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トランプ関税と日本の「拒否」:アメリカに逆らえた理由とは

2025年6月、G7サミットの場で、日米首脳会談が行われたが、自動車関税をめぐる交渉は「物別れ」に終わった。
アメリカ側は25%の自動車関税を課す案を提示、日本側はこれに対し、石破茂氏が「拒否」の姿勢を見せた。
かつては「対米従属」とも言える姿勢を取ってきた日本が、なぜ今回アメリカの圧力をはねのけたのか──その背景と意味を解説する。

関税とは何か

関税とは、外国から輸入される商品に対して国が課す税金である。目的は主に3つ。

  • 国内産業の保護
  • 国家の財源確保
  • 貿易交渉のカード

TPPのように関税撤廃を推進する流れとは正反対に、トランプは国内産業保護のために関税を強化する方針を取ってきた。

トランプ関税の狙い

トランプの狙いは、アメリカ国内の雇用を守ること。
アメリカ車が日本で売れず、日本車がアメリカで売れすぎている状況に不満を持ち、日本の自動車産業に圧力をかけるため関税を武器として使っている。
背景には、グローバル化で職を奪われたアメリカ南部の白人労働者の怒りと、それを吸収するための「保護主義的」政策がある。
これはEUの移民政策への反発や、右派政党の台頭と軌を一にするグローバルな潮流でもある。

日本が関税を拒否した理由

表向きの理由:輸出企業の保護
関税がかかれば、日本の自動車がアメリカで売れなくなり、企業の売上は下がる。
裏の理由:消費税還付金という利権
輸出企業は「輸出分の消費税がゼロ」となるため、仕入れ時に払った消費税が全額還付される。
この制度によって、輸出すればするほど企業に消費税が戻ってくる。
特にトヨタなどの大企業にとっては、消費税還付金は巨大な利益源となっている。
関税により輸出が減ると、当然この還付金も減るため、企業は死活問題として反対したのだ。

中小企業と消費税の不条理

消費税が5%から10%になっても、大企業の下請けとなる中小企業は価格転嫁ができず、実質的に損を強いられている。
一方で大企業は還付を受ける。これが日本経済における構造的な不平等を生み出している。

なぜ今回は「対米従属」ではなかったのか

これまで日本は、アメリカからの「年次改革要望書(現:日米経済調和対話)」に従い、郵政民営化、雇用流動化、医療・農業の市場開放などを実行してきた。
これらの改革はアメリカの利益になるだけでなく、日本の財界・大企業にとっても都合が良く、「アメリカの奴隷」として振る舞う合理性があった。
だが今回の関税は、大企業にとって明確な損害となる。
そのため、トヨタなど財界の圧力を受けた石破は「拒否」のポーズを取るしかなかった。

今後の展望:受け入れるしかない?

関税を受け入れると:

  • 自動車の輸出減少
  • 消費税還付金の減少
  • 株価下落
  • 円安進行
  • 日米関係は安定

拒否すると:

  • トランプによる報復税リスク
  • 日本車への25%関税
  • 自動車業界壊滅
  • 日米関係悪化

結果的に、受け入れざるを得なくなる可能性が高い。

本来あるべきシナリオ

関税を受け入れて輸出が減るなら、内需喚起すべき。そのためには消費税減税が理想的だ。
だが、消費税は還付金で儲かる大企業や、「増税は善」という財務省の思想(≒宗教)的官僚支配により、減税は望み薄。
むしろ「輸出が減ったからこそ増税を」と言いかねないのが日本政府の現状である。

結論

今回の「関税拒否」は、日本の“自立”を意味するものではない。
 むしろ、「アメリカの要望」と「日本の支配層の利益」が一致しなかったときに初めて、「逆らう」ように見えるだけだ。
 国民の生活や中小企業の実情が考慮されたわけではなく、トヨタの利益を守るための政治判断にすぎない。


コラムニスト:根本 良輔(ねもと りょうすけ、1994年6月21日)
東京都練馬区出身。くりのみ保育園、大泉南小学校、大泉第二中学校卒業。石神井高校、芝浦工業大学を卒業後、東京大学大学院へ進学し(のち中退)、電気工学の研究に従事する。会社経営者、政治活動家、つばさの党幹事長。二児の父。

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