今週は、自民党総裁選挙、立憲民主党代表選挙にむけて立候補表明の会見が行われるなど
政治の動きが活発化します。
一方、株価の不安定な値動きなどについて、政府と日銀から意見聴取を行うため、衆議院、参議院の委員会で国会閉会中の審議が行われます。
お盆明けの政府、政治、経済、社会の動きをまとめます。
【別紙:参考資料「永田町カレンダー」】
政府の予定です。
24日、東京電力福島第一原発の処理水の海洋放出が始まってから1年となります。
岸田文雄首相は福島県を訪問し、漁業関係者らと面会する予定です。この中で、岸田首相は、処理水の海洋放出はIAEA=国際原子力機関の関与のもとで安全性を確保しながら続けられていることを説明し、今後も風評対策や漁業支援に万全を期することを伝えます。また、処理水の放出開始後、中国が続けている日本産水産物の輸入停止措置の早期撤廃に向けた働きかけを粘り強く続けていく考えを伝える見込みです。
20日、上川陽子外相と木原稔防衛相がインドとの外務・防衛の閣僚協議、いわゆる2プラス2に臨みます。
法の支配に基づく「自由で開かれたインド太平洋」の実現のほか、自衛隊とインド軍による共同訓練の推進や、防衛装備品の供与などをめぐって意見を交わすことにしています。インド太平洋地域で影響力を強める中国を念頭に両国との連携を強化したい考えです。
24日から25日まで、来年25年に横浜市で開催されるTICAD=アフリカ開発会議に向け、アフリカ各国の閣僚らとの準備会合が開かれます。経済成長や社会課題の解決への取り組みでどのような協力ができるのか意見を交わすことにしています。
アフリカの開発や支援がテーマのTICADは、3年に1度、日本が主導して開く国際会議で、来年25年8月に横浜市で開催されます。
会合では、上川外相が議長を務め、「経済」や、保健・衛生分野をはじめとする「社会」、それに「平和と安定」の3つの分野で、どのような協力ができるのか意見を交わすことにしています。また、官民を挙げた新たなビジネスの創出や各国が抱える課題の解決に向けた取り組みなどを検討し、来年の会議で具体的な方策として打ち出したい考えです。
政治についての動きです。
19日、自民党総裁選挙に向け、立候補に必要な推薦人20人の議員に賛同を求めている小林鷹之・前経済安全保障相は、記者会見を行い、総裁選への立候補を表明する見通しです。
20日、自民党の総裁選挙管理委員会が開催され、総裁選日程を協議します。9月12日告示、27日の投開票が有力視されています。
また、宏池会(岸田派)に所属していた議員が会合を開き、総裁選への対応を協議する予定です。宏池会に所属していた議員では、林芳正内閣官房長官、上川陽子外相が総裁選への立候補を模索しています。
21日、立憲民主党の枝野幸男・前代表が、代表選挙への立候補を表明します。これに先立ち、自治労や日教組などの組織内議員を中心とする党内左派議員のグループ「サンクチュアリ」は、19日に会合を開き、枝野・前代表への支援の在り方を議論します。
株価の不安定な値動きが続く中、23日、国会閉会中審査が行われます。9時30分から衆議院財務金融委員会、13時から参議院の財政金融委員会が開かれ、鈴木俊一財務相や日銀の植田総裁から説明を求めます。
経済の動きです。
22日から24日、米国で「ジャクソンホール会議」が開かれ、FRB(米国連邦準備制度理事会)のパウエル議長らが出席します。
「ジャクソンホール会議」は、米国・カンザスシティー連邦準備銀行が、1978年から毎年夏に開催する金融・経済シンポジウムです。
米国をはじめ、ユーロ圏、英国、カナダ、日本など主要な国の中央銀行総裁や幹部、経済学者、著名なエコノミスト、証券会社幹部が参加します。
19日、内閣府から機械受注統計調査が公表されます。
機械受注統計調査は、機械製造業者の受注する設備用機械類の受注状況を調査し、設備投資動向を早期に把握し、経済動向分析するための資料です。
20日、財務省から貿易統計が公表されます。
貿易統計は、日本の貿易の実態を正確に把握し各国の外国貿易との比較を容易にすることで、国や公共機関の経済政策、民間企業の経済活動に資することを目的にしたものです。
23日、総務省から消費者物価指数が公表されます。
消費者物価指数は、全国の世帯が購入する家計に係る財及びサービスの価格等を総合した物価の変動を時系列的に測定するものです。家計の消費構造を一定のものにし、これに要する費用が物価の変動によって、どう変化するかを指数値で示したもので、毎月作成・公表されています。
コンビニエンスストア、スーパー、百貨店の7月の売上高も発表されます。
20日、フランチャイズチェーン協会から全国のコンビニエンスストア、22日、日本チェーンストア協会から全国のスーパー、23日、百貨店協会から全国百貨店売上高がそれぞれ発表されます。
社会の動きです。
小林製薬は、紅麹コレステヘルプなどを摂取し症状との間に相応の因果関係が認められる人を対象に、医療費や慰謝料、休業に伴う補償などについて、19日から補償受付を始めます。
補償の対象となるのは、紅麹コレステヘルプなど大阪市の回収命令の対象となっている製品のうち、◆プベルル酸を含む可能性のあるサプリメントを摂取し、◆「相応の因果関係が認められる人」としていて、会社は医師の診断内容を総合的に考慮して補償を進めるとしています。
補償の内容は、◆治療に必要となった医療費と交通費、◆慰謝料、◆症状によって休業しなければならなかった分の休業補償、◆後遺障害によって将来得られたはずの収入が減少した場合の「逸失利益」で、亡くなった人についてはこれとは別に対応するとしています。
問い合わせの電話番号は0120ー663ー272です。
19日、米国軍と韓国軍は、朝鮮半島有事を想定した定例の合同軍事演習を今月29日まで行います。今回の演習では48の野外機動訓練などが行われる予定で、北朝鮮の大量破壊兵器への対応を強化するとしています。また、韓国軍は、今回の演習期間中に韓国政府が初めて北朝鮮の核攻撃を想定した訓練を実施すると明らかにしました。
22日、「対馬丸事件」から79年を迎えます。
対馬丸は、太平洋戦争中、疎開船として民間人や児童ら計約1,700人を乗せて那覇から長崎へ向かう途中、米海軍の潜水艦からの魚雷攻撃を受け沈没しました。
以 上
筆者 平木雅己(ひらきまさみ)選挙アナリスト
元NHK社会部記者。選挙報道事務局を長く勤め情勢分析や出口調査導入に尽力。小選挙区制度が導入された初めての衆議院議員選挙報道ではNHK会長賞を受賞。ゼネコン汚職事件、政治資金の不正など政治家が関わる多くの事件・疑惑も取材。
その後、連合(日本労働組合総連合会)事務局にて会長秘書(笹森清氏)として選挙戦略の企画立案・候補者指導を担当、多くの議員の当選に尽力した。
政策担当秘書資格取得後、法務大臣/自民党幹事長代理はじめ外務大臣政務官、衆参国会議員政策秘書として、外交・安全保障、都市計画、防災、司法、治安、雇用・消費者、地方自治などの委員会や本会議質問を作成、政策立案に携わる。
☆出稿資料☆
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