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【袴田事件の無罪判決後、検事総長の談話巡り弁護団が損害賠償訴訟へ】

〈袴田さん弁護団 畝本直美検事総長を訴える〉

1966年に静岡市で発生した「袴田事件」の再審で、2024年9月26日、静岡地方裁判所は袴田巌さん(88)に無罪を言い渡した。これに対し、検察は控訴期限の2日前である10月8日、控訴を断念すると発表した。

しかし、この際に畝本直美検事総長(62)が発表した談話において、袴田さんを依然として「犯人」と決めつける趣旨の内容が含まれていたため、袴田さん側は「名誉毀損にあたる」として、国に対して損害賠償を求める訴訟を起こす方針を固めたことが、2025年2月13日に関係者への取材で明らかになった。

〈畝本検事総長の談話抜粋〉
「本件について再審開始を決定した令和5年3月の東京高裁決定には、重大な事実誤認があると考えましたが、憲法違反等、刑事訴訟法が定める上告理由が見当たらない以上、特別抗告を行うことは相当ではないと判断しました。

他方、改めて関係証拠を精査した結果、被告人が犯人であることの立証は可能であり、にもかかわらず4名もの尊い命が犠牲となった重大事犯について、立証活動を行わないことは検察の責務を放棄することになりかねないとの判断の下、静岡地裁における再審公判では有罪立証を行うこととしました。〈略〉

『5点の衣類』が捜査機関のねつ造であると断定し、検察官もそれを承知で関与していたことを示唆していますが、何ら具体的な証拠や根拠が示されていません。

それどころか、理由中で判示された事実には、客観的に明らかな時系列や証拠関係と明白に矛盾する内容が含まれている上、推論の過程には論理則・経験則に反する部分が多々あり、本判決が『5点の衣類』を捜査機関のねつ造と断じたことには強い不満を抱かざるを得ません。

このように、本判決は、その理由中に多くの問題を含み到底承服できないものであり、控訴して上級審の判断を仰ぐべき内容であると思われます。」

〈名誉毀損として提訴へ〉
この畝本検事総長(62)の談話は、再審で無罪が確定した袴田さんを依然として「犯人」とみなす趣旨を含んでおり、弁護団は「袴田さんの名誉を著しく傷つけるものである」と批判した。

また、弁護団は談話の撤回と謝罪を求めて抗議声明を発表し、修正版の総長談話を公表するよう求めていた。さらに、検討していた違法捜査に関する国家賠償請求訴訟を起こすことでも一致。これらはすべて袴田さんの成年後見人の意向を確認した上で、最終判断される見通しだ。

〈再び注目される袴田事件〉
袴田事件は、長年にわたり冤罪が疑われ続け、日本の刑事司法の問題点を象徴する事件として国内外から注目を集めてきた。今回の動きは、新たな法廷闘争へと発展、検察側への世論の不信感を畝本検事総長はどう払拭するのか。

参考サイト:さくらフィナンシャルニュースnote

検事総長の「無罪は承服できない」談話は袴田巌さんへの「名誉毀損」 弁護団、損害賠償を求め国を提訴へ

袴田巌さんの弁護団が国を提訴へ 畝本直美検事総長の談話は「名誉毀損」

「到底承服できない」との検事総長談話は名誉毀損として国を提訴へ…損害賠償求め 無罪が確定した袴田巖さんの弁護団

無罪が確定しても検事総長は“ありえない発言”…「犯人に仕立て上げた人たち」と約60年戦い続けた袴田事件の「傷痕と再生」
判決文で「捏造」が指摘された初の事件#2

「畝本検事総長談話」大炎上の背景にある検察の全能感と法相指揮権問題

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