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石破総裁 自民党新執行部が発足 閣僚顔ぶれも固まる  10月9日衆議院解散、15日公示・27日投開票日程も表明!

自民党・石破茂総裁は、9月30日午後、新しい執行部を発足させ、副総裁に菅義偉・前首相、幹事長に森山裕・総務会長、総務会長に鈴木俊一・財務相、政務調査会長に小野寺五典・元防衛相、選挙対策委員長に小泉進次郎・元環境相を起用することなどが正式に決まりました。

さらに、石破総裁は、衆議院の解散・総選挙について、10月1日に国会で内閣総理大臣に選出されたあと、10月15日公示、27日投開票の日程で行う方針を表明しました。

■新執行部発足

                     【参考資料1 石破執行部と閣僚人事案】

石破氏は、午後1時から党総裁室で、それぞれに起用することを正式に伝え、午後1時半から開かれた臨時総務会で了承され、新しい執行部が発足しました。

◆副総裁に菅・前首相

菅氏は、衆議院神奈川2区選出の当選9回で75歳です。無派閥で活動しています。小此木彦三郎・元建設相秘書や横浜市議会議員を経て、1996年の衆議院選挙で初当選し、2006年には第1次安倍内閣で総務相として初入閣しました。自民党が野党時代の2012年の総裁選挙で安倍晋三元首相擁立の中心的な役割を果たし、第2次安倍内閣では一貫して官房長官を務めました。2020年に、辞任した安倍首相の後継を争う総裁選挙に立候補して勝利し、第99代の総理大臣に就任しました。今回の総裁選挙では、小泉氏を支援しましたが、決選投票では石破新総裁に投票したとみられます。石破総裁としては、豊富な政治経験のある菅氏を副総裁に起用することで、挙党態勢を構築し、党内基盤を安定させる狙いがあるものとみられます。

◆幹事長に森山・総務会長

森山氏は、衆議院鹿児島4区選出の当選7回で79歳です。旧森山派の会長を務めていました。鹿児島市議会議長などを経て1998年から参議院議員を5年余り務めたあと、2004年に衆議院議員に転身し、農林水産大臣や衆議院農林水産委員長などを歴任しました。2017

年から4年余りにわたって、歴代最長の期間、党の国会対策委員長を務め、安倍政権や菅政権を支えたほか、岸田政権では、総務会長として派閥の政治資金パーティーをめぐる問

題の調査を中心的に担いました。石破総裁としては、豊富な政治経験や幅広い人脈を持つ森山氏を起用することで政策の推進を図るとともに挙党態勢を構築する狙いがあるものとみられます。

◆総務会長に鈴木・財務相

鈴木は、衆議院岩手2区選出の当選10回で71歳です。麻生派に所属しています。鈴木善幸・元首相の長男で麻生副総裁の義理の弟です。父親の秘書を経て、1990年の衆議院選挙で初当選し、これまでに環境相やオリンピック・パラリンピック担当相、それに、党の総務会長などを歴任しています。また、岸田内閣では3年前の発足当時から財務相を務めてきました。今回の総裁選挙では上川外相を支援しました。石破新総裁としては、政治経験が豊富で、麻生氏にも近い鈴木氏を、党の重要ポストに起用することで政権基盤を安定させる狙いがあるものとみられます。

◆政務調査会長に小野寺・元防衛相

小野寺氏は、衆議院宮城6区選出の当選8回で64歳です。旧岸田派の出身です。宮城県職員や松下政経塾などを経て、1997年の衆議院の補欠選挙で初当選し、外務副大臣のあと安倍内閣で2回、防衛相を務めました。現在は衆議院予算委員長などを務めています。今回の総裁選挙では、同じ旧岸田派出身の林官房長官を支援しました。石破総裁としては、外交・防衛分野をはじめ幅広い政策に精通している小野寺氏を政務調査会長に起用することで、政策を安定的に実行していく狙いがあるものとみられます。

◆国会対策委員長に坂本哲志・農林水産相

坂本氏は、衆議院熊本3区選出の当選7回で73歳です。旧森山派の出身です。地元新聞の記者や熊本県議会議員を経て2003年の衆議院選挙で初当選しました。これまでに総務副大臣や党の政務調査会長代理などを歴任し、菅内閣で、一億総活躍や地方創生の担当相を務めました。また、去年、派閥の政治資金パーティーをめぐる問題を受けて辞任した宮下一郎氏の後任として農林水産相に就任しました。石破総裁としては、幅広い政策に精通し、国会対策の経験もある坂本氏を起用することで、安定した国会運営を図る狙いがあるものとみられます。

◆選挙対策委員長に小泉・元環境相

小泉氏は、衆議院神奈川11区選出の当選5回で43歳です。無派閥で活動しています。2009年の衆議院選挙で、父親の小泉純一郎・元首相のあとを継いで立候補し、28歳の若さで

初当選しました。復興政務官や党の厚生労働部会長などを務めたあと、2019年に安倍内閣で戦後3番目の若さとなる38歳で環境相として初入閣し、菅内閣でも再任されました。

今回、初めて総裁選挙に立候補し、決選投票には進めませんでしたが、1回目の投票では、最も多い75票の議員票を獲得して全体の3位につけ、存在感を示しました。石破総裁としては、党内で一定の支持を集めた小泉氏を起用することで党内融和を図るとともに、高い知名度や発信力をいかし、政権運営に弾みをつける狙いもあるものとみられます。

このほか、◆最高顧問に麻生太郎・元首相、◆幹事長代行に福田達夫・元総務会長、◆組織運動本部長に小渕優子・選挙対策委員長、◆広報本部長に平井卓也・元デジタル相が指名されました。

新執行部の発足に続き、石破氏は、衆議院選挙を10月15日公示、27日投開票の日程で行う方針を表明しました。

閣僚の顔ぶれもすでに固まっています。

■閣僚人事

総務相に村上誠一郎・元行政改革担当相、法相に牧原秀樹・衆議院議員、外相に岩屋毅・元防衛相、財務相に加藤勝信・元官房長官、文部科学相に阿部俊子・衆議院議員、厚生労働相には福岡資麿・参議院政策審議会長、農林水産相に小里泰弘・衆議院議員、経済産業相に武藤容治・衆議院議員を起用する方針です。

国土交通相は公明党の斉藤鉄夫氏を続投させることにしています。

環境相に浅尾慶一郎・参議院議院運営委員長、また、防衛相には過去務めた経験のある中谷元・元防衛相を起用し、官房長官は林芳正氏を続投させます。

デジタル相に平将明・衆議院議員、復興相に伊藤忠彦・衆議院議員、国家公安委員長に坂井学・元官房副長官、こども政策担当相に三原じゅん子・参議院議員、経済再生担当相に赤澤亮正・衆議院議員、経済安全保障担当相に城内実・衆議院議員、地方創生担当相に伊東良孝・衆議院議員を起用する方向です。

一方、官房副長官には、橘慶一郎衆議院議員、青木一彦参議院議員、それに、佐藤文俊元総務事務次官が起用されます。

今後の日程

                        【参考資料2 「永田町カレンダー」】

石破総裁は、10月1日に召集される臨時国会冒頭の総理大臣指名選挙で第102代の総理

大臣に選出されたあと、ただちに組閣します。

そして、4日に衆参両院で所信表明演説を行ったあと、7日衆議院、8日参議院で代表質問が行われ、9日には衆参両院で予算委員会か党首討論が開催される見通しで、石破総裁は、9日に衆議院の解散を行い、15日公示・27日投開票の日程で総選挙に臨みます。

                                     以 上

筆者 平木雅己(ひらきまさみ)選挙アナリスト

元NHK社会部記者。選挙報道事務局を長く勤め情勢分析や出口調査導入に尽力。小選挙区制度が導入された初めての衆議院議員選挙報道ではNHK会長賞を受賞。ゼネコン汚職事件、政治資金の不正など政治家が関わる多くの事件・疑惑も取材。その後、連合(日本

労働組合総連合会)事務局にて会長秘書(笹森清氏)として選挙戦略の企画立案・候補者指導を担当、多くの議員の当選に尽力した。 

政策担当秘書資格取得後、法務大臣/自民党幹事長代理はじめ外務大臣政務官、衆参国会

議員政策秘書として、外交・安全保障、都市計画、防災、司法、治安、雇用・消費者、地方自治などの委員会や本会議質問を作成、政策立案に携わる。

☆出稿資料☆

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