戦後の日本では、「無実の人間」が国家権力によって罪を着せられ、人生を破壊された事件が繰り返されてきました。
本記事では、警察・検察・裁判所が一体となって生み出した2つの重大な冤罪事件
――徳島ラジオ商殺し事件と島田事件――を取り上げ、司法制度の構造的問題を掘り下げます。
【1】徳島ラジオ商殺し事件(1953年)
◆事件概要
1953年、徳島市でラジオ店を営んでいた男性が何者かに殺害されました。
現場には外部からの侵入を示す足跡が残っていたにもかかわらず、警察は“内部犯行説”に転換。店で働いていた少年AとNを長時間の取調べで拷問し、「経営者の妻・しげ子さんが犯人だ」と証言させました。
この証言を根拠に、裁判所はしげ子さんに懲役13年を言い渡し、控訴も棄却され服役。
しかしその証言は虚偽であり、少年たちは警察と検察に作られた筋書きを強要されていたのです。
◆再審請求と無罪までの30年
しげ子さんは3度の再審請求を行うも全て棄却。
仮釈放後もなお、親族が再審を続け、ようやく6度目の再審請求で無罪判決が出ました。だが判決時、しげ子さんはすでに故人となっていました。
◆主な問題点
- 物的証拠ゼロ:犯行に使われたとされる刃物も未発見。
- 少年の虚偽証言:拷問による捏造で、後に証言を撤回。
- 新犯人の自白も黙殺:Yという人物が名乗り出たにもかかわらず、検察は握り潰した。
- 再審制度の壁:検察・裁判所内部に「前任者の責任を隠すために再審を妨害する圧力」があったと推察される。
【2】島田事件(1954年)
◆事件概要
静岡県島田市で当時6歳の幼女Hちゃんが殺害される事件が発生。
被告となったのは、知的障害を持つ赤堀政夫氏。
2ヶ月前の記憶を答えられなかったことが「不審」とされ、別件の窃盗容疑で逮捕されたのち、厳しい取調べで自白を引き出されました。
だが、赤堀氏の自白以外に物的証拠は一切なく、死亡鑑定とも矛盾する内容でした。
◆冤罪の構造
ご用学者による偏った鑑定:古畑鑑定により、警察の筋書き通りの供述が「正しい」とされた。
- 自白偏重:証拠なきまま、自白だけで死刑判決。
- 最新鑑定の逆転:後の再鑑定により矛盾が証明され、再審開始。
◆無罪確定までの道のり
第4次再審請求でようやく再審が開始され、30年以上の死刑囚生活を経て無罪判決が下されました。
冤罪と認定されるまで、本人はいつ処刑されるかも分からない中で毎日を生き抜いていたのです。
【3】冤罪の手口は今も生きている
これらは決して“過去の話”ではありません。
現在でも、証拠がない段階で別件逮捕による取調べを行い、自白を引き出すという手法は続いています。
たとえば「紀州のドンファン」事件では、詐欺容疑で須藤早貴氏が逮捕され、その過程でドンファン殺害についての追及がなされました。これはまさに、冤罪事件で繰り返されてきた構造と同一です。
【4】声を上げることの意味
警察・検察・裁判所という「絶対に間違いを認めない組織」が結託したとき、市民一人では抗えません。
だからこそ、こうした事件を風化させず、共有し、再発防止を求める声を社会全体で上げ続けることが必要です。
もし、無実の人間があなたの家族だったらどうしますか?
コラムニスト:根本 良輔(ねもと りょうすけ、1994年6月21日)
東京都練馬区出身。くりのみ保育園、大泉南小学校、大泉第二中学校卒業。石神井高校、芝浦工業大学を卒業後、東京大学大学院へ進学し(のち中退)、電気工学の研究に従事する。会社経営者、政治活動家、つばさの党幹事長。二児の父。
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