2024年10月7日、新型コロナ関連の公的融資をめぐり、約3億円をだまし取ったなどとして詐欺と組織犯罪処罰法違反の罪に問われた大阪府寝屋川市の元市議・吉羽美華被告(44歳)の裁判で福岡地裁は、被告に懲役10年・追徴金1億9,800万円の判決を言い渡した。
起訴状によると、独立行政法人『福祉医療機構(WAM)』の制度を悪用して共犯者の男(50歳/執行猶予付き判決が確定)やもう一人の女と共謀し、2020年、堺市の福祉施設運営会社に1億2千万円の融資を受けさせ、うち5940万円を詐取した上、虚偽の書類を提出して機構を騙した。
さらに2021年、福岡県久留米市の医療法人に「融資の約半額を戻せば、返済できなくても民事責任を追及されない」などと嘘をつき、独立行政法人の融資を受けるよう勧誘し虚偽の書類を提出して計7億2,000万円の融資を受けさせ、うち約2億9,000万円を詐取。
集団感染も発生するなどを心配して、コロナの影響で来院者が激減、収入が減少し、赤字経営を強いられていた東京、大阪、福岡のクリニックを目当てに犯行に及んでいたと見られている。
(詐欺・組織犯罪処罰法違反の罪)7月に開かれた論告求刑公判で検察側は「犯行に積極的に関与し、重要で不可欠な役割を担った」などとして吉羽被告に懲役10年、追徴金1億9,800万円を求刑。
弁護側は吉羽被告自身が、うその仲介話に騙されたとしたうえで「詐欺の犯意・故意は認められず、共犯者との間の共謀も認められない」とし、最終陳述で吉羽被告は、「詐欺は行っていない」と無罪を主張した。
10月7日の判決公判で、福岡地裁(冨田敦史裁判長)は、吉羽被告自身が、うその仲介話に騙されたとする主張について「仲介話の説明は相当胡散臭いもので、相応の社会経験・政治経験を有する吉羽被告が、鵜呑みにしていたとは到底考えがたい」などと指摘。
さらに「公益を尊重すべき市議会議員の地位にありながら、私的な利益を追求して犯行に及んでおり、身勝手かつ自己中心的な動機は厳しい非難に値する」として、吉羽被告に懲役10年・追徴金1億9,800万円の判決を言い渡した。
福岡県警は吉羽被告らがWAMからの融資金10数件、計30数億円の融資を医療施設側に受けさせ、うち10数億円をだまし取った疑いもあるとみて捜査していた。
被害額は、数億円にも上る詐欺事件に、名刺を渡し、議員の名前を使って大胆に事を運ぶ吉羽美華という女は一体…。Smart FLASH 2022年8月3日の記事には吉羽被告がどのような人物かが記載されている。
吉羽被告は26歳だった2007年に当時の民主党から寝屋川市議に初当選し、無所属で3期めだった。自民や立憲民主議員らでつくる最大会派『ねやがわ未来議員団』に所属。その間、政党を変え、国政に3度挑戦したがいずれも落選している過去がある。2017年衆院選では小池百合子・東京都知事が立ち上げた希望の党から東京24区に立候補、小池都知事の応援で選挙活動をした。吉羽被告は、12年間で7回、4種類の選挙に挑戦したことになる。
私生活では、2014年にタレントでもある自民党の谷川とむ衆院議員※本名谷川 與秀(たにがわ ともひで/48歳)と結婚し、2015年に第一子を授かっている。2016年に離婚。2018年には不動産業を営むH氏と出会い、ハワイで結婚式を挙げた。2019年4月に寝屋川市議選に出馬し当選、5月に第二子を出産した。
また格闘技団体『RIZIN』やスポーツ選手のマネジメントを行う芸能プロダクションも経営するなど多角経営を行っていた。
「“美人すぎる市議”と呼ばれ出したことで、気合も入っていました。市議になる前は、衆議院議員だった樽床伸二氏(65歳)の事務所で働きながら、政治について勉強していましたから、もともと議員になりたいというのはあったと思います。」
吉羽被告は、『自転車で街を変える』と、車から自転車に乗り換えるといった自然環境に優しい省エネに取り組んだりしていた。しかし彼女の思惑は違うところにあったようだ。女優の波瑠似でもある美貌を活かし、人脈作りにいそしむ。
彼女は市外にブログなどを通じて人脈をひろげていった。他の市議が地方に視察に行くときは、吉羽被告のアテンドで、先方の議員らが出迎えて案内してくれたりという事があったという。
市議であれば、特に他都道府県に人脈を作るといった手間よりも、その分市内に費やせよと言われてしまうだろう。いずれ国政への下準備だったと思われる。
〈自ら写真集出版、1冊1000円 500部限定〉
2009年、吉羽被告は自らの写真集を出版、手売りした。タイトルは『Mika Yoshiba 明日もみんなのココロが晴れますよーに。』この写真集はのち500部追加で増刷、いずれも完売となった。
吉羽被告は「写真集が全部売れたら、50万円です。それを政務活動費の足りない分にまわしたい」と言っていた。当時の同僚である元市議はこう話す。
「吉羽さんのあの目で『1冊お願いします』と言われたら、どんな男性でもグラッとくるよ。すぐに1000円出して買いました。寝屋川市の職員も、吉羽さんに頼まれると嬉しそうに買っていましたし、すぐに完売したんじゃないかな。私も買ったがどこかになくしてしまった。インターネットのオークションサイトでも品切れで、1万円を超える値段がついているそうです。」
現在販売されているか探したが、残念ながら見つからなかった。
〈雑誌のグラビア総なめ、美人すぎる政治家アイドルともてはやされ〉
2013年の「週刊文春」には、参院選で汗だくになって選挙区回りをする吉羽被告が、「美女候補」としてグラビアに登場。2017年10月5日付の「スポーツ報知」には、衆院選に『希望の党』から出馬した吉羽被告のインタビューが載っている。ショートカットがトレードマークの吉羽被告はモデル体型と褒められると「太る時間がないんですよ…。よく(女優の)波瑠さんに似てるって言われます。」と返した。
〈仮想通貨と旦那H氏の仕事でもあるゴールド投資を勧める姿も〉
落選し無職が続いた時期、吉羽被告が周囲の人々を熱心に勧誘していたのが仮想通貨取引だった。「希望の党関係者が何人も誘われ、実際に金を預けたが、コインを渡さなかったりしてトラブルに発展しているという。数千万円の投資金を勝手に社債に替えたため、返金を求める訴訟も起こされている」(希望の党関係者)。仮想通貨のみならず、再婚した相手H氏の事業であるゴールド投資の方も吉羽被告は熱心に周囲を勧誘していたという。今の御時世、政治家は詐欺師と警戒する時代になってしまった。
☆参考サイト☆
元寝屋川市議の吉羽美華被告に懲役10年 コロナ融資詐欺で福岡地裁
コロナ融資詐欺の前大阪府寝屋川市議に懲役10年、追徴金1億9800万円の実刑判決…福岡地裁
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