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【根本良輔の経済教室】陰謀論ではなく構造の問題──日銀・金融資本・政府の真実を読み解く

こんにちは!根本良輔です。YouTubeやSNSでよく見かける「日銀は支配されている」「政府は実は操られている」といった陰謀論。その多くは、日銀の株主構成や中央銀行の独立性をめぐる誤解、あるいは不安感から生まれています。

中でも「日銀の株主の45%が非公開だから、政府は日銀を動かせない」といった主張は、いかにも真実っぽく聞こえますが、制度や法律を踏まえて冷静に考えれば、話の本質はそこにはありません。

本記事では、そうした陰謀論に対して反論するとともに、実際に我々が向き合うべき「構造的な問題」──すなわち金融資本と中央銀行、政府の関係性──について丁寧に解説していきます。

「日銀の45%は非公開株主で政府は支配できない」説の誤解

まず、よく言われる「日銀の45%は非公開株主が持っていて、政府は自由にできない」という主張について。

これは誤解です。確かに日銀は株式会社の形態をとっており、株式のうち約45%は一般に出資されていますが、これらはすべて政府の承認なしには譲渡できない「譲渡制限株式」です。
また、株主総会における権限も極めて限定されており、実質的な意思決定には一切関与できません。

さらに日本銀行法第4条には、「日銀は政府の経済政策と協調して行動すべき」と明記されており、日銀が政府から完全に独立しているという考えは、制度上成り立ちません。

問題は「政府が腐っている」こと

日銀が政府の言うことを聞かず、独断で暴走しているというのは、実態を正しく捉えていません。
むしろ逆で、政府が腐敗しており、そこに引きずられる形で日銀の政策も歪められているという見方のほうが現実的です。

「政府がまともであれば、日銀も正しく機能する」。
この仮定に立てば、根本的な問題は中央銀行の独立性ではなく、政府自体のガバナンスの欠如なのです。

日本はデフォルトしない。制度上、できない

「日銀が国債を引き受けなければデフォルトする」という主張も、通貨発行権の理解が不足しています。

日本政府は自国通貨・円を発行できる唯一の存在です。国債の償還期限が来た場合は、借り換え(ロールオーバー)をすればよく、さらに日銀が国債を市場から買い上げれば、政府は資金を調達できます。

実際、日本の国債の約47%は日銀が保有しており、政府→民間→日銀という循環構造で、破綻リスクは皆無です。

本質は「金融資本による構造的支配」

陰謀論に走る必要はありません。もっと深刻なのは、日銀を含む国家の政策が金融資本家たちの利害に左右されているという
「構造的問題」です。

たとえば、富裕層や機関投資家はインフレを嫌います。
インフレは通貨価値を下げ、債券価格に悪影響を与えるからです。
彼らはインフレが起きると「利上げしろ」と圧力をかけてくるのです。

コストプッシュインフレに利上げは逆効果

現在の日本は「コストプッシュ型インフレ(原材料やエネルギー価格上昇による)」であり、利上げをしても物価は下がらず、むしろ景気後退を招きます。

にもかかわらず、日銀が利上げに動くのは、インフレによって不利になる金融資本家たちの圧力が背景にあるからです。
これは国民にとって極めて不利益な政策です。

IMF・OECDの「中立的提言」も実は操作されている

財務省の官僚たちはIMFやOECDに出向しており、そこで日本に対して「消費税を上げろ」「財政支出を抑えろ」といった“提言”をしています。

これらの機関は日本が多額の拠出金を払っており、日本出身者が中枢にいるにもかかわらず、日本国民に不利益な提言が平然と行われる構造になっています。

メディア・エコノミストも金融資本の代弁者に

日本の多くのメディアやエコノミストは、スポンサー企業の意向を受けて金融寄りの論調になりがちです。
「インフレ=悪」「利上げ=正義」という短絡的な言説はその結果です。

「デフレは終わった」は幻想

「GDPが回復したからデフレは終わった」とする主張もありますが、実質賃金は下がり続けており、生活は苦しくなる一方です。
名目の数字だけを見て「経済回復」と言うのは極めて危険です。

アベノミクスの「雇用増」も中身はボロボロ

安倍政権下で雇用者数は確かに増えましたが、その多くは非正規雇用・低賃金・不安定な労働。景気回復の成果とは言い難く、女性や高齢者が「生活のために」働かざるを得なくなった結果です。

地方を救うのは「首長」しかいない

中央政府に任せていても地方は救われません。
泉房穂元市長(明石市)のように、国の指示に従わず、住民のために予算を使う覚悟ある首長こそが地方再生の鍵を握っています。

数字に騙されず、学び、行動を

「GDPが上がったから良くなってる」「日銀の株主構成が陰謀だ」──そんな断片的な情報に踊らされるのではなく、構造を理解し、問題の本質に向き合う必要があります。

問題は「陰謀」ではありません。金融資本に牛耳られた政策決定の構造そのものです。

終わりに:構造の理解なくして、日本の再生なし

政府も日銀も、そして政治家も、構造に取り込まれて機能不全に陥っています。
この国を変えるには、国民一人ひとりが学び、考え、選挙で意思を示すことしかありません。

陰謀論ではなく、構造を。感情論ではなく、知識を。

一緒に本を読み、構造を学び、この国の未来を考えていきましょう。


コラムニスト:根本 良輔(ねもと りょうすけ、1994年6月21日)
東京都練馬区出身。くりのみ保育園、大泉南小学校、大泉第二中学校卒業。石神井高校、芝浦工業大学を卒業後、東京大学大学院へ進学し(のち中退)、電気工学の研究に従事する。会社経営者、政治活動家、つばさの党幹事長。二児の父。

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