことはなかったということでよいですか。

原告 当然そうです。

原告尋問調書22・23頁

(以下、「原告22頁」というように略)

原告 最初は、あさひ法律事務所の慣習として、パートナーとアソシエイトがランチを一緒にするというのがあるということで、今回はたまたま入ったばっかりだから、一緒に飲みに行こうというふうに言われました 原告9頁

②原告供述では、結婚の申し込みではなく、交際の申込み

当時、原告が35歳の弁護士で、被告も結婚後20数年連れ添った妻がいる50歳近くの弁護士であることからして、よほどの事情がなければ被告から原告へ結婚申込みをされたと考えることはありえないのが当然であるが、原告は何らの具体的事情を述べることなく、以下のとおり自己の結論的主張を述べるのみであり、しかもそれは原告供述によっても、「結婚の申込み」ではなく、「結婚を前提とする交際の申込み」に過ぎない(結婚を前提としようとしまいが、申し込み対象は、「交際」に過ぎない)。

これを示す供述は多々あるが、例えば以下のとおりである。

原告 ・・・いきなり交際をしないかというふうに言われました。 原告9頁

原告 江尻先生は、・・・真剣にあなたと結婚を前提に付き合いたいというふうにおっしゃいました。 原告10頁

被告代理人 その時にあなたが受けた申し込みは、結婚を前提に交際してもらえないかという申し込みだったということですね。

原告 そうです。 原告25頁

原告 結婚を前提とした交際を申し込んだと言ったんで。 原告26頁

なお、原告は、結婚をしてくれという申込みと結婚を前提とする交際申込みとは違うという点を反対尋問で指摘されると、「言っている意味がわからないです」(原告24頁)として答えを避ける。しかし、この点は、被告が準備書面(2)2頁で指摘したところ、原告は、平成27年3月6日付準備書面(4)3頁において、「結婚前提での交際申込みは結婚の申し込みではないという当たり前のことを述べている」として、この両者が違うものであることを当たり前として認めているのである。この点が訴訟において反対尋問者からすでに指摘されており且つ上記の通り自ら準備書面に記載しながら、弁護士たる原告が「言っている意味がわからないです」などと述べるのは、原告が、都合の悪いことは、たとえこれまでの自分の言動と矛盾していても、またいかに不自然で非合理であっても、その場しのぎの発言をすることを如実に示すものと言える。

(2)原告の「承諾」について

原告は、原告が結婚を承諾したのは1992年(平成4)年3月頃であって、婚約成立は1992(平成4)年3月頃であると主張する(原告準備書面(2)1頁)。しかし、これは、以下の点枯らして、全く事実とは認められない。

①原告供述が曖昧で全く具体性がない

原告は、反対尋問において、承諾の言葉をきかれて、当初、はぐらかして答えず、重ねて訊かれても極めて曖昧な答えをするかはぐらかすかに終始している。

被告代理人 ・・・被告のプロポーズに対してどのような言葉で承諾したんですか。

原告 いや、言葉というよりは、・・・そういうふうな質問は適切じゃないと思いますけど。

被告代理人 では、どのような言葉で承諾しましたか。言葉での承諾をしていないんなら、言葉での承諾をしていないとおっしゃっていただければ結構です。

原告 言葉ではしたと思います。

被告代理人 ・・・何がわかりましただったんですか。どういう申込みだったんですか。

原告 申込みに対してわかりました、承諾しますという意味です。

被告代理人 ではそのときの申込みと承諾の言葉をもう一度繰り返していただけますか。

原告 そのときというのはいつですか。

被告代理人 あなたが承諾をしたと言っているそのときのことです。私にはいつかわかりません。原告 わかりましたと言ったんです。同じ質問をどうして何度もするんですか。 原告27・28・29頁

②原告は、結婚の承諾をしたとは到底思えない心境を供述

原告は、以下のとおり、「結婚の承諾」をしたときの心境を供述するが、なぜそのような心境で、やむなく「結婚の承諾」をしなければならなかったのか、全く理解不可能である。以下の供述は、原告が、家庭を作ることや子供を作ることを夢見て、被告との結婚を承諾したという原告の主張の根幹に全く反する供述であり、原告の主張は支離滅裂である。

原告 ・・・やむなくそれを承諾することになったことで、かなりの絶望感に陥りました。

原告代理人 要するに恋愛感情は被告には持っていないんですね。

原告 ・・・恋愛感情を持つ気もありませんでしたし、魅力を感じるということもありませんでした。

原告 ・・・30歳代半ばにもなれば理想ばっかりは言っていられない。今ほかに相手がいるわけじゃないんで、今ある話に嫌でも応じるしかないかなというふうに思いました。 原告12・13頁

(3)その他の事実関係について

被告と原告との間には、結婚の約束とみられるような会話は一切なかったものであるが、その他、一般的に結婚の約束をしたことを推認させる根拠や事実関係も以下のとおり一切ない。(原告29・30頁、被告1~4頁)

・指輪その他の婚約記念品が存在しない。

・婚約者として相互に親戚や友人などの誰にも紹介したこともされたこともない。

・原告は被告と婚約したとか結婚するということを、誰にも話したことがない。

・原被告間で結婚式の話をしたこともない。

・原告は被告に対して結婚を求めたこともない。

・原告は被告に対して離婚を求めたこともない。

・被告は、妻と離婚しようと思ったことは一切なく、原告に対して、離婚しようと思っているとか自らの婚姻関係が破綻しているなどという話をしたこともない。

・原告は被告に結婚したいという趣旨のことを何ら話したこともなく、原被告間で、結婚を前提とする話も一切なく、原告が結婚を期待しているそぶりもなかった。

・被告は原告と一緒に暮らすなどという話をしたこともない。

なお、原告は、20年以上にわたる婚約期間があると主張し、尋問においても、被告に結婚するつもりがあるのか、いつ結婚するのかと確認したことは何度もあると供述しながら、メール等の客観的根拠は1つもなく、且つ、その確認の結果(いつ結婚する予定であったのかの時期)について全く明らかにすることができない。しかしこの点、原告陳述書(甲17の8頁)では、「遠回しに言うことは何回もありましたが、返事を迫れば、被告が結婚しないと言ったり、被告が私と会ってくれなくなるのではと思うからです。」【1】などと記載されていることからすると、実際には何ら「確認」はしたことがないにもかかわらず、こじつけで「遠回しに言った」ということにしたうえで【2】、それをもって「確認した」と強弁しているだけでないかと思われる。原告の主張は、何ら根拠に基づかない【3】。

【1】原告の支離滅裂な主張のいちいちを取り上げる必要はないが、少なくともこの原告供述によれば、原告は、被告には原告と結婚する意思はもとよりないということを知っている、ということになる。

【2】ちなみに、原告は、IPBAという大会に業務上出張したときの写真であっても、「全員で写っている写真は記念写真ではないです」とし、2人で写っているから個人的な写真であるとし、雑誌に対して、原告主張を裏付ける旅行の写真であるとして提供している(被告による平成26年5月7日付訴訟記録閲覧制限の申立てにかかる疎甲3号証参照)。そのように、IPBAという正式団体の公式大会での写真を個人的な写真であると主張するのが原告態度である。そのような原告態度からすると、本来であれば、到底、結婚意思等の確認とは見られない点を指して、原告としては、「遠回しに言った」としている可能性がある。

【3】なお、原告は「結婚生活の状態」「内縁関係」などと主張しているが(訴状)、この点被告が否認しているにもかかわらず、実際にどのような状態であったのか、関係の密接度や深さについて何ら具体的主張をしていない。

(4)原告が他の人からプロポーズをされたという話に関連して

原告は、1995(平成7)年、事務所のクライアント先の人(以下「T氏」という)に、結婚の申し込みをされたとする。この点に関連して、被告立場から指摘可能な点は多数あるが、代表的なものに絞れば以下のとおりである。

①矛盾に満ちた供述、その帰結

原告は、T氏と結婚を前提とした交際をしたのかどうか訊かれて、以下のとおり供述する。

原告32頁(結婚を前提とした交際の存在を肯定)

原告 (結婚を前提とした交際とは)私の定義では、ご両親にお会いして、結婚を前提に付き合っていますとか、そういうことを話すことですよね。それであればありました。

原告33頁(結婚を前提とした交際の存在を否定)

原告 いや、結婚を前提にお付き合いしていますとは言っていません。

原告 (結婚を前提とした交際は)まだ始まっていなかったです。

ただし、原告陳述書での供述では、「1995年・・・交際を申し込まれ、又、プロポーズされました。・・・プロポーズしてきた人は、私を自分の親に紹介し、真摯に将来の結婚を考えていました。・・・二人の関係を隠すこともなく、堂々と交際できることが、どれだけ心を開放し、穏やかで守られた気持ちになるのか、この時つくづく思いました」とあり、プロポーズ後の交際、その交際期間中に親に紹介されたという経緯が記載されており、結婚を前提とした交際が存在していたことがうかがえる内容である(甲17の7頁)。

この陳述書の原告供述が全くの虚偽ではないのであれば、原告は、1995(平成7)年に、T氏と結婚を前提とする交際をしていたのであるから、被告との「婚約」などしていなかったことが明らかである。

T氏と結婚を前提とする交際をしたとかしていないとか、原告の主張が首尾一貫していない点については、原告は、その場その場で、自らの主張に都合のよいように事実を歪曲し、事実を糊塗るしようとしているため、その供述が矛盾するものになってしまっているためと思われる。

②原告の定義による「結婚を前提とする交際」

原告は、結婚を税亭とする交際の定義について、「私の定義では、ご両親にお会いして、結婚を前提につき合っていますとか、そういうことを話すこと」と供述していること(原告32頁)が注目される。その原告の定義によれば、原告と被告との「交際」は、結婚を前提とした交際の定義には、全くあたらないはずである。

原告は、被告を原告の両親にすら紹介していないので、結婚を前提とした交際の申込みも承諾もなく、結婚を前提とした交際が何らなかったことを重々承知しながら、「結婚の申込み」「結婚の承諾」「婚約」があったと主張して、本訴を提起しているのである。その不当なことは明らかである。

(5)結論

以上のとおり、原告には被告との関係において、「結婚申込みの意思表示」「結婚の承諾の意思表示」「婚約」について、その存在を示す証拠は全くない。全く信用性が認められない原告の供述中にさえ、そのような意思表示や婚約の存在を示すものはないのである。

本訴は、何ら事実的根拠に基づかずに提起された訴えである。

2 和解契約の成立

原告と被告が、2012年(平成24)年7月25日、両者間の一切の関係を清算をする和解をしたことは、当時の被告代理人弁護士であった堀内証人の供述から明らかである。清算内容について、特に3つの項目を検討のうえ抽出し、以下のとおり原告にも確認のうえで、和解を成立させたという堀内弁護士の証言は、その経緯及び内容も合理的且つ自然なうえ、具体的であって信用できる(なお、証言のほか、乙37及び乙38も参照)。

堀内証人 ・・・江尻弁護士のほうは、そういう今言った法律関係、事実関係、人間関係、そのた全てのことを清算するんだということであるならば、お申し出のその1700円万を和解金として振込んでも構わないというような意向を持っているけど、森先生のほうはそれで大丈夫なんですよねという、そういう言い方で話を持って言った記憶です。

被告代理人 森弁護士は、どのように返答しましたか。

堀内証人 快くもちろんそうですよ。全てこれで終わりという趣旨なんですよと。さらに加えて、そのことについては、きょう送っているメールのところにも書いてあるはずですよと、こういうようなお話をされました。 堀内7頁

なお、1700万円という和解金額については、原告がメール(乙16)で提示してきた原告側の言い値(客観的には法外な金額である)であるところ、同金額を和解成立時の電話で言ったことについて、堀内証人は以下のとおり証言する。

堀内証人 (1700万円という金額を言ったことについて)もちろん間違いありません。つまり江尻弁護士の言葉として、そういうことが言われるんだったら、言われている1700万円をその言い値どおりに払うと、こういう話をしていますよというような言い方で森弁護士には伝えているはずです。 堀内7頁

しかし、原告は、尋問において、自分は乙16のメールを作成しておらず、堀内弁護士との電話でも1700万円という金額は出ていないと全面的にこれを否定する。

被告代理人 ・・・本文は、これあなたが作成したメールではないですか?

原告 違います。

被告代理人 あなたが作成したものである可能性はありますか?

原告 ないです、これは、私がこれを書いたというふうにおっしゃるのであれば、これは重大なことと思います。

原告 (1700万円で和解るすつもりも)なかったです。

被告代理人 では、幾らなら和解するつもりであったんですか。

原告 ・・・5000万円以上の費用の請求をしました。・・・それ以降の金額はそれ以外はないです。

被告代理人 そうすると、堀内弁護士の陳述書では、その電話で1700万円という金額を口にしたことが記載されているんですが、1700万円という金額は聞いていないということですか。原告 真っ赤なうそです。

ところで、本訴では(更に言えば調停時より)、原告は、1700万円による和解成立があるため原告の請求は不当である旨当初から主張し、審理初期段階から乙16のメールも証拠提出していたところ、原告は、この点について、以下のとおり、主張を変遷させている。

訴状及び原告準備書面(2)まで 調停でも被告が1700万円も支払ったことを指摘して和解成立を主張していたにもかかわらず、原告は、この時点では和解には何ら言及せず、被告の和解成立の主張がなされても「和解などしていない」程度で何ら説明していない。(都合が悪いことは単に避ける・無視するという態度である。)

原告準備書面(2) 裁判所は、平成26年9月19日開催の期日で、原告に対して、和解成立に関してメール等のやりとりやお金の支払いという外形的事実があったと思われるので、それについてどういう趣旨であったのかなど説明するよう指示し、しかし原告側がそれに応答しなかったためさらに同年10月24日開催の期日で、和解成立を否認するのであればその否認の理由を明らかにするように重ねて原告に求めたところ、原告は平成26年12月1日付準備書面(3)を提出した。同書では、1700万円は堀内弁護士が各種の方法で原告を脅迫、強要して、1700万円を受領したとの主張である(*そうであるとすれば、原告は1700万円との金額はわかったうえで不本意ながら受領したということになる。)

原告準備書面(4) 原告は、準備書面(4)では、乙16のメールについては以下のとおり主張して、同メールを作成していない可能性に言及しているが、仮に同メールを作成していないのであれば、通常の感覚からして、このような表現になることはありえない。

「原告は、堀内弁護士との協議の前後から、何かと被告に連絡して直接話し合いをしたいと思い【4】、拒否されるたびに原告発信元のメールアドレスを変更したり【5】、留守電に何度もメッセージを残したりしていた。この(原告は不達と思っていた)メールの一部が被告の携帯に到達していた可能性は否定できない・・・」

【4】相手当事者が弁護士を立てたにもかかわらず、当該相手方当事者(本人)に直接の連絡を試みようとすることは、弁護士としては極めて問題のある態度及び考え方である。そのようなことを行えば懲戒対象にもなりうるのであって、通常は決して行われない。

原告は、被告に対して通常ありえないような請求を行っていたものであるが、原告の考えでは、被告自身が話合の相手になれば、自らの(法外な)要求が通る余地があると思っていたものと思われる。

【5】原告は、乙16の発信アドレスが通常使っていた発信アドレスではないため、これは自分が作成したメールではないと言い出したのではないかと思われる。

「このように、被告が和解成立の根拠として主張するメールは、その真偽があいまいであるし、仮に真実であったとしても、原告が被告に対して送信した一連の内容が相互矛盾しているメールのほんの一部である、」(34頁)

また、原告は、準備書面(4)で、堀内弁護士との電話で、1700万円という金額が述べられ、1700万円の授受に合意していたことも認めていた。

「・・・堀内弁護士から携帯に電話がかかり、『江尻さんが1700万円支払うと言っている』と伝えてきた・・・」(34頁5・6行目)

「・・・堀内弁護士から電話が入り『江尻さんが森さんの要求通り1700万円を支払うと言ってきた。・・・それでよければ至急振込先の口座番号などを知らせてほしい』と言ってきた」(34頁下から6行目以降)

「このとおり、原告は被告から1700万円を受領することに合意したのは事実である。」(35頁2・3行目)

注・上記の下線部からすると、原告は語るに落ちているのであり、原告の主張からも十分に和解の成立を認めることができる。

原告は、このように主張を変遷させ、最終的に、尋問において、上記に引用したとおり、乙16は自分が作成した可能性すらない、そのようなことを言うのは「重大なこと」であるとして、かえって被告側を非難し、また堀内弁護士の供述を「真っ赤なうそ」と断じるのみである。

このような原告の主張の変遷をみるだけで、原告の尋問時の供述のほうが真っ赤な嘘であることは明白であると思われるが、なぜこのような不自然且つ稚拙な嘘をつくのか、大いに疑問である。すなわち、原告の尋問における供述内容を前提とすると、被告は原告から受け取っていないメールを捏造等して原告から受け取ったものだとして堀内弁護士に転送し、二人で協議したうえで、堀内弁護士が原告から1700万円で和解申入れがあった事実を前提に原告に電話で連絡することとし、その電話では、たまたま1700万円という金額については何ら堀内弁護士が言及することなく提案金額どおり支払うとして堀内弁護士としては(1700万円で)和解を成立させたと思いこみ、原告は、当日の面談で堀内弁護士が考慮の余地を全く見せなかった慰謝料ないし解決金といしては驚異的に多額な5520万円の要求金額が一転して要求どおりに振り込まれるという連絡が来たと思っていたところ、翌日に1700万円しか振込がなく、原告は振込当日に振込金額を確認しているがそのうえでも、原告は何ら堀内弁護士に問合せや差額の請求をすることなく、自らの税理士には1700万円の処理方法を確認したうえで、そのアドバイスに従って贈与認定を避けるため(原告19頁等)、「入金確認の件」として、「御連絡が遅くなりましたが、7月26日付で江尻隆氏より、不法行為による損害賠償(慰謝料)として、金1700万円を確かに受領いたしましたので、ご確認申し上げます。」とのみ記載したファクス(乙18)を堀内弁護士に送信し、その後堀内弁護士や原告に連絡することは何らなかった、というのが本件の経緯ということになる。およそ理解しがたいストーリーである。

和解が成立したことは、これまでの準備書面(被告準備書面(1)14頁、被告準備書面(3)5頁等)及び堀内証人の陳述書(乙37・38)及び証言でも詳細に主張したとおりである。これ以上の多言は要しない。

3 原告供述には全く信用性が認められないこと

原告主尋問では、通常みられない程の誘導が行われていてその供述の証拠価値は殆ど無いし、反対尋問での態度をみても、原告は、都合が悪いことについては、否定するか(これまでの主張とは矛盾しても否定が行われるのが特徴的である)、露骨なはぐらかしを行なっているのであり、その供述態度が不誠実である。本書ですでに指摘したところに、さらに数点のみ付け加えるなら、以下のとおりである。

①乙11のメールについて

原告は、尋問では、乙11のメールを自分が作成したメールではないとする。

被告代理人 ・・・これはあなたが作成したメールですね。

原告 違います。・・・

被告代理人 では、この乙第11号証の中身を見て、これ作成したのはあなたじゃないということですか。

原告 そうです、記憶にはないです。

原告 絶対つくってないと思います。

原告 ・・・当然私がつくったものじゃないんで、私の考えとは違います。 原告35・36頁

しかし、被告は、乙11を、平成26年6月25日の期日に証拠提出して、それを踏まえて準備書面の主張を行なっているところ(平成26年6月18日付被告準備書面(1)9頁)、原告は、以下のとおり、当初は同メールを自らが作成したものであると認めていたものであるが、それが後退し、ついには尋問で否定するに至ったものである。

原告準備書面(1)9頁 乙11のメールについて(注・同準備書面では乙10と記載されているが乙11の誤記であることは内容から明らか)、原告が作詞絵したものであることを認めたうえで、その趣旨を述べている。

「このメールの直前に開催された調停期日において、原告が都合により出席できないことを奇貨として丸山弁護士を押し切って被告が勝手に3500万円を提示したことを前提にしたものであり、原告がこの金額に抵抗を示している事、その次の期日についても原告はすっかり出席意欲を失っていることを示すものである」

原告準備書面(4) 以下のとおり、原告が作成したものであるが、被告の指示により作成したとまず主張し、その後さらに後退。

「原告が被告の指示のもと作成したメール(乙10と乙11)」(10頁下から11行目)

「原告が送信したものかどうか、疑わしい」などと記載しつつ、「仮に乙11が真正なものであるとすれば、被告は原告が被告を愛するがゆえ被告に責任をかぶせまいと綿々と書いた文章をあとで証拠提出して利用するものであり、悲しいほど卑怯な行為である、人間として、恥ずかしくないのかと問いたい」(11頁4行目~)

以上のとおり、主張を後退させ、曖昧なものとしたうえで、最終的には同メールを原告が作成したことを前提にして、単に、被告を貶める手段にし、被告への人格攻撃に転じている。いずれにしろ、原告は、本訴での自己の主張と反する何らかの事実関係については、合理性があるかどうか、それが嘘を言うことになるのかどうかには関わりなく、とにかく否定しようとする態度が顕著であると言わざるを得ない。これ以外にも被告の主たる主張・証言は全て残った書証等に反していて、信用できない。

②堀内弁護士への事実無根の誹謗

原告は、準備書面(3)2頁で、堀内弁護士が、「原告がいわれのない請求をして江尻さんを脅していると原告の両親に言いつける」、「江尻への要求を原告が管財人をしている東京地裁破産部に通知して辞めさせる」などとして、「脅迫、強要をし」た旨主張するが、そのようなことはありえない(堀内8頁)。

以上のとおり、原告の主張や供述には、記憶違いでは片付けられず、虚偽の主張や供述をしていると断定せざるをえないことが多々見受けられる、原告の主張は、どんどん変遷するし、最初に被告に金員の請求をしてきた時点ですでに、請求を正当化するために無理やりこじつけたり創作したりしているものがほどんどであるから、最初のころにしていた主張であることを持ってそれを正しい主張とみることはできないが、少なくとも、最初は原告としてはそこまで主張していなかったことについて、その後変遷して主張するようになったことは、虚偽であること明らかであるといえる。

その意味で、原告が被告への金員請求をして最初に被告代理人に面談するにあたって原告が用意した乙35で、「江尻先生は、交際しても今後一切、離婚して森と結婚することは無いとも、一緒に暮らすことは無いとも、明言されていませんでした。」などと記載されている程度であることが注目される。原告が被告に対して法外な金員請求するために、最大限ふくらませた主張が上記のとおりであることは、被告が離婚や結婚の約束をしなかったことを如実に示し、原告の本訴での主張、すなわち、被告が原告に対して、結婚してくれと言ったとか、結婚を前提に交際を申し込んだなどという話が、全くもって事実無根であることを端的に示すものである。

4 唐突な二世帯住宅の主張からも窺える本訴提起の背景

(1)二世帯住宅の主張が架空の作り話であること

原告は、原告の両親とも会っていない被告が、原告とその両親(既に80才台と70才台出会ったと思われ、原告も介護の必要性を認識していた(甲17の14頁))との同居も「同意してくれたと安堵した」と主張する(訴状19頁)が、およそ常識に反する。原告の考え(が常識に反するかどうか)は別にしても、原告の両親の立場からして、誰かと同居するならそれについて承諾するかどうか大きな決断であるから、少なくとも「同居相手」(被告)に会うことを希望したうえで判断したはずであるのに、原告は、被告を原告の両親に(故意に)会わせていないだけではなく、名前さえ言っていない(原告8頁)。まして被告からすれば、資金負担して同居するのなら当然原告の両親に会って同居が可能であるかを確認したのが常識であるのに会ってもおらず、不動産の所有者や建築会社などとも一切会っていない(被告4及び5頁)。原告の主張は、関係者の実際の行動とは全く整合していないのである。原告は、このような当然の疑問に対して何らの具体的な説明をしていない。

また、仮に半分被告負担の約束があったならば、原告は不動産所有権登記において2分の1は被告名義にすべきであるところ、現在に至るも当該不動産の所有権は原告名義のままである。原告は、不動産に関する借入を平成24年(2012年)7月31日に残金1170万円を支払って完済し【6】、抵当権を抹消している(甲17の16頁及び乙13の1乃至3)。結果、原告は、不動産の完全たる所有権を有するのであり、原告に何ら損害がないことになる。

【6】被告から受領した1700万円の原資で返済したものと推測される。

また原告は、単に「すぐに同居すれば支払ってもらえると思い」(訴状19頁)というが、どのような根拠で被告に請求できるかの具体的な法的根拠を示していない。にもかかわらず原告が、被告に対して、半分の9000万円について請求をするならば、法的根拠のない贈与を求めていることになる。

以上のとおり、二世帯住宅に関する原告の主張は、架空の作り話としかいいようがない。

(2)本訴提起の背景

原告は、なぜ上記(1)のような架空の作り話をするのであろうか。

思うに、原告は、資金援助(当初貸付申込から金銭請求に変化)を申し込んで1700万円の支払いを受けた平成24年(2012年)7月26日直後の7月31日に、ローン残高1170万円を支払っていわいる原告のいう二世帯住宅(自己及び両親の住居)の借入を完済して当時の目的は十分達成し、それで満足していたが、時日が経つうちに、あるいは、原告代理人と相談するうちに、さらに被告より金員をとれるのではないかと考えたものと思われる。

そして、和解当日の平成24年(2012年)7月25日現在では、原告の損害額リストに基づく損害額は合計5520万円であったが(乙35)、原告自身、その全額に固執することなく1700万円の支払があれば紛争にしないと提案(乙16)したほど、請求根拠がないものばかりであったにもかかわらず、二世帯住宅についてその損害リストにさえいれておらず、このときには「損害」に含めることができるとは全く思っていなかったように思われる。しかし、被告に更に金員を請求するにあたって、請求額を人為的に一挙に膨らませられるものとして、当初の損害額リストにはなかった二世帯住宅を追加したものと思われる。そのため、二世帯住宅に関しては、およそ有りえない架空の話が作り出されたのである。このように、二世帯住宅の主張は、それだけで請求額を一挙に多額に膨らませることができるための材料として作り出され、2億5000万円の請求額で調停が申立てられたのだと思われる。

しかし請求額を膨らませて調停に持って行っただけでは、被告から金員がとれなかった。そこで次に、原告及び原告代理人は、裁判を提起し、マスコミの報道を被告に不都合なものに誘導すれば名誉を重視する被告が和解に応じて追加の金銭的利得をえることができると考えて、これが本訴提起の由縁であったと思われる。すなわち、原告及び原告代理人は、原告に法的な損害(権利)があるためそれを裁判所に認めてもらおう・判決を勝ち取ろうとして裁判提起をしたのではなく、原告側主張をマスコミ報道させるための材料として(ニュースバリューの点や、一方当事者の言い分のみを偏向して報道することも裁判中であってみればハードルが低いとの考慮によると考えられる)、裁判を使ったのではないかと思われるのである。本訴で、原告の主張や供述が変転とし、最後まで裁判を貫徹することに真剣ではなかったためと思われても仕方がない程杜撰で、不誠実な訴訟遂行態度であるのは、原告側は、最初から、裁判所による「適正な解決」(判決でも和解でも)を期待したものではなかったからと理解すると腑に落ちる。

5 最後に

以上のとおりであるから、原告の本訴の請求は、認められる余地が皆無であること明らかである。原告が、多額の和解金をすでに受領しながら、本訴提起を行うことは、信義に反するどころの話ではなく、裁判制度の不当利用である。弁護士たる原告がこのようなことを行うことは、誠に残念至極であって、強く非難されるべきことである【7】。

【7】残念なことと言えば、訴状での女性弁護士へのいわれのない誹謗・中傷(訴状4乃至7頁)もそうである。このような女性弁護士への評価は、多様性を重んじる現代社会では最も非難されるべきことがらであり、本件事務所に所属していた女性を含む全同僚弁護士への侮辱以外の何ものでもない。女性弁護士である原告がこのようなことを言うことは、誠に残念至極でならない。

原告は、本訴請求原因事実について事実に反する主張を行なっているのみならず、訴外では当該事実に反する主張をマスコミに喧伝し、訴訟手続においては、被告について、「徹底した自己中心、保身の人」「小心者」「吝嗇(りんしょく)さ」「非常識」「被告にとって、コントロールが全てである。他人を信用できない、真の意味での愛情を持てないのが被告である。」(以上、訴状16・17頁)、「被告の支配欲」「自分の権力と利益の追及に貪欲で、いくらでも利用為尽くす性格」「その裏には、女性に対する蔑視が色濃く隠されている」「支配欲を実現するためには色々と策を弄する人」「他人の仕事もとる、欲深さと政治力」「たいして頭が良くなくともできる世界から被告はスタートすることが被告の”商才と小心”」「自分では仕事はしないが、虚名で乗り切るのは得意」「口ばかりの素人」(以上、陳述書19~24頁)などと徒に侮辱的表現を用い、堀内弁護士に対しても、事実無根の言いがかりをつけて脅迫・強要行為をしたと主張し、また尋問前には「虚偽の証言をすることは確実なので、その場合は、偽証罪に問うつもりである」などと威嚇し(原告準備書面(5)11頁)、被告に対しては(原告の本件事務所の退所の理由となった破産管財人事件の報酬の話に関し)、以下のとおり述べて、更に別訴提起の意向を示している。

原告代理人 ・・・これはこれで別個の名誉棄損として被告を訴えようと今思っている。

原告 そうです。余りにひどいことなので、これは別途ちゃんと訴訟を起こします。

根拠なく他人を誹謗中傷し、裁判制度の不当利用をすることで他人に大きな負担(経済的・精神的・信用等に対するもの)を負わせ、それを材料として法外な金員取得を目論むことは許されるものではないが、これまでの原告態度からすれば、今後も何らかの口実をもうけて、被告の名誉を貶め、多大の係争負担を負わせ、それをもって被告から金員を得ようとすることも考えられる【8】。

【8】原告が別訴提起の意向を示す、原告の本件事務所退所の理由となった破産管財事件の報酬の件についても、事実であって、本来であれば原告が名誉棄損であるなどといえるような筋合いのものではない。まず、当時の本件事務所の11名のパートナー全員(利害関係者で欠席した原告は除く)のサインしたパートナー会議の議事録(乙20の1)という動かしがたい証拠がある。そして原告は、本件事務所を辞めるに際して売上漏れを精算し、担当のパートナーから最終的に問題ないとの確認をとっていると主張する(原告準備書面(4)9頁③及び甲第17号証12頁)ので、少なくとも問題ある売上漏れをしたことは認め、被告が原告の本件事務所退所を強要したのではないと認めているようである。しかしより重要なことは、原告は本訴で本件事務所のパートナーとの精算・確認についてついに書面での立証ができなかったことである。原告は金額すら覚えていないと証言する(原告34頁)が、5000万円という高額な売上漏れにかかわるものであり、原告がこの点に関して幾度もほのめかしながら最終的に自己の主張を裏付ける証拠を提出できなかったことは、原告の説明が虚偽以外の何ものでもないことを示している。

しかし原告は、根拠なき主張であっても、それを元に提訴すること・マスコミに当該主張を積極的に喧伝することを、本件で如実に示している。

裁判所のおかれては、原告が、今後、事実を都合の良いように脚色して主張することが十分に考えられるため、原告が、判決書中の片言節句をとりあげて文脈を離れて都合の良いように利用する可能性を踏まえて、紛争の最終的解決となる判決を下されたい。

以上

参考サイト:
江尻隆のwiki

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