〈長井秀和vs創価学会名誉毀損裁判、2025年2月19日、ついに判決が下された。〉
元創価学会員でもある西東京市議、長井秀和氏(55)が、2022年12月19日市議選中に西武新宿線田無駅前での演説で、1995年に亡くなった朝木明代(享年50歳)元東村山市議については『謎の転落死』などと言及、他殺の可能性を示した上で、演説の締めとして
「このようなことをですね、平気でおこなってきたのが創価学会でございます」
と発言。
これに対して、創価学会は名誉を傷つけられたとして2022年12月20日、長井氏を相手取り、東京地裁に提訴していた民事裁判が2025年2月19日に、ついに判決が下された。平井直也裁判長が読み上げる。
主文 被告は原告に対し22万円及び
これに対し、令和4年12月19日から支払い完了までの遅延損害金を含む
原告のそのような請求を棄却する。
完全敗訴となり損害賠償として認められたのは22万円。
しかし一方、創価学会側が求めていたのは1,100万円。そのわずか2%にとどまる結果となった。
それでも庶民感覚にすると決して小さな金額ではない。西東京の町に点在する長井氏お気に入りの町中華や定食屋では、温かな湯気を立てるラーメンや、香ばしい揚げ物定食が何十人分と頂ける額だ。
傍聴席は41席が用意され、長井氏の判決を聴きに駆けつけた支援者らがほぼ入廷できた。
公判後、長井秀和氏、朝木明代氏の長女である朝木直子氏(57)、大山勇一弁護士、笹山尚人弁護士、久保木太一弁護士が、記者クラブで記者会見を開いた。
〈一歩踏み込んだ判決が出なかったことは非常に残念である〉
裁判所も、週刊誌等による朝木明代市議のビル転落事件について創価学会関与が疑われる考察記事が世にたくさん出回っているのは良く知られている。
長井氏は、演説の中で、創価学会が殺人に関与したと明言したわけではない。
しかし裁判所の判断によるとこのことを受けて創価学会の社会的評価を低下させたということは明らかだとした。
一歩踏み込んだ判決が出なかったことは非常に残念であると大山勇一弁護士は述べた。
真実相当性という
「朝木明代氏は他殺であって、創価学会が殺害に関与したのは事実である。」
とした相当な理由があれば、違法性が阻却されるのであるが長井氏は、そういうことは信じていないとして、真実相当性を争点としないこととした。
笹山尚人弁護士は、長井氏の選挙期間中における演説は通常の弁論よりも必要性の高い弁論となり保護されるべきと、正当業務行為を主張したが、裁判では地方議会の議員とは違うと言われ退けられたと悔しさをにじませた。
「裁判所の判断としては非常に荒っぽいなという印象を受けた。」
しかし、損害額に関しては非常に少ない金額にとどまっている。
〈1,100万円の損害賠償命令 朝木明代市議転落死の不自然さが表面化〉
朝木明代市議のビル転落事件をめぐり、1,100万円の損害賠償が命じられた。そのうち認定額22万円(弁護士費用2万円を含む)の金額は、同事件に関する書籍、記事が出回る中で、明らかな真実が存在し、検察が捜査を行ってもなお、自殺とするには不自然な点があると判断されたことによるものとみられる。ある意味この事件の本質を示している、と笹山弁護士。
「名誉毀損という形で損害を認めてしまった以上、何らの損害もないとする理由には、裁判所としてはそう判断するには行かなかったでしょうけど、本当に名誉毀損が重大な公益侵害で成立するならばこんな金額で認定されるなんてあり得ない。この評価の小ささが、この裁判をそもそもおこす必要があったのか?というところが奇しくも現れた形である。」
とこの裁判を振り返った。
〈「不当判決だよね…」長井氏の見解 「控訴を考えている」〉
長井氏は、自身も創価学会員2世であり様々な心理的虐待、物理的虐待、経済的虐待というものを被って来ており現在は創価学会を脱会し反創価学会運動をしているが、創価学会の問題に対しても、行政、警察、検察との癒着、不正な公金出金、これらを糾弾していたにもかかわらず、このような訴訟で封じ込められていることに強い憤りを示した。
「私は他にも色々と発言しており、その一部を切り取って名誉毀損にして、それが認められるならば多くの選挙活動をしている政治家を名誉毀損にできてしまうだろう」事を危惧しており、控訴をする考えがあることを述べた。
〈長井氏は当時西東京市議選挙でゲストに応援演説を依頼しており、それを受けてのスピーチとなっている。〉
当然長井氏としては朝木明代元東村山市議員ビル転落死事件の犯人探しで「創価学会が朝木明代議員殺害の犯人」と断定したわけではない。
「このようなことを平気で行ってきたのが創価学会」
という様々な支援者による語りで、創価学会員についての悪行を語りつづける。
その話の中には長井氏の父親で創価学会員だった故長井孝雄元武蔵村山市議会議員と他の会員がレジャー施設でタダ同然『つけ』で飲食をし続け施設が潰れてしまったことを自虐ネタとして語ったりする内容も含まれている。
また東村山市、東大和市、そして長井氏の地元、武蔵村山市と、この3つの市『宗教トライアングル』では創価学会すなわち公明党の影響力が凄く、創価学会の支持基盤が強烈なエリアとして知られている地域だ。
この地域を『ゴキブリの巣窟』と例えて
「東村山市というところが、本当に創価学会のカルトの温床になっているのも昔から知っております。また、私は自分が武蔵村山のカルトの本拠地みたいなところに住んでたんです。ゴキブリがここから出てくる。カルトの温床、カルトホイホイみたいな。」
自身の実家が勧誘目的に使われていることを『恐ろしい館の息子』、オカルトハウスならぬ『カルトハウスの息子』と称し、勧誘目的の客に定番の鍋パーティを開くもいきなり
「凄い指導者がいるんだよ、池田大作先生だよ、わかるかい?」
と勧誘の口火を開くと途端に美味しかったはずの食材を味わっている舌がマヒした、という笑うに困る創価学会ネタで周囲の人を苦笑の渦に変えた。
学会の内部を熟知している学会員が思わず吹き出す、と評判の長井氏の講話である。
これらを語った最後に、『東村山市の闇』朝木明代東村山市議転落事件の内容にも触れ、
「4年後に皮下出血という司法解剖の鑑別書が出てきた。なんで自分で死ぬ時に出血するんだって話ですよね?何か健康登り棒でもやったの?死ぬ前に」
と事件を皮肉った。
しかし、創価学会側はこの演説を、朝木明代市議を殺したのは創価学会と解釈できるとし、長井氏を名誉毀損で訴えた。“そのようなこと”は創価学会は一切関与していないとし
「転落死に関して学会の関与を認定した裁判例は一切存在しない」
といい切った。
しかし、朝木明代市議ビル転落死事件の背景は当時から不可解な疑問が拭えないまま今日に来ている。
〈1995年週刊文春9月28日号『反創価学会女性市議怪死を追う』で既に他殺説は疑われていた〉
朝木明代市議他殺説は既に当時噂されており、1995年9月28日号の『週刊文春』には、『反創価学会女性市議怪死を追う』という記事が掲載されている。
警察捜査の杜撰さ、創価学会員お得意の悪評流布
「朝木明代市議は万引き常習犯だった」
と口コミを通じて盛んに流しているなどと書かれていた。
〈カルト集団 創価学会員の執拗な嫌がらせ!朝木家の近くにもその後引っ越していた担当検察官は創価学会信者だったという闇〉
週刊新潮」1996年5月2日・9日号 ワイド特集 『真相 東村山市議怪死事件の担当検事は創価学会員』と担当検事に創価学会信者がいることがスクープされている。
朝木明代氏は創価学会を脱会した高校生の救済活動をしていた。創価学会を辞めたのだから創価高校も退学せよと強要する学校側と脱会者の生徒側との間に介入し、相談を受けていた。その間創価学会員たちからの集団的な嫌がらせ『集団ストーカー』を受けていたと、朝木直子氏は亡き母が受けていた当時の被害を述べた。そしてその、嫌がらせの末におきた悲劇の転落事件。所轄の東村山警察署で転落死事件の捜査及び広報の責任者であった副署長も、彼の下で捜査を担当した刑事課員も創価学会員だったという。
〈彼らには皆公僕としての義務など無い。ただ創価学会への忠誠、組織防衛のみに走る〉
当時東京地検八王子支部(今は立川支部になっている)の、この事件を担当していた信田昌男検事(68)は創価大学出身の創価学会員だということが後にわかっている。
〈吉村検事謎の配属先変更 謀殺事件の5ケ月前に八王子支部に〉
この担当検事を決めた、当時八王子支部の支部長、吉村弘検事は和歌山地検に配属されることがあらかじめ決まっていたという。が、直前で急に配属が変わり東京地検八王子支部に配属される。吉村検事も創価学会員で、創価学会の副会長の妹を妻にしている創価学会学生部法学委員会の幹部を歴任した、かなりの人物だったということが判明した。
〈親身になっているように装い、司法解剖鑑定書を全く作っていなかった信田検事は池田大作信仰〉
長井氏が言及している朝木明代氏の司法解剖の鑑定書が、なんと事件の3年後に出てきたというが、普通であれば司法解剖の鑑定書は検事が、それを証拠とし事件性の有無を判断するのだが…
後から朝木氏の遺族(特に長女の朝木直子氏)や支持者が真相究明を求めて訴訟を提起した結果、後になって鑑定書が作成されたことが明らかになった。
裁判で、創価学会の信田検事は、司法解剖の鑑定書を作成させてなかったのだということが判明されている。
信田検事は、そもそも転落死事件発生の1ヶ月前、朝木明代氏が洋品店でTシャツを万引したという容疑をかけられたときから関わりがあるとされる。
信田検事は、警察が捜査を放り出しても、依然として関心を示してくれていたので
深夜に何者かから暴行を受けたり、創価学会員からトラックで轢かれそうになるなどの被書をうけ、この検事に訴えていました、と故矢野穂積市議はすっかり信頼してしまっていた。
司法解剖鑑定書は結局、朝木氏側が裁判を起こしてから、作成されたのだという。当時、東京地検が「朝木明代ビル転落事件が事件性がない」と発表した時には、司法解剖の鑑定書が無かったのだ。
反創価学会の活動をしていた朝木明代ビル転落事件の担当になぜわざわざ創価学会員の検事をつけるのか?異様である。そして朝木家の近所にいつの間にか住所を移していた人物でもある。
創価大学時代の関係者によると、
「当時の信田君は、創価学会活動より、司法試験に合格して池田先生の期待に応えたいという闘志を内に秘めたタイプ」
という印象が残っている。
1995年、オウム真理教事件が騒がれた当時、もしオウム真理教裁判の担当の検事がオウム真理教信者だったら、これは問題になるだろうと朝木直子氏は憤慨する。
朝木直子氏はこのような創価学会の体質を、カルト宗教のカルトにオを足して、『オカルト性』と表現した。
創価学会の影響力と公的機関の癒着について警鐘を鳴らしてきた長井氏が、スラップ訴訟に直面した悲劇は、過去の朝木明代氏の転落事件再検証の契機ともいえる。特に、1995年当時の報道を再検証することで、新たな証拠や証言の発掘が、訴訟の行方を左右する可能性がある。そのためには、何よりもメディアへの働きかけが不可欠だ。
『東村山の闇』「女性市議転落死事件」8年目の真実
矢野穂積, 朝木直子 著 東村山市民新聞社
『東村山の闇 2 女性市議殺害事件20年目の真実』
矢野穂積, 朝木直子 著 東村山市民新聞社
参考サイト:さくらフィナンシャルニュースnote
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