2024年11月14日 アメリカのドナルド・トランプ次期大統領(78歳)はロバート・ケネディ・ジュニア氏(70歳)を厚生長官に起用すると発表した。
ケネディ・ジュニア氏は大統領選挙に無所属で立候補したあと、8月に選挙活動を中止しトランプ氏を支持する立場に回り応援。
ケネディ・ジュニア氏はワクチン懐疑派として知られており、ケネディ氏が就任すれば保健政策の大幅な見直しは避けられないとアメリカのメディアは伝えている。
ケネディ氏は故ロバート・ケネディ元司法長官の息子で、ケネディ元大統領の甥にあたる。弁護士として長年、環境保護活動に取り組んだ。
米国厚生省は、新型コロナウイルス対応を主導した疾病対策センター(CDC)や食品医薬品局(FDA)、国立衛生研究所(NIH)などを総括している。
一方、「一部のワクチンが自閉症の原因になっている」
と主張するなど、科学的根拠がないとされる情報を元に、ワクチンの安全性に疑問を呈してきたことから、ワクチン懐疑派として知られている。
トランプ氏は自身のソーシャルメディア「トゥルース・ソーシャル」で、
「アメリカ人は長い間、食品産業複合体と製薬会社に公衆衛生のぎまん、誤報、偽情報を拡散され押しつぶされてきた」と指摘した。
「有害な化学物質、汚染物質、農薬、医薬品、食品添加物はこの国で圧倒的な健康危機の一因となっている。保健省は、すべての人々を確実に守る上で、大きな役割を果たすだろう」
と述べ、また、
「ケネディ氏は、これらの公衆衛生機関を取り仕切ることによって科学的調査を透明性の指標に戻し、慢性疾患の流行を終わらせることで、アメリカを再び健康で偉大な国にするだろう!」
として期待を募らせている。
林官房長官は午後の記者会見で
「外国政府の人事について逐一、評価はしないが、次期政権の陣容は高い関心を持って注視していく」
と述べ、また、ケネディ氏がワクチン懐疑派として知られていることに対して、日本政府としてのワクチン接種への見解を問われると
「副反応による健康被害は極めてまれではあるものの不可避的に生じるため、承認された後も安全性の確保に必要な対応を行っている。科学に基づかない言説が広がり多くの人が接種を控えることは健康を守る上であってはならず、科学的知見に基づく情報を提供するなど適切に対応していく」
と述べるにとどまった。
このニュースを受け14日の米株式市場では、ワクチンメーカーの株価が軒並み下落した。
参考サイト:
ケネディ氏の米厚生長官起用に警戒広がる、ワクチンメーカー株下落
トランプ氏、厚生長官に反ワクチン論者のケネディ氏起用 「米国は再び健康に!」
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