安倍晋三元首相の銃撃事件から2年。
事件は忘れ去られようとしているが、教団と与党政治家の癒着、被害者救済などの問題は、実はほとんど解決されていない。
安倍晋三元首相の銃撃事件から2年。
当時は統一教会の関連組織から、国会議員(事務所)に「取材があったら、知らなかったと答えてください」と
連絡が行われていたという。
教団を40年にわたって取材し続けた有田芳生氏(72歳)。
2024年5月に『誰も書かなかった統一教会』を上梓し、教団の驚くべき実態を明らかにした有田芳生氏が、ノンフィクション作家の藤井誠二氏を聞き手に刊行記念イベントで語った、警鐘のメッセージだ。
「現在、統一教会に関する報道は減っており、事件は忘れ去られようとしているのだろうか?いやそうではない。マスコミが報道規制を敷いているからだ。」
「2024年現在、明らかに世間の関心が薄れ、『空白』と表現してもおかしくない状況になっていますが、本質的な問題はなんら
解決されていない。」
おそらく来年には解散命令が下されても教団は控訴するであろう、確定するのは早くても3年後の2027年頃になる。
なぜ?こんなに先伸ばしなのか…今もこの教団に苦しみ、生活費までを教団に差し出してしまうような家族がいる山上徹也容疑者の
ような被害者を生み出していると思うとやりきれない。
こうした中、有田芳生氏に対する統一教会によるスラップ訴訟の控訴審第1回期日が2024年7月25日午後2時より東京地方裁判所にて行われた。
有田氏と澤藤大河事務局長が意見陳述した。
〜統一教会からのスラップ訴訟=有田さん(すっきり)事件〜
日本テレビ番組「スッキリ」での発言によって名誉を傷つけられたとして、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)が同社と
ジャーナリスト有田芳生氏に対し、約2200万円の損害賠償を求めていた訴訟で、東京地裁(荒谷謙介裁判長)は3月12日
「名誉毀損としての違法性は認められない」と請求を棄却した。損害賠償請求に該当しないという裁判所の判断だ。
「やはり、あの霊感商法をやってきた反社会的集団だってのは警察庁ももう認めているわけですから、そういう団体とは今回の問題をきっかけに、一切関係をもたないと、そういうことを“すっきり”言わなきゃだめだと思うんですけどね」
有田氏は出演した『スッキリ!』の、4分の番組のなかで発した、たった8秒の発言で、翌日からテレビもラジオも出演はゼロになった。
以下は有田氏が裁判で読み上げた記録である。有田氏自らが裁判後、SNSに上げて報告した。
「『朝日ジャーナル』『朝日新聞』が統一教会や霊感商法、原理運動を批判した1980年代。信者達は上司(アベル)の指示に従って朝日新聞社に抗議電話を殺到させ、そのため周辺の国立医療機関であるがんセンター、築地市場の電話回線までパンクする事態が生じました。また記者の自宅に対する深夜の嫌がらせ電話もありました。1992年の国際合同結婚式のときにはテレビ局に3万回を越える抗議電話が組織的にかけられ、ある弁護士宅には頼みもしない寿司6人前などの注文、ハワイ往復旅行の予約、引っ越し業者の派遣などだけではなく、霊柩車まで来るほどでした。
当時は私の自宅への抗議電話、尾行、脅迫状とカッターナイフの刃が入った封書、渋谷駅頭での左肩への殴打、札幌の教団系施設に取材に行ったときには、身体をブルブル震わせた信者から『ぶっ殺してやろうか』と怒鳴られる事がありました。こうした組織的な
暴力行為が報道され、教団への批判が起きたからでしょう。
それから30年。今度は裁判に訴えることで私達の言論を封じ込める手法に出たのです。その手段は功を奏し、私については統一教会に訴えられた翌日から今に至るまでテレビ出演は一切ありません。民主主義社会の基盤を破壊するスラップ訴訟は法を悪用した言論封殺であり断じて許されません。
原判決は私の発言が名誉毀損に当たらないと判断しました。世間の合理かつ常識的感覚に沿ったものだと私は考えています。
控訴審でも同様の判決がなされるものと確信し意見陳述を終わります。」
「統一教会からのスラップ訴訟=有田さん(すっきり)事件の控訴審は第1回期日が今日7月25日午後2時に開かれ即日結審しました。判決日はおって指定(未定の意味)です。”1回で結審”ですので、近く控訴審でも有田さんが勝訴すると思います。ご苦労様でした。」と紀藤正樹弁護士がコメント。
「統一教会側の福本修也弁護士はただ座っているだけ。そんなものですか。」と有田氏はXにポストしている。
尚、スラップ訴訟においては、お笑い芸人で知られた、現西東京市議の長井秀和氏(54歳)も国内2大新興宗教と言われている
もう一つの宗教団体、創価学会から訴えられている。
有田氏は、宗教被害をどんどん口にして、訴えてほしいと話している。
流れが確実に変わったのは、7月7日に行われた都議補選、自民は都議補選で8選挙区に候補を立て、2勝6敗の惨敗を喫した。
その象徴が旧統一教会との深い関係を指摘されている萩生田光一前政調会長(60歳)の地元、八王子市選挙区だ。ここで萩生田氏が
推す自民新人 馬場 貴大氏(45歳)が野党系の元職候補 滝田 泰彦氏(42歳)に4万票の大差で大敗。
今後宗教問題をめぐっては、カルト宗教団体の解散命令と司法判断、政治との癒着関係の徹底究明、被害者支援と再発防止策、乱立するスラップ訴訟に対する問題言論の自由の擁護と、今後法を伴う問題解決をするべきだ。
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