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「八潮市の前議長に “居住実態なし” 疑惑」当選の効力をめぐる攻防 生活の本拠とは何か

八潮市と言えば・・
2025年1月28日、八潮市中央一丁目交差点で発生した道路陥没は、巨大な空洞にトラックが呑み込まれ、運転手の方のご遺体が発見されるまでに約3か月を要した未曾有の事故だった。原因は老朽化下水道管の破損・漏水に端を発したとされ、その影響は市内外の暮らしや事業に長く影を落としている。県と国は特別調査・補償・改修計画を次々に打ち出し、完全復旧の見通しは長期にわたるとされた。

そんな事故対応の模範を示すべく動いてきた八潮市議会で・・

9月22日、八潮市選挙管理委員会が重い扉を開けた。9月7日に執行された八潮市議選で当選した福野未知留(ふくの・みちる)氏の当選効力について、有権者2人(金森正夫氏、廣田齊典氏)が「被選挙権(住所要件)を欠く可能性」を理由に当選無効を求める異議を申し出、委員会は同日受理を決定したのだ。選管は「申出を受けた日から 30日以内に決定するよう努める」と記す。手続は静かに、だが確実に動き出した。

福野氏は2023年9月、八潮市議会の議長に選任された経歴を持つ“市政の顔” だ。女性議長として注目を集めた当時の人事は、市政の多様性を象徴する出来事でもあった。その名が、今回は「居住実態」なる素朴でいて厄介な概念と真っ向から交わる。

「住所」は“生活の本拠”で決まる
住民票だけでは足りない

被選挙権の根っこはシンプルだ。市議になれるのは、その市の選挙人であること。選挙人になるには引き続き3か月以上、その市に住所を有することが要る。条文は乾いているが、「住所」とは単なる記載上の所在地ではない。日本の選挙実務と裁判例は、住所=生活の本拠だと繰り返し説いてきた。だからこそ「住民票がある」だけでは足りない。日々どこで寝起きし、どこで衣食住を営み、どこに生活痕跡があるのか。総合評価で決まる。

その「総合」には何が並ぶのか。委員会決定書や判決文をたどると、光熱水費の契約・使用量、家財道具の有無、郵便物や公共料金の宛先、近隣住民の目撃、交通系ICやカードの利用履歴、宿泊レシートや移動記録、通勤・通学・通院先——生活の輪郭を描く粒立ちが、パズルのピースのように積み上がる。個々は弱くても、束ねると強い。居住実態は、そうして立ち上がる。

判例と“現場感覚”
電気メーターは嘘をつかない?
過去の居住要件争いは、しばしば「電気使用量」が焦点になった。山形県南陽市の事件では、電気量の減少などから「住んでいた実態は認められない」と判断され、当選無効判決に至っている。メーターは生活の鼓動を記録する。炊事、洗濯、照明、冷蔵庫。数値は、在宅の頻度と時間の長さを淡々と物語るからだ。

もっとも、電気だけが決め手ではない。ホテル滞在や二拠点生活など“現代的な暮らし”が絡んだ案件では、寝起き日数の積算、宿泊先の位置、職務上の移動や社会的活動の基盤がどこにあるか——等を丁寧に拾い上げる必要がある。長野県辰野町の事案では、最終的に当選無効→次点繰り上げという結末になったが、その過程で町選管と県選管の評価が割れたように、判断の難しさもまた実務の常である。

「スーパークレイジー君」が示したライン
最高裁が支えた“実態”の重み
居住実態論争の象徴的事件が、埼玉県戸田市の「スーパークレイジー君」こと西本誠氏のケースだ。市選管は2021年、「市内での3か月以上の居住実態がない」として当選無効を決定。争いは高裁、最高裁へ。最高裁は2022年、「住んでいた事実を認め難い」として当選無効を確定させた。ここで強調されたのも、住民票の有無ではなく、生活の本拠の実態である。

この判決は、各地の選管・裁判所に実態重視の整理軸を与えた。以後の審理でも、寝起きの頻度・期間、生活痕跡の連続性、地域との関わりが綿密に点検されるようになったのは事実だ。福野氏の案件でも、同様のプリズムで光を当てることになるだろう。

八潮のケースで見られるであろう争点
寝起きの場所と回数①
ある一定期間、どこで何日「夜を越したか」は居住実態の核心だ。自宅の就寝実態、ホテルや親族宅の利用、二拠点生活なら“八潮”が主か従か。領収書や電子記録が活躍する。

生活インフラの連続性②
電気・水道・ガスの契約と使用量、宅配や郵便の受領、NHKや携帯・銀行の登録住所など、生活の動脈が八潮に通っていたか。単独では決め手にならない資料でも、束ねれば“像”になる。

社会的活動と地域接点③
議員活動、地域行事、日常の買い物・通院・通学などの行動圏は八潮中心だったのか。SNSや日誌、IC乗車履歴が裏づけに。

形式と実質のねじれ④
「住民票はあるが生活は別の市」—この形式/実質のズレがあるとき、判断のハードルは一気に上がる。戸田市事件が示したように、 住民票さえあれば“OK”ではない。

手続のロードマップ
市選管→県選管→高裁
八潮市選管は受理から30日以内に決定を出す努力義務を負う。決定に不服があれば、21日以内に埼玉県選管へ審査申立て。さらに不服なら高裁へ出訴という階段を上る。この“二段構え+司法”のルートは、各自治体の実務でも丁寧に案内されている。

当選無効が確定した場合、通常は次点候補の繰り上げ当選が行われる。辰野町事件が好例だ。選挙全体の無効ではなく、特定候補の当選のみが無効となるのが通例である。

「議長」という重さ
市政の信頼と透明性
今回、注目点は“前・議長”の肩書が持つ象徴性だ。議長は議会運営の要であり、公正・中立の旗手でなければならない。その人物に「居住実態なし」の疑念が向くこと自体が、市民の信頼に影を落とす。だからこそ、透明性の高い検証が必須だ。選管がどの証拠をどう評価したか、決定書の理由付けが要となる。

もし「居住実態なし」と判断されたら

シナリオは明快だ。
市選管が当選無効を決定
不服申立てがあれば県選管が審査
なお争えば高裁が最終判断

無効確定後は次点繰り上げで議席が埋まる—— 。戸田市、辰野町の例が示すとおり、最終的な結論は“実態”次第で、住民票や肩書では動かない。

読者のための“チェックリスト”
居住実態の見立てポイント

寝泊まりの連続性:八潮での夜越しが3か月以上、実質的に継続しているか。
生活痕跡:電気・水道・ガスの使用実績は“暮らし”を示す水準か。
住所の整合:郵便、免許、銀行、携帯、納税の登録先は八潮で一貫しているか。
地域接点:議員活動・日常行動の重心が八潮に置かれているか。
二拠点の主従:二拠点生活なら、主がどちらかを実証できるか。

これらはどれも補助事実にすぎないが、束ねれば「生活の本拠」の輪郭がにじむ。最終的には、総合評価で決まる。

まとめ
“どこに住むか は、誰のためか”
居住実態の争いは、個人の私生活に踏み込む不快をともなう。しかし、それでもなお問わねばならないのは、地方政治の当事者性である。「そのまちに暮らす人」が「そのまちの政治」を担う— 原理は古くて強い。
福野氏のケースで求められるのは、過不足ない事実認定と透徹した説明責任だ。結論がどうであれ、八潮市政にとっての一里塚となる。形式より実態へ。それが、戸田市や辰野町、南陽市が費やした歳月の到達点なのだから。
八潮市民は、議会にしっかりと足を運んで傍聴し、意見を言わないといけないのではないか?全国の模範になるべき陥没事故への対応の様子は、市民以外の人々も傍聴に行って確認に行ってよいのではないか?
あなたはどう思われますか?

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