2024年5月13日、現役ストリッパーの有賀美雪さん(50歳)の、30年前に出演したポルノ作品が、ネット上に無断で有料配信されていたとして、大手配信サービス運営会社『FANZA』(東京都)を相手取り150万円の損害賠償と映像の差し止めを求める裁判を東京地方裁判所に起こしました。
有賀さんは当時ストリッパーとして活躍しており、舞台で踊って表現をするアーティストであって、わいせつな動画には本来出演したくありませんでしたが、当時は何も知らず知人からの誘いを受けるがままに1994年(平成7年)劇場作品4本のポルノ映画に出演することを承諾しました。
撮影前に交わされた契約では、特定の映画館に限ってのみ上映することになっていました。
しかし現在、有賀さんがネット上に作品が存在していることを知ったのは、「13~14年前のこと」で、販売されているということがわかったのは今年1月とのことです。自分の名前をたまたまエゴサーチしたところ、当時のポルノ映画が検索上位に出てきたことに驚くとともに傷つき、
「今この時にも、過去のわいせつな映像が画面上で観られてしまう。一時は芸名を変えるしかないのかもと悩みましたが、このまま泣き寝入りをしたくないという思いで弁護士さんに相談した」
そうです。
有賀さん「あくまで裸になる行為はAVもストリップも該当するが、私は、ストリップは芸術的なパフォーマンスとしてのお仕事だと思っています。わいせつ作品ですあるポルノ映画とは一緒くたにされてほしくありません」
訴状によりますと、原告側は、出演作品がAV出演被害防止・救済法(いわゆる『AV新法』)における『性行為映像制作物』に該当するとし、同法の規定に基づき、差止請求ができると主張しています。
『性行為映像制作物』とは、AV出演被害防止・救済法(いわゆる「AV新法」)において、性行為または性的な行為を撮影した映像作品のことを指します。この法律は、出演者の同意を確実に取得し、出演による権利侵害や不適切な扱いを防ぐための規定を設けています。
原告代理人の諸橋仁智弁護士
「有賀さん主演のポルノ映画が、どのような経緯で配信されたのか明らかではない。救済法の目的は、出演者の回復不可能なダメージを救済することにあるので、法施行前に撮影・公表された作品でも、差し止めが認められると解釈される」
原告側の要求は、
◇販売されているポルノ映画の現在と将来への差し止め。
◇所有する記録の廃棄も求める。
◇人格権、肖像権、パブリシティー権の侵害として、150万円の損害賠償の支払いを求める。
以上となっています。
『FANZA』運営会社のコメント
「現時点で訴状が届いていないので答えかねる。当該出演作に関して、当サイトに取り下げの依頼があった事実はこれまで確認されていない。」
尚、当サイトで扱っている商品は、作品の権利を保持している事業者と契約して販売しており事業者と出演者との間の契約は、弊社が関与できることではないとし、訴状の内容を確認次第、適切な対応を検討するとしています。
有賀さんが提訴を決めたのは自身だけの問題ではないようです。
「AV新法によって業界が新しく変わってはいるが、私のように古い作品でもネット上にアップされ、傷ついている人がいるはず。決して『昔の話だから仕方ない』と諦(あきら)めずに削除を求めることもできると知ってほしい。」
参考サイト:
『FRIDAY』被害女性が怒りの告発!「大手アダルトサイトで私の動画が知らぬ間に販売されていました」
「30年前出演のポルノ映画が無断販売されている」 現役ストリッパーの女性、配信サービス運営会社を提訴
「私が架け橋になりたい」30年前に出演した“ポルノ映画”の配信差し止め請求 原告女性が「訴訟」選んだ理由とは
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