約40年続いた法解釈をいとも簡単に突然変えて1人の検察官の定年を延長した事案についてあのバンダナでおなじみの上脇教授が食らいついた。黒川弘務検事長(67歳)の定年延長問題である。
法学者上脇博之教授(65歳)が、定年を延長した2020年1月の閣議決定前に、法務省内で協議した記録などを不開示とした国の決定は違法として文書開示を請求、2024年6月27日の大阪地裁判決(徳地淳裁判長)は「解釈変更は特定の検察官のためではない」とする国の主張を一蹴した。
上脇教授側は判決を評価し、早急に文書を出すよう国に求めた。
上脇教授は2021年9月に定年延長について協議した文書の開示を請求したが、法務省により文書を作成していないとして不開示とされ、2022年1月に提訴していた。
大阪地裁は、法務省内での協議記録の不開示決定の大部分を取り消した。
判決では、定年延長に関する国家公務員法の解釈変更は黒川氏のためだったとされ、政府が閣議決定前に法務省内で協議した記録の開示を命じた。
徳地淳裁判長は、「合理的に考えれば(国家公務員法の)解釈変更は黒川氏の定年延長を目的としているほかあり得ない」「黒川氏の退官予定日に間に合うよう、ごく短期間で進められた」と指摘し、約40年にわたり維持されてきた政府見解を直ちに変更すべき社会情勢の大きな変化があったとはいえず、解釈変更は黒川氏の定年延長が目的と考えざるを得ないと述べた。
黒川氏は2020年5月、新聞記者らと賭けマージャンをした問題が発覚し、訓告処分を受けて辞職。その後賭博罪で罰金20万円の略式命令を受けていた。
当時の菅義偉官房長官に近いとされた黒川氏の同2月だった定年が延長され、野党などから次期検事総長に就かせるための「官邸の意向だ」と批判が出ていた。 これらの任期延長も、自民党で現在押し進めている新しい法改正の内容によっては今後安易に進められてしまう懸念もあり、今後討議は必須だ。
黒川氏の定年延長、文書開示判決 法務省協議の記録で大阪地裁
https://www.tokyo-np.co.jp/article/336299
元東京高検検事長の定年延長巡る協議記録、大阪地裁が開示認める …. https://www.msn.com/ja-jp/news/other/
元東京高検検事長の定年延長巡る協議記録-大阪地裁が開示認める-解釈変更の目的は黒川氏/ar-BB1p23f5.
国家公務員法解釈変更は「黒川弘務氏の定年延長が目的」一部 …. https://www.nikkansports.com/general/news/202406270000911.html.
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