アメリカ司法省DOJは、中国の企業が運営する動画共有アプリTikTokについて、サービスを利用している子どもの個人情報を親の同意なく収集しているとして中国の親会社バイトダンスを提訴しました。
アメリカ司法省は2024年8月2日、TikTokとバイトダンス社が子どものメールアドレスなど幅広いデータを親の同意なく収集していたなどとして児童オンラインプライバシー保護法(COPPA)に違反したと発表、カリフォルニア州の連邦地裁に提訴したと発表しました。
TikTokは「キッズモード」で作成された子どものアカウントからメールアドレスなどを収集し、保持していたとしています。
司法省によりますと、13歳未満の子どもの個人情報は保護者の同意がない限り収集・利用することが禁じられていますが、保護者が削除を求めても多くは対応に応じず、社内に適切な規程もないなどと指摘されています。
子どもを守るため改善を続けていくとするために、TikTokは提訴を受けたことに対して、声明を出しました。
TikTok側は「これらの申し立てには同意しない。その多くは、事実上不正確であるか、すでに対処されている過去の出来事や慣行に関するものだ。当社は子供たちを守るための努力を誇りに思っており、プラットフォームの更新と改善を継続していく」と発表しています。
TikTok側は今年4月にはアメリカでの事業を売却しなければ配信を禁止することを盛り込んだ法律が成立したことに対して、表現の自由の侵害だとして差し止めを求める訴えを起こしていました。
「TikTokは故意に繰り返し子供たちのプライバシーを侵害し、全国の何百万人もの子供たちの安全を脅かした」とFTCのリナ・カーン委員長は述べ、同委員会は6月にこの事件を司法省に付託しています。
TikTokは主にショート動画を配信するSNSで、世界中の若者や子供達の間で爆発的に人気が広まりました。これにより、TikTokでダンスを配信することは若者文化の一つとなったほどです。
しかしアメリカではTikTokをめぐって、中国に情報が漏えいし安全保障が脅かされるとの根強い懸念があります。
☆参考リンク☆
米司法省 TikTok提訴 “子どもの個人情報を親の同意なく収集” | NHK
US DOJ files lawsuit against TikTok, ByteDance for failing on child privacy
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