1. 何が起きているのか?|イラン・イスラエル間の報復合戦
最近の中東情勢は極めて緊迫しています。発端は、イスラエルによるイラン核ミサイル施設への空爆。複数の死者が出たこの攻撃に対し、イランはイスラエル本土への大規模報復を敢行。アメリカも巻き込まれ、トランプ政権下の米軍がイラン核施設を攻撃、中東へ空母打撃群を派遣するという大規模軍事行動に出ています。
イランは「壊滅的反撃を辞さず」と警告し、状況は一触即発の様相を呈しています。
2. 背景:イラン・イスラエル・アメリカの三角関係
▷ イラン:反イスラエル国家
1979年のイラン革命以降、反米・反イスラエルの姿勢を強めており、イスラエルの国家存続自体を否定。
▷ イスラエル:核保有を絶対に阻止
イランの核開発を「国家の存続を脅かす脅威」とみなし、先制攻撃や暗殺・サイバー攻撃など多様な手段で阻止。
▷ アメリカ:イスラエルの後ろ盾
ユダヤ系ロビー団体AIPAC(エイパック)などの影響で、イスラエル支持は政権を問わず超党派で継続。シオニスト福音派という宗教右派も強い影響力を持つ。
3. イスラエルが恐れる“包囲網”と中東全体への波及
イランには“代理勢力”が多数います。
- ヒズボラ(レバノン):シーア派、イランから支援を受けている反イスラエル組織
- フーシ派(イエメン):同じくイラン寄りのシーア派武装組織
- ハマス(パレスチナ・ガザ):スンニ派だがイランから支援を受ける反イスラエル勢力
これらの連携が強まれば「中東全域を巻き込んだ戦争」に発展する可能性がある。
4. 戦争のルーツは「イギリスの三枚舌外交」
1915〜17年にかけてイギリスが行った外交政策が、今日の混乱の源とされています。
- フサイン=マクマホン協定:アラブ人に独立を約束
- サイクス=ピコ協定:英仏で中東分割支配を密約
- バルフォア宣言:ユダヤ人にパレスチナでの“民族郷土”を約束
この三つは相互に矛盾しており、アラブ人・ユダヤ人・フランスいずれにも嘘をついたことが後の対立の火種になりました。
5. グレーター・イスラエル構想|「聖書に基づく領土拡大思想」
過激な宗教右派が掲げる「グレーター・イスラエル構想」は、ナイル川からユーフラテス川までの領土拡大を目指すという思想。
これは旧約聖書に基づいており、現在のイスラエルより遥かに広大な地域(レバノン南部、シリア、イラク西部、サウジ北部、シナイ半島など)を含みます。
これが実際の入植政策・軍事行動の背景にあると指摘されており、「陰謀論」と一蹴できない現実的脅威と化しています。
6. アメリカの中東介入|民主主義の輸出か?ロビーの圧力か?
アメリカの中東介入には2つの顔があります。
表向きの理由
- 民主主義・自由主義の普及
- テロとの戦い(例:イラク、シリア)
裏の本音
- イスラエルの安全保障(ユダヤ系ロビーの圧力)
- 軍産複合体の利益(戦争がビジネスになる)
イラク戦争・シリア内戦・イラン核合意離脱など、アメリカの中東政策はイスラエルの戦略と重なっていることが多く、実質的に「イスラエルの代理戦争ではないか」との批判も存在します。
7. 日本への影響|ホルムズ海峡と物価高
日本は中東からの石油輸入に依存しており、ホルムズ海峡の封鎖=エネルギー危機につながります。
- 原油価格上昇 → 物価高・コストプッシュインフレ
- 円安が加速 → 庶民生活直撃
- 政府の対応次第では参戦の可能性もゼロではない
日本の外交方針がアメリカ寄りである限り、中東の火種は対岸の火事では済まされません。
8. 「第3次世界大戦」は起きるのか?
現時点では全面戦争の可能性は低いと見られますが、以下の点に要警戒です。
- イラン核開発 vs イスラエルの先制攻撃
- 米国の支援と中東介入
- 中国・ロシアのイラン寄り姿勢
- 各国の代理戦争の構図(特にシリア・イエメン)
偶発的な爆撃や報復によって戦火が拡大すれば、**米中露が直接関与する“本当の第3次世界大戦”**の引き金になる可能性は残されています。
9. まとめ|宗教と石油とロビーが絡む“終わらない戦争”
中東戦争は、単なる国家間の利害対立ではなく、
- 宗教的信念(シオニズム・ジハード)
- 歴史的裏切り(イギリス外交)
- 巨大な利権(軍産・エネルギー)
- 国際ロビー(AIPAC・シオニスト福音派)
という「複雑に絡み合った構造」により、100年以上終わることなく続いてきました。
現代においても、イスラエルの過激化・アメリカの後押し・イランの反発という構図は健在であり、状況は予断を許しません。
とくに我々日本人にとっての物価・生活コストへの影響は、極めて重大な関心事です。
コラムニスト:根本 良輔(ねもと りょうすけ、1994年6月21日)
東京都練馬区出身。くりのみ保育園、大泉南小学校、大泉第二中学校卒業。石神井高校、芝浦工業大学を卒業後、東京大学大学院へ進学し(のち中退)、電気工学の研究に従事する。会社経営者、政治活動家、つばさの党幹事長。二児の父。
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