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コスモ株式会社に欠けているのは「攻めのガバナンス」ではないか           ワコールHDとの関係から見える日本企業の古い体質



コスモ株式会社をめぐる今回の株主提案で重要なのは、単に一社の経営改革にとどまらない点である。添付資料では、コスモ株式会社とワコールホールディングスに対して、少数株ドットコム株式会社の山中裕氏が「ハイブリッド株主提案」とも言えるアプローチを展開していることが示されている。コスモ社とワコールHDの関係、関西圏における企業間のつながり、資本効率や保有資産の活用を一体的に問う構図である。

この視点は重要だ。日本企業の問題は、しばしば一社単独では見えにくい。取引関係、地域の名門企業同士のつながり、創業家との関係、古くからの慣行。こうした「見えないしがらみ」が、経営判断を鈍らせ、外部株主の声を遠ざけ、結果として企業価値の停滞を招くことがある。

コスモ社についても、問題は単純な業績批判ではない。同社は歴史ある企業であり、地域に根差した事業を続けてきた。その点は評価されるべきである。しかし、歴史があることと、経営が正しいことは同じではない。古い関係性や従来の商慣行に守られた経営が続けば、外部から見た透明性は低くなる。

添付資料では、山中氏の提案が、コスモ社の不動産活用や蓄電池事業への参入だけでなく、ワコールHDとの関係性を含めた「面」でのガバナンス改革として位置づけられている。これは、従来型の「一社だけを対象にした株主提案」よりも踏み込んだ問題提起である。

ここで問われるべきは、コスモ社の取締役会が本当に外部環境の変化を捉えているのかという点だ。

現在、日本企業には、形式だけのガバナンスではなく、実質的に「稼ぐ力」を高めるガバナンスが求められている。経済産業省の資料でも、日本企業のコーポレートガバナンス改革は形式面では進展してきた一方で、実質面が伴っていない企業が依然として存在するとの指摘がある。

この指摘は、コスモ社にも重く響く。社外取締役がいるかどうか、監査役がいるかどうか、形式的な体制が整っているかどうかだけでは不十分である。大事なのは、その取締役会が本当に経営陣に厳しい問いを投げかけているのか。保有資産の活用を議論しているのか。低収益事業の見直しを行っているのか。新しい成長機会を検討しているのか。そこにある。

山中氏が提案する蓄電池事業や不動産活用は、必ずしも無条件に成功が保証されたものではない。新規事業には当然リスクがある。しかし、リスクがあるから何もしないという姿勢は、経営ではなく現状維持である。重要なのは、提案の是非を検討し、数字と戦略に基づいて判断し、その判断を株主に説明することだ。

コスモ社の経営陣が、株主提案を単なる「外部からの圧力」と受け止めるならば、それは時代遅れである。いま必要なのは、守りのガバナンスではない。資産を活かし、事業を見直し、外部の知見も取り入れながら企業価値を高める「攻めのガバナンス」である。

コスモ株式会社は、過去の信用に守られる会社であり続けるのか。それとも、株主からの厳しい問いを契機に、次の成長に向けて変わるのか。

今回の株主提案は、その分岐点を突きつけている。



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