はじめに
今回は、日本の司法制度の深刻な問題を浮き彫りにする二つの事件を紹介します。
それは、警察による拷問を内部告発した警察官が迫害され、結果として冤罪が引き起こされた事件です。
取り上げるのは「二俣事件」と「八海事件」。
いずれも警察・検察・裁判所が結託して冤罪を生み出し、正義を踏みにじった例です。
二俣事件:警察の拷問と内部告発者の末路
概要
1950年、静岡県二俣町で4人が殺害され現金が奪われる事件が発生。別件で逮捕された少年Sが拷問の末に自白し、死刑判決を受けるという冤罪事件が発生しました。
拷問の実態
・外部に音が漏れない部屋で長時間の取調べ・殴打や引きずり回しなどの暴力
警察官の内部告発
現職の警官Y氏が新聞で拷問の実態を告発。すると逆に中傷され、偽証罪で逮捕され、妄想性障害と診断され免職・免許剥奪の処分を受けました。
裁判の経過
・地裁・高裁は自白を採用し死刑判決・最高裁が拷問には言及しないものの自白の信用性に疑義を呈し差し戻し・最終的に無罪判決が確定
問題点
・司法の「捜査官=信用できる」という先入観(宣誓神話)
・出世欲と組織防衛のために捜査官は平然と嘘をつく
・正直な警察官は迫害され、嘘つきが出世する構造
八海事件:自白強要で揺れ動いた冤罪判決
概要
1951年、山口県八海で老夫婦が殺害され現金が奪われる事件が発生。吉岡が逮捕され自白するも、警察が共犯者を捏造。多数の人間が巻き込まれ、判決が二転三転。
拷問と自白の変遷
・吉岡が最初は単独犯と供述 → 拷問で「6人共犯」→「5人」「2人」「単独」に変遷
・警察のシナリオに沿った供述をしないと死刑をちらつかされる
違法捜査と証人弾圧
・警察官が「共犯を白状すれば死刑は免除」と虚偽の説得
・証言の信頼性がコロコロ変わる
・共犯にされた者はアリバイがあっても起訴され、証人は偽証容疑で逮捕される
警察と裁判所の結託
・アリバイ証言者が逮捕されたことから、検察・裁判所がストーリーに沿わない証言を弾圧
・判決が無罪→有罪→無罪と迷走
最終結果
・吉岡ら全員が最終的に無罪判決
・しかし、長期間の勾留や拷問、社会的信用失墜の被害は回復不能
司法制度の構造的問題
宣誓神話の誤り
「被告人は嘘をつくが、捜査官はつかない」という前提は現実と逆です。捜査官も自らのメンツや出世のために嘘をつき、証拠を捏造することが過去に何度もありました。
裁判官と検察の癒着
・判検交流(裁判官と検察官の人事交流)により、裁判官が捜査側に忖度
・結果として、捜査官証言が無条件に信用され冤罪が生まれる
取り調べ可視化の限界
・録音・録画義務は重大事件に限定・日常的な捜査では拷問的取調べが今も行われている
自白の信用性軽視
・拷問で得た自白の変遷を無視・合理的な疑いを差し挟む余地があっても有罪判決が出る
結論と呼びかけ
これらの事件が示すのは、司法が「正義の番人」ではなく、国家権力の都合に従う機関になっているという現実です。
正直な警察官や裁判官は潰され、出世に貪欲な者だけが残る。そんな構造が冤罪を生み続けているのです。
私たち市民一人ひとりがこの構造に声を上げ、正義ある司法の実現を求めていくことが必要です。
今のままでは、誰が冤罪で人生を壊されても不思議ではありません。
コラムニスト:根本 良輔(ねもと りょうすけ、1994年6月21日)
東京都練馬区出身。くりのみ保育園、大泉南小学校、大泉第二中学校卒業。石神井高校、芝浦工業大学を卒業後、東京大学大学院へ進学し(のち中退)、電気工学の研究に従事する。会社経営者、政治活動家、つばさの党幹事長。二児の父。
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