今週は、12日に自民党総裁選挙が告示されます。また、7日に告示された立憲民主党の代表選挙も各地域で演説会や政策討論会が繰り広げられます。
また、10日、米国大統領選挙の第1回候補者討論会が開催されます。
一方、兵庫県の斎藤元彦知事が、パワハラなどの疑いで告発された問題で、県議会の自民、立民系、公明、共産の各会派は、斎藤知事への辞職勧告を行うことで一致し、12日の県議会議会運営委員会にて辞職勧告を行うことを決めます。
今週の政府、政治、経済、社会の動きをまとめます。
【別紙:参考資料1「永田町カレンダー」】
政治の動きです。
9日、高市早苗・経済安保相、10日、加藤勝信・元内閣官房長官が、総裁選への立候補を表明する予定です。
また、先に立候補を表明した石破茂・元幹事長は、10日より具体的な政策を発表します。
総裁選をめぐっては、この他、上川陽子・外相、斎藤健・経済産業相、野田聖子・元総務会長らも推薦人依頼について、最後の調整を続けています。
自民党総裁選は、12日、午前10時に告示され立候補の受付が行われます。
立候補者は、その後、午後1時から所見を発表し、選挙戦がスタートします。
13日、午後1時から共同の記者会見を行い、14日、午後1時から日本記者クラブ主催の候補者討論会が行われます。
自民党総裁選挙の仕組み
【参考資料2 部外秘 自民党総裁選挙管理委員会資料】
自民党の総裁選挙は、国会議員1人1票の「国会議員票」と、全国の党員・党友による投票で配分が決まる「党員票」で争われます。
今回、「国会議員票」と「党員票」は同数のいずれも367票、あわせて734票となる見通しです。
「国会議員票」は党本部で投票が行われ、その場で開票されます。
一方、党員投票は、党の規程では去年までの2年間、党費を納めた党員に選挙権が与えられることになっていますが、3年前の総裁選挙などと同様、今回も特例で去年1年分の党費を納めた党員にも与えられます。
「党員票」の投票は、開票日前日の26日に締め切られ、各都道府県連が集計した投票数を党本部でまとめ、いわゆるドント方式で候補者に配分されます。
そして「国会議員票」と「党員票」をあわせた有効票の過半数を得た候補者が、新総裁に選出されます。
ただし、1回目の投票で過半数を得る候補者がいなかった場合は、上位2人による決選投票が行われます。
決選投票は、国会議員が改めて1人1票を投じるのに加え、各都道府県連にも1票ずつ割りふられます。
各都道府県連の1票は、党員投票の結果に基づき、上位2人のうち得票数が多い候補者が自動的に獲得する仕組みです。
斎藤元彦・兵庫県知事が、パワハラの疑いなどで告発された問題をめぐり、県議会の自民、立民系、公明、共産の各会派は、県政を混乱させた責任を見過ごすことはできないとして、12日に、斎藤知事の辞職を求めて申し入れを行うことを決めました。
対応が未定の維新の会も、近く方針を決めることにしています。
知事が受け入れない場合は、複数の会派が今月19日から開かれる定例議会に不信任決議案を提出することも検討しています。
県議会の定員は86人で、4会派に加え無所属の議員も賛同した場合、維新の会を除いて
も不信任決議案が可決される4分の3の規模となります。
旧優生保護法は憲法違反だったとする最高裁判所の判決を受け、補償内容の検討を進めている超党派の議員連盟の作業チームは、9日会合を開きます。
新たな補償の対象に、不妊手術を強制された被害者やその配偶者だけでなく、中絶手術を受けさせられた人も含める方向で検討することになりました。
今月28日に党大会を予定している公明党の山口那津男・代表が、続投をするのか?交代するのか?の意思表明を10日に行います。
自民党の新総裁・総理が早期の衆議院の解散・総選挙を打ち出す可能性もあることから、山口代表の続投の可能性もありますが、党内には「世代交代」を求める意見も根強く、山口代表の意思表明が注目されます。
経済の動きです。
9日、内閣府から景気ウォッチャー、財務省から国際収支が公表されます。
景気ウォッチャー調査は、北海道、東北、北関東、南関東、東海、北陸、近畿、中国、四国、九州、沖縄の11地域を対象に、百貨店・スーパーマーケット・コンビニエンスストアなどの小売店や、タクシー運転手、レジャー業界など景気に敏感な職種で働く人たちにインタビューをし、調査結果を集計・分析したもので「街角景気」とも呼ばれています。
国際収支は、一定期間における国やそれに準ずる地域の対外経済取引、例えば、財とサービスおよび所得の取引・対外資産負債残高の増減に関する取引・移転取引の統計で、国際通貨基金の基準によって作成されるもので、各国比較ができます。
12日、日本銀行から企業物価指数、財務省と内閣府から、法人企業景気予測調査が公表されます。
企業物価指数は、企業間で取引される財(商品)の価格を結合して一つの指数に表し、その時系列的な変動を測定するもので、日本銀行が算出し、毎月公表しています。消費者物価指数(CPI)とともに、代表的な物価指数で、景気動向や金融政策を判断するうえでの経済指標の一つとして重視されています。
法人企業景気予測調査は、資本金1千万円以上の法人を対象に、内閣府・財務省の共管に
より実施している経済の状況や今後の見通しなどの調査です。財務(支)局や財務事務所
などを通じて年4回実施、調査の結果は、6月、9月、12月、3月に公表されています。
13日、経済産業省から企業の生産活動を示す指標の鉱工業生産が公表されます。
以 上
筆者 平木雅己(ひらきまさみ)選挙アナリスト
元NHK社会部記者。選挙報道事務局を長く勤め情勢分析や出口調査導入に尽力。小選挙区制度が導入された初めての衆議院議員選挙報道ではNHK会長賞を受賞。ゼネコン汚職事件、政治資金の不正など政治家が関わる多くの事件・疑惑も取材。
その後、連合(日本労働組合総連合会)事務局にて会長秘書(笹森清氏)として選挙戦略の企画立案・候補者指導を担当、多くの議員の当選に尽力した。
政策担当秘書資格取得後、法務大臣/自民党幹事長代理はじめ外務大臣政務官、衆参国会議員政策秘書として、外交・安全保障、都市計画、防災、司法、治安、雇用・消費者、地方自治などの委員会や本会議質問を作成、政策立案に携わる。
☆出稿資料☆
この記事へのコメントはありません。