東京都知事選挙と同時に行われた都議会の9つの選挙区での補欠選挙で、自民党は9つの選挙区のうち、8つの選挙区で候補者を擁立しましたが、選挙前の5議席を下回る2議席の獲得にとどまりました。
このほか、都民ファーストの会が3議席、無所属が2議席、立憲民主党と諸派がそれぞれ1議席を獲得しました。
この結果、都議会127人の構成は、自民党が第1党を維持して30議席、次いで、都民ファーストの会が28議席、公明党23議席、共産党19議席、立憲民主党16議席、ミライ会議4議席、地域政党自由を守る会2議席、東京維新の会1議席、グリーンな東京1議席、都議会生活者ネットワーク1議席、東京・品川からやさしい未来を1議席、新時代の八王子が1議席となりました。
【参考:選挙区別選挙結果詳細資料】
議員の辞職に伴い実施された江東区選挙区の補欠選挙は、無所属の新人で、地域政党の自由を守る会が推薦した元江東区議会議員の三戸安弥氏が初めての当選を果たしました
議員の辞職に伴い実施された品川区選挙区の補欠選挙は、無所属の新人で、会社員の篠原里佳氏が初めての当選を果たしました。
議員の辞職に伴い実施された中野区選挙区の補欠選挙は、都民ファーストの会の元議員で、党特別顧問の荒木千陽氏が3回目の当選を果たしました。返り咲きました。
議員の辞職に伴い実施された北区選挙区の補欠選挙は、都民ファーストの会の新人で、元北区議会議員の駒崎美紀氏が初めての当選を果たしました。
議員の辞職に伴い実施された板橋区選挙区の補欠選挙は、自民党の元議員で、元板橋区議会議員の河野雄紀氏が2回目の当選を果たしました。
議員の死去に伴い実施された足立区選挙区の補欠選挙は、立憲民主党の新人で、元足立区議会議員の銀川裕依子氏が初めての当選を果たしました。
議員の死去に伴い実施された八王子市選挙区の補欠選挙は、諸派の元議員で、元会社員の滝田泰彦氏が2回目の当選を果たしました。
議員の死去に伴い実施された府中市選挙区の補欠選挙は、自民党の新人で、元府中市議会議員の増山明香氏が初めての当選を果たしました。
議員の死去に伴い実施された多摩市と稲城市からなる東京都議会議員 南多摩選挙区の補欠選挙は、都民ファーストの会の新人で、元多摩市議会議員の遠藤千尋氏が初めての当選を果たしました。
自民党は、都議会議員の補欠選挙では、8つの選挙区に候補者を擁立したものの、選挙前の5議席を下回る2議席の獲得にとどまったことを受け、自民党の小渕選挙対策委員長は「わが党が引き続き都議会第1党を維持する結果となったものの補欠選挙での獲得議席は2議席にとどまった。結果を真摯(しんし)に受け止め、改めて襟を正し、党の信頼回復と政治改革に全力で取り組んでいきたい」というコメントを出しました。
一方、自民党の都選出議員からは「完敗と言ってもいい。党への厳しい批判は明らかだ。岸田総裁は謙虚に国民の声に耳を傾けて辞職すべきで、総裁選挙で新しい総裁を選ばなければならない」という厳しい意見も出ています。
党内では、派閥の裏金事件での逆風が根強く残っているという受け止めが大勢で、党の信頼回復に全力を挙げる方針です。
立憲民主党も1議席しか獲得できず、知事選での惨敗とともに都連内で選挙総括を行う方針です。
自民党は岸田総裁が、立憲民主党は泉代表がそれぞれ今年9月に任期満了を迎え、総裁選・代表選が行われる見通しです。衆議院議員の任期満了まで残り1年3か月となる他、来年は都議会議員選挙、参議院選挙が行われます。それぞれが党のリーダーとして選挙を戦うことになるのどうか、どのような選挙総括を出すのかにも注目が集まります。
以 上
筆者 平木雅己(ひらきまさみ)選挙アナリスト
元NHK社会部記者。選挙報道事務局を長く勤め情勢分析や出口調査導入に尽力。小選挙区制度が導入された初めての衆議院議員選挙報道ではNHK会長賞を受賞。ゼネコン汚職事件、政治資金の不正など政治家が関わる多くの事件・疑惑も取材。
その後、連合(日本労働組合総連合会)事務局にて会長秘書(笹森清氏)として選挙戦略の企画立案・候補者指導を担当、多くの議員の当選に尽力した。
政策担当秘書資格取得後、法務大臣/自民党幹事長代理はじめ外務大臣政務官、衆参国会議員政策秘書として、外交・安全保障、都市計画、防災、司法、治安、雇用・消費者、地方自治などの委員会や本会議質問を作成、政策立案に携わる。
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