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立憲民主党代表選挙 枝野幸男・前代表が正式に立候補表明 野田佳彦・元首相、江田憲司、馬淵澄夫議員にも立候補の要請の動きあり

9月7日告示、23日に投開票が行われる立憲民主党の代表選挙に、21日、前の代表の枝野幸男・衆議院議員が正式に立候補を表明しました。

枝野前代表は、21日午後、記者会見し「古い政治に終止符を打ち、新しい時代へ向かって進む時だ」と述べ、「9月に行われる立憲民主党代表選挙に立候補することを決意した」と語りました。

その上で、枝野氏は、「歴史的な円安と物価高は国民生活に大きな打撃を与えている。経済も大きく混乱しているにもかかわらず、政治不信が高まり、歴史的な変化に対応できていない」と指摘しました。

そして「人口減少が進む中、アベノミクスのあとの日本経済をどう立て直すのか、与野党を超えて問われている。今こそ『失われた30年』と呼ばれる長期の低迷をつくりだした古い政治に終止符を打ち、新しい時代へと向かって進む時だ」と述べました。

今回の代表選挙に立候補を表明したのは、枝野氏が初めてです。

枝野氏は衆議院埼玉5区選出の当選10回で、60歳です。

東北大学を卒業後、弁護士となり、1993年の衆議院選挙に、当時の日本新党から立候補して初当選しました。

かつての民主党政権では、官房長官や経済産業大臣、それに党幹事長などを歴任しました。

2017年に、所属していた民進党が東京都の小池知事が立ち上げた希望の党への合流をめぐって分裂すると、立憲民主党を結党して代表に就任し、直後の衆議院選挙で野党第1党の議席を獲得しました。

立憲民主党はその後、当時の国民民主党と合流し、社民党の一部の議員も入党するなど、勢力を拡大しましたが、前回・3年前の衆議院選挙で議席を減らした責任をとって、枝野氏は代表を辞任しました。

今回の代表選挙では、8月9日にいち早く立候補の意向を明らかにし、「逃げることなく時代の転換の先頭に立つのが私の使命だ」と述べました。

代表選挙を巡っては、この他にも立候補に向けての動きが続いてます。

21日午後、有志議員が、馬淵澄夫・元国土交通大臣を訪ね、代表選挙への立候補を要請しました。

20日夕方、党の代表代行を務めた経験がある江田憲司 衆議院議員は、国会内で、自らが率いる議員グループの有志から代表選挙への立候補を要請されたことを明らかにしました。

その上で、江田氏は「熱い思いをうかがい、『真摯(しんし)に受け止める』と回答した。ただ、今はいろいろな関係者の意見を個別に聞いている最中なので、その上で最終的に判断したい」と述べました。

また「野党の政策論争が注目される唯一と言ってもいい場が代表選挙であり、いろんな人が出て政策論争をして、立憲民主党が『こんな政党だ』と国民に伝えられる場にできればいい。私は総理大臣官邸で総理大臣をお支えした経験もあり、政権交代の兆しも多少出ているので、代表を選ぶ基準としても政権担当能力が重んじられる」と述べました。

代表選挙に再選を目指して立候補する意向を固めている泉健太代表は、20日、党の会合に相次いで出席しました。

会合では、自民党の総裁選挙について「自民党は『ドリームチームをつくる』などと言うが、どうしてそんなことが言えるのか。いくら『生まれ変わる』と言っても、党内に『裏金議員』が残っている実態はまったく変わらない」と述べました。

一方で「立憲民主党の代表選挙もいよいよ近づいてきている。ぜひ皆さんと一緒になって盛り上げていきたい。国民に党が訴える政策や政権像をこの機会を通じて知らせていきたい」と述べました。

野田佳彦・元首相は、19日午前に党内の中堅・若手議員の有志から立候補の要請を受け、19日午後には、千葉市内で、党の千葉県連の国会議員や地方議員ら約40人と面会しました。

議員側は「今こそ政権交代が必要で、総理大臣の経験がある野田氏であれば国民も任せられるイメージがあり、代表に適任だ」などとする立候補の要請文を手渡しました。

これに対し、野田氏は「思いをしっかり受け止めたい。次の衆議院選挙の勝負につながる大事な代表選挙で、政権交代を必死でつかみ取る必要がある。自分に何ができるか熟慮し、考え抜きたい」と述べ、「じわじわと決断を迫られてきている。一般論では告示までに考えればいいが、そういうことをしたら迷惑をかける」と述べ、できるだけ早期に判断する考えを示しました。

立憲民主党の代表選挙は、9月7日告示、23日投開票の日程で行われます。

岸田文雄首相が、9月に行われる自民党総裁選挙に立候補しないことを表明し、自民党では新しい総裁、首相の下、早期の衆議院の解散、総選挙を求める意見が強まっています。また、来年(25年)夏には東京都議会議員選挙と参議院議員選挙が行われます。

衆参議員選挙を控え、立憲民主党は誰をリーダーに選ぶのか、枝野氏を正式に立候補を表明したことを受け、泉現代表をはじめ立候補に向けた動きが加速していきます。

編集部では、引き続き、立憲民主党代表選挙の状況をお伝えします。

                                     以 上

筆者 平木雅己(ひらきまさみ)選挙アナリスト

元NHK社会部記者。選挙報道事務局を長く勤め情勢分析や出口調査導入に尽力。小選挙区制度が導入された初めての衆議院議員選挙報道ではNHK会長賞を受賞。ゼネコン汚職事

件、政治資金の不正など政治家が関わる多くの事件・疑惑も取材。

その後、連合(日本労働組合総連合会)事務局にて会長秘書(笹森清氏)として選挙戦略の企画立案・候補者指導を担当、多くの議員の当選に尽力した。 

政策担当秘書資格取得後、法務大臣/自民党幹事長代理はじめ外務大臣政務官、衆参国会議員政策秘書として、外交・安全保障、都市計画、防災、司法、治安、雇用・消費者、地方自治などの委員会や本会議質問を作成、政策立案に携わる。

☆出稿資料☆

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