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レーサム創業者・田中剛容疑者――薬物依存と恐喝、ガバナンス崩壊の果てに

不動産投資会社 レーサム(8890・東証スタンダード)の創業者で元会長の田中剛容疑者(60)が、覚醒剤取締法と麻薬取締法違反(所持)の疑いで逮捕された。昨年6月24日、東京・千代田区の高級ホテルで覚醒剤約0.208グラムとコカイン約0.859グラムを職業不詳の奥本美穂容疑者(32)とともに所持していたとされ、2人の口論を受けて駆け付けた警察官が室内から3袋の薬物を押収した。田中容疑者は事件発覚後に病院へ入院していたが、5月12日に病室で身柄を確保された。

田中剛――20代で不動産の荒野へ踏み込んだ「独学の資産家」

1965年5月12日生まれ。日本大学理工学部を卒業目前で中退し、大手企業の研究職内定を辞退して不動産会社に入社するという異色のスタートを切った。トップセールスとして頭角を現した後、バブル期のコンサルティングビジネスで3年間に2億円超を稼ぎ、1992年、27歳でレーサムリサーチ(現レーサム)を設立。バブル崩壊で値崩れした収益不動産を買い取り、再生して富裕層に販売する逆張り戦略で急成長を遂げた。

1997年には債権買い取り・評価事業に進出し、1999年にグローバル債権回収を買収。2000年にはSPC法を使った国有不動産の証券化案件を落札し、翌2001年にはJASDAQ上場。当日の売買代金は店頭市場全体の4割を占め、時価総額は一時1000億円を超えた。2008年の社名変更後も不動産開発・高度医療クリニック・ゴルフリゾート再生など事業を多角化し、“レーサムイズム”と呼ぶ7つの経営哲学を掲げて従業員に浸透させた。

2018年に代表権を返上し会長に退いた後、2021年11月に取締役を辞任。だが資産管理会社を通じて株式の過半を握り続け、影響力は温存された。株式を手放すのは外資ファンドへの売却が成立した2023年5月まで待たねばならず、薬物疑惑の最初の報道(2013年)から実に12年が経過していた。

女子大学生への“キメセク”疑惑と性的被害届

昨年8月、女子大学生が「薬物を使われたうえで性的暴行を受けた」として不同意性交致傷容疑で告訴状を提出。警視庁は裏付け捜査を継続している。押収薬物はそのトラブルと同じホテルで見つかっており、両事件の関連が焦点だ。港区界隈では「高級ホテルでのキメセク常習者」と囁かれ、今回の逮捕は“時間の問題”と見られていた。

半グレの標的――10年以上続いた恐喝の構図

田中容疑者の薬物依存は業界で“公然の秘密”。複数の半グレグループが弱みを握って恐喝を繰り返し、巨額の資金を吸い上げていたという。2010年代前半には恐喝紛争が民事訴訟化し『週刊新潮』が報道したが、警察は脅迫側ではなく“縁切り”を迫った元暴力団関係者を摘発するという奇妙な対応を取ったとされる。

天下り顧問と機能不全のガバナンス

レーサムには元警察幹部が顧問として天下っていたものの、薬物や反社リスクを遮断できず、ガバナンスコードで求められる「反社リスクの遮断」は形骸化した。創業者の私的リスクが企業統治をむしばみ、市場の公正にも禍根を残した。

奥本美穂――“職業不詳”と報じられた32歳美女の素顔

画像引用:インスタグラム erika_femmefataleより


京都出身、日本人と韓国人のハーフ。10代で『京都美少女図鑑』に登場後、花王CMモデルやトヨタのレースクイーンとして活動。2020年には人気YouTuberラファエル氏の動画に出演して話題となった。現在はフリーランスで、バンド活動やアートイベントの出展歴をSNSで発信している。田中容疑者との接点は公表されていないが、高級ホテルで同席していたことから夜遊び人脈や半グレ仲介筋の関与が取り沙汰されている。

株式市場への波紋と規制当局の課題

レーサム本体は国内大手による買収で再編が進んでおり、株価急落は限定的。
ただし、「創業者リスク」への警戒は高まり、監査法人や主幹事証券からは「オーナーの私生活まで踏み込むデューデリが不可欠」との声が上がる。SESCは内部統制報告書の虚偽記載や適時開示義務違反を精査し、東証も上場契約違反の可能性を探るとみられる。

今後の焦点

  • 薬物使用の立証
  •  微量所持でも血液・毛髪鑑定で常習が裏付けられれば実刑判決も視野に入る。
  • 不同意性交致傷事件との接合
  •  所持事件と合わせて起訴状を一本化するかが検察判断の要。
  • 恐喝資金の流れ
  •  半グレへの資金供与が立証されれば組織犯罪処罰法違反など追加立件も。
  • ガバナンス改革
  •  創業者リスク管理を制度化できるか――取引所とSESCの対応が試金石となる。

田中剛容疑者の転落劇は、薬物依存が企業統治を腐食し、市場の信頼をも蝕む典型例だ。華やかな経歴を持つ奥本美穂容疑者を巻き込み、半グレ・薬物・天下りが交錯する“複合汚染”が露わになった。創業者を絶対視する日本企業の家産制を改め、私的リスクをも統合的に管理する仕組みづくりが急務である。市場の自浄能力が、いま試されている。


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参考記事
https://access-journal.jp/83016
https://news.ntv.co.jp/category/society/1a714ed65d1544ce84dd10a0ad5a7e3b

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