スーパークレイジー君という異名で、政治活動をしていた元宮崎市議の西本誠被告(37歳)に2024年5月24日、裁判員判決の判決公判が宮崎地方裁判所で行われました。
船戸宏之裁判長は「執拗(しつよう)なわいせつ行為で相当に悪質」などと述べ、懲役4年6カ月(求刑懲役7年)を言い渡しました。
元宮崎市議の西本被告は2023年9月、知り合いの30代の女性を宮崎市のホテルに無理やり連れ込んだ後、ベッドに押し倒し、馬乗りになるなどし両腕を押さえ付け強引に性交を行おうとするなどの暴行を加え、女性はホテルの部屋から逃げようとし、転倒した時にけがをさせた不同意性交等致傷の罪に問われていました。
西本被告は初公判で「間違いありません」と起訴内容を認めており、量刑が争点となっていました。
検察側は論告で、西本被告が嫌がる女性を性行為目的で無理やりホテルに連れ込んで暴行した事などに、「卑劣、強引で執拗な犯行。被害者に落ち度はなく、相当期間の実刑判決が求められる」と主張しました。一方、弁護側は「性行為はなく、示談の意思を示している」などと執行猶予付きの判決を求めていました。
西本被告は2023年4月の宮崎市議選で当選しましたが事件発覚後保釈されたのち、2024年2月に辞職しています。
〈スーパークレイジー君こと西本誠被告とはどのような人物?〉
1986年に宮崎県宮崎市内に誕生、実父が暴力団員だった上に、出産直後に両親が離婚。刑務所に服役することも多かった父親は、女性関係も多く、5度の離婚を繰り返した結果、母違いの兄弟が7人もいるような家庭環境でした。
5歳の時に継母と他の兄弟たちが、自分を残して実家から出奔するという出来事が起こり、西本被告は祖母に育てられました。
そして西本被告は自身の居場所を求めて他の仲間と駆け回った結果、非行の道へ。
共同危険行為で何度も補導、逮捕されています。
・少年院3回(福岡少年院、人吉農芸学院、大分少年院)
・宮崎鑑別所6回
・救護院1回
しかし、殺人や強盗、詐欺といった犯罪に手を染めたことはありませんでした。
少年院に入所したせいで、2007年6月17日祖母の死に際を看取れなかったという悲しい経験もしました。
大分少年院を出所後のスーパークレイジー君は、2008年頃に東京へ上京し、初めは銀座のクラブで黒服として働き、段々と水商売としてのキャリアを積み重ねて行きました。
元々は自分の店をやっていたが、失敗してその後は他の店で雇われ社長になった。自分の連れてきたキャスト達の売り上げがあり、出勤しなくても月120万円くらいが固定で入っていた。コロナで状況が変わって月15万円くらいになった。
とその時の状況を西本被告はこう語っています。
そんな西本被告が政治家に関心を抱いたきっかけについては、クラブの常連客に政治家が多く、「今日の選挙で、票を集めてくれたらお店でいっぱい使うよ」みたいな軽口を聞いている内に政治家という職業に興味を抱いたそうです。
夜職の子は、選挙に興味がない。だから銀座のホステスを僕が集めて、みんなで投票所に行ったりした。そういう人たちをたくさん見てきたので、だったら今度は自分が「出る立場」になってみようかなって。後ろ盾なしで一人で受かるのってマンガみたいでカッコいい。
と当時の西本被告は、政治家に対する憧れをだんだん強くしていきました。
西本被告は2013年に妻 莉子さんと結婚。
と莉子さんは出来ちゃった結婚だったそうで、2013年8月に長男が生まれています。妻 莉子さんの父親は元警察署長。このため西本被告は、自身が水商売で働いている事を明かせず、自分の職業は唐揚げチェーン店の統括マネージャーだと嘘をついていました。
しかし2020年に東京都知事選に出馬したせいで嘘がバレてしまい、義父から『次も選挙に出るなら娘と別れてくれ』と激怒されてしまいました。
2021年1月に埼玉県戸田市議選に当選したが、「居住実態がない」がないことを理由に当選無効となってしまった過去がありました。
2020年7月の都知事選で特攻服をまとい、ダンスを踊る選挙活動で話題を読んだ西本被告の当選は、『異色の市議誕生!』などと話題をさらいましたが当選後、市民から「居住実態に疑問がある」という異議申し立てが提出され、市の選挙管理委員会が調査しています。
公選法は、選挙権を得るには選挙区内に3カ月以上住んでいる実態があると規定しており、戸田市選管は、西本氏やその妻から聴取したり、電気、ガス、水道の利用状況を調査した結果、戸田市に居住の実態がないと判断しました。
西本被告の当選無効騒動に関しては、定数26中27番目の得票数で落選した候補者が公明党公認だったことに加えて、西本被告本人が下記の意味深すぎるツィート(現エックスのポスト)をしています。
(マスコミの報道発表を見て)
ほぼ全部の社が
宗教がらみ。ってのが
一言も書いてない。
選管の局長が宗教がらみの噂を聞いて
夜中の呼び出しの翌日に
本人に僕が追求したら
認めた!!って事をメインに
記者会見を開いたのが趣旨なのに。
意味なかったわ。
午前3:25 · 2021年2月19日
場所: 埼玉 戸田市
実際に異議申し立てをした人物は作詞・作曲家の今澤雅一さんという人物であり、創価学会とは無関係と言う事です。がこの異議申立書が出されたことに西本被告は、選管の事務局長から遠回しに議員辞職するよう圧力を受けていたことを暴露。創価学会の関与も仄めかしました。
因みに西本被告は、元々2019年にインディーズレーベルからシングル『てんてんむし』で歌手としてデビューもしています。
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