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東京都知事選 小池知事 石丸氏、蓮舫氏の得票傾向を振り返る 

小池百合子知事が3回目の当選を果たした東京都知事選挙の選挙結果・得票結果を受け、与野党間でも、次期衆・参議院選へ向け、その評価を巡って様々な意見、見方が出始めています。

小池氏、石丸伸二氏、斎藤蓮舫氏のそれぞれの62の区市町村別の得票結果を踏まえ、与野党の見方や考え方を報告します。

【参考資料:小池知事、石丸氏、蓮舫氏の得票結果】

小池氏がすべての区市町村でトップになった一方で、石丸氏や蓮舫氏の得票数・率はそれぞれの地域によって結果が分かれました。

都知事選の選挙結果について、区市町村別に見ていきます。

まず、小池知事です。

小池知事は都全体で291万8015票を獲得し、得票率は42.8%で62のすべての区市町村でほかの候補を上回りました。

小池氏の得票率が高い地域を見ていきます。

得票率が最も高かったのは、青ヶ島村の69.9%で、次いで新島村68.8%、奥多摩町68%などの順で8つの自治体で得票率が60%を超えました。

また、23区内ではでは足立区、江戸川区、葛飾区で45%以上の得票率となりました。

都全体での得票率42.8%を超えた自治体は41と全体の3分の2でした。

一方、得票率が低かったのは、渋谷区、目黒区、武蔵野市などでした。

2位になった石丸氏は、165万8363票・得票率は24.3%でした。

石丸氏は、世田谷区での得票率が28.1%と最も高く、次いで、渋谷区、中央区などとなりました。

品川区、目黒区、港区でも27%以上の得票率で、合わせて17の自治体で得票率が25(投票に行った4人に1人が投票)を超えました。

得票率が20%(5人に1人が投票)を超えたのも46か所でした。

23区内に限ればすべてで蓮舫氏を上回り、都全体でも53か所で石丸氏が蓮舫氏をリードしました。そのうちのおよそ半数の26の開票所で、石丸氏と蓮舫氏の2人の得票率に5ポイント以上の差がつき、都心の中央区、港区、千代田区、品川区などは10ポイント以上開きました。日本維新の会の得票傾向と似ています。

蓮舫氏は、128万3262票・得票率は18.8%でした。

蓮舫氏が石丸氏をリードしたのは多摩市や清瀬市など9でした。

蓮舫氏は、武蔵野市、国立市、多摩市、小金井市、杉並区、三鷹市、国分寺市などで、合わせて20か所で得票率が20%を超えました。

しかし、蓮舫氏の得票数128万3262票は、一昨年(2022年)の参議院東京選挙区で自身が獲得した67万339票に、今回を支援を受けた共産党の山添拓議員の得票数(68万5224票)を足しても72301票及ばないことから、立憲民主党内では「共産党との連携を前面に出したことで無党派層への支持が広がらなかった」として、野党間の連携のあり方が改めて問われるといった意見が既に出ています。

NHK、朝日新聞、讀賣新聞、共同通信が投票日当日に行った出口調査でも、「特に支持政党を持たないいわゆる無党派層」からの蓮舫氏に対する支持は、16~20%程度と、石丸氏や小池氏が30%以上の支持を受けていたのに対して半分程度でした。

このため、党内では秋に控える代表選挙を見据え、共産党など野党間の連携の在り方について議論が活発になるとの見方が広まっています。

一方、自民党内では、自主的に支援した小池氏の勝利について「小池氏の勝利が党の勝利ではない。党に対する批判はまだ収まっておらず、しっかり改革を進めていく必要がある」などの意見が出されています。

また、都議会議員の補欠選挙では、8つの選挙区に候補者を擁立したものの、選挙前の5議席を下回る2議席の獲得にとどまったことに対して、党内では、政治とカネの問題での逆風が根強く残っているという受け止めが大勢で、党の信頼回復に全力を挙げることにしています。

今年10月30日には、衆議院議員の任期満了まで残り1年を切り、来夏には東京都議会議員選挙、参議院選挙も予定されています。

与野党ともども、こうした国政選挙を視野に入れ、都知事選、都議補選の結果の分析をさらに進めていく方針です。

                                    以上

筆者 平木雅己(ひらきまさみ)選挙アナリスト

元NHK社会部記者。選挙報道事務局を長く勤め情勢分析や出口調査導入に尽力。小選挙区制度が導入された初めての衆議院議員選挙報道ではNHK会長賞を受賞。ゼネコン汚職事件、政治資金の不正など政治家が関わる多くの事件・疑惑も取材。

その後、連合(日本労働組合総連合会)事務局にて会長秘書(笹森清氏)として選挙戦略の企画立案・候補者指導を担当、多くの議員の当選に尽力した。 

政策担当秘書資格取得後、法務大臣/自民党幹事長代理はじめ外務大臣政務官、衆参国会議員政策秘書として、外交・安全保障、都市計画、防災、司法、治安、雇用・消費者、地方自治などの委員会や本会議質問を作成、政策立案に携わる。

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