2024年10月29日、筑波大学の国際政治学者である東野篤子教授をX上で誹謗中傷したとして、水戸地方検察庁が茨城県警の生活安全課課長Aを侮辱罪で略式起訴し、30万円の罰金刑が下っていたことがわかった。
匿名「かまちゃんreloaded」略して「かまちゃん」で研究者を中傷し起訴されたのは45歳の生活安全課課長A。略式手続きなので罪を認めていると見られている。
東野教授が23年5月に今回略式起訴された元警部の投稿に気づき、24年4月に刑事告訴。6月18日に侮辱容疑で書類送検されていた。
侮辱罪の罰金刑30万円の支払いは重いとされるが、なお、Xには「こんなだから誹謗中傷は無くならないんだよ」と呆れるコメントも付いていた。
〈勤務が終われば陰謀論者だったA〉
2022年2月のロシアがウクライナ侵攻して以降、SNS上に情報が盛んに公開され中には根拠のない陰謀論がたくさん出回っている。
研究者の投稿も多く読まれる反面、それに対する攻撃的な投稿も日に日に増し、
ことさらに東野教授をはじめとする女性の研究者は、『容姿叩き』などウクライナ侵攻とは全く無関係な誹謗中傷に発展しやすい。
〈Aは、極右系カルト「Qアノン」へ傾倒〉
週刊文春オンライン11月5日の記事によると、Aは『うさぎの穴』こと陰謀論にどっぷりハマっていたと見られ、傾向としては極右系カルト「Qアノン」信者になって行った。
2022年3月には、自らの匿名アカウントに
〈我々デジタルソルジャーはマスコミに屈せず、このデジタル空間で闘い続けなければ人類の未来はない〉
などと投稿。よほどネットの世界にハマっていた事が文面から推測できる。
さらにAはウクライナ侵攻をめぐってX上で専門家を次々と罵倒しており、東野教授に対しても2023年5月に
〈見た目からしてバケモノ〉
と中傷した上、東野教授の代理人から損害賠償を求める通知が2024年1月に届いた後も、
〈ウクナチ(注・ウクライナナチスの略称)擁護のヒステリーババアのスラップなんかに怯んでいられない〉
などと好戦的な投稿。「かまちゃんreloaded」の投稿を読んだ人は「だいぶ口汚くてしつこかったな」「えっ、あれ警官だったの?」とのコメントが並ぶ。
さらに家宅捜索まで行われたが、県警では思想を示す書籍などが見つからなかったとしている一方、パソコンの押収やアカウントの保全はされていないという。
Aは、2024年3月から装備施設課に所属するまでは県警本部で生活環境課の課長補佐、署で生活安全課長を務めるなど、正にネット上でのトラブルを取り締まる部署にいたという。
ネットのトラブルを引き起こすものが携わってはいけない部署である。
AはQアノンの自覚があり、トランプ大統領や、ウクライナ侵攻、アゾフ連隊にまつわる陰謀論にかなり興味があった模様だ。
〈捜査に伴うもので、実質上の謹慎〉
2024年4月に東野教授がAを侮辱罪で刑事告発すると、5月中旬にAは警務部への異動が公表された。
退職する警察官などが所属先から離れて退職日までの間に休暇を取得するために、形式上、籍を置く一時的な所属先などとして『警務部送り』という所属先だけ使われている。
つまり、実務はなく形だけの所属先だ。
こうなると一般的には依願退職するケースが多いが、認められた場合退職金が支払われ、数百万単位の額が支払われてもおかしくない。当然原資は税金だ。
Aの前には『うさぎの穴』陰謀論の世界が広がっている。誹謗中傷の件を忘れ、暫くは没頭できる時間とお金があるのだ。
☆参考サイト☆
「見た目からしてバケモノ…」筑波大・東野篤子教授への侮辱罪で茨城県警幹部に30万円の罰金刑が下っていた!「ウクナチ擁護のヒステリーババアのスラップなんかに怯んでいられない
筑波大教授を侮辱疑い SNS投稿の元警部を略式起訴 水戸区検
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