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根本良輔が【徹底解説】弘前大学教授殺人事件──冤罪を生んだ警察と司法の腐敗構造

1949年、弘前大学のM教授の妻・Sさんが自宅で何者かに殺害されるという事件が発生した。当初、犯人を特定する物証は存在せず、警察は迷宮入りを避けるため、曖昧な証拠をもとに那須氏という人物を逮捕した。

血痕の出どころ不明でも逮捕

那須氏が疑われたのは「白い靴に付着した血痕」と「路上に残された血痕」が一致したという一点のみ。しかも、この血がそもそも“人間の血”であるかどうかすら不明だった。それにもかかわらず、警察は精神鑑定を申請し、交流を長期化。さらに別件の「骨董品の拳銃所持」で銃刀法違反とし、無関係な容疑で再逮捕するという、実質的な違法捜査を繰り返した。

自白を引き出すための「捏造鑑定」

精神鑑定では那須氏を「変態性欲者」と診断。これを殺人動機とし、逮捕・起訴へと突き進んだ。証拠不十分の状態での起訴であったにもかかわらず、検察側の御用学者・古畑教授による鑑定で「血痕の一致率98.5%」と主張し、有罪判決を引き出した。

一審無罪→二審有罪→15年服役

一審では無罪判決が出たが、検察が控訴。控訴審では古畑鑑定を全面的に信用し、逆転有罪に。最高裁もこれを支持し、那須氏は無実の罪で15年の服役を強いられた。

真犯人が名乗り出るも、国家賠償は棄却

後年、別件で服役中のT氏が自らを「真犯人」と名乗り出て、那須氏は再審請求。再審では無罪が確定するが、逮捕から34年が経過しており、那須氏の人生は完全に破壊されていた。

さらに驚くべきは、国に対する賠償請求(国家賠償訴訟)で敗訴した点だ。裁判所は「証拠捏造の意図があったとは断定できない」とし、国側の責任を認めなかった。

冤罪の構造的原因と提案される改革

この事件は、日本の司法制度における冤罪の構造的原因を浮き彫りにするものだ。問題の核心は以下の4点にある:

自白偏重主義
長期勾留による人質司法
証拠開示の不備
裁判所の中立性の欠如

このような構造的問題を是正するためには、

取り調べの全過程の録音・録画の義務化
全証拠の全面開示
起訴基準の厳格化
裁判官・検察官の人事の独立

といった改革が不可欠である。

最後に

この事件は氷山の一角に過ぎない。司法の腐敗が正されなければ、未来の冤罪被害者がまた生まれてしまう。関心を持つ国民が増えることこそが、再発防止の鍵である。

コラムニスト:根本 良輔(ねもと りょうすけ、1994年6月21日)
東京都練馬区出身。くりのみ保育園、大泉南小学校、大泉第二中学校卒業。石神井高校、芝浦工業大学を卒業後、東京大学大学院へ進学し(のち中退)、電気工学の研究に従事する。会社経営者、政治活動家、つばさの党幹事長。二児の父。
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