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司法の腐敗を教えてくれる映画「Winny」

さくらフィナンシャルニュースです。今回は映画のご紹介。
2004年に逮捕された金子勇氏が開発したP2Pファイル共有ソフト「Winny」を巡る、実話に基づく衝撃作。主演は東山紀之(金子勇役)、三浦貴大(弁護士・壇俊光役)、監督は松本優作。2023年3月公開。
開発者である金子氏は「著作権侵害幇助」という極めて曖昧な罪で逮捕・起訴された。当時すでにWinnyを使って違法アップロードをした利用者は数百人単位で逮捕されていたにもかかわらず、なぜか開発者だけが標的にされた。
実はここに、警察が絶対に表に出したくなかった“裏の事情”があった。
警察自身がWinnyに仕込まれたウイルスによって機密資料をハッカーに盗まれていたのである。特に愛媛県警では、交番勤務の仙波敏郎巡査部長が県警の裏金作り(ニセ領収書による公金横領)を内部告発しようとした矢先、Winny経由でハッカーが掴んだ裏金資料が新聞社に送られ、記事化されてしまった。この事件で警察は完全に面子を潰され、「Winny=警察の敵」と認識した。
だからこそ警察は、Winnyを「単なる著作権侵害ツール」ではなく「社会の敵」「悪の根源」として徹底的に潰しにかかった。金子氏を「違法ファイル天国を作った悪の天才」に仕立て上げるストーリーは、警察がWinnyを葬り去るためにどうしても必要だった“方便”だったのだ。
「技術が悪用される可能性があるから開発者も悪い」という前代未聞の論理を振りかざし、マスコミを総動員して世論を誘導。裁判では弁護側の技術的証拠はほぼ無視され、検察の“可能性論”が優先された。一審・二審は有罪(懲役1年・罰金150万円・執行猶予なし)。最高裁で無罪が確定するまで、実に7年2か月。金子氏は無罪判決のわずか2年後、2013年に42歳の若さで急逝した。
この映画は、警察が“組織防衛”のために無理筋の逮捕に突っ走り、検察がそれを追認し、裁判所が長年にわたって誤った判断を重ねた「司法の暴走」を、淡々と、しかし容赦なく描き出す。
渋谷事件、足利事件、布川事件、湖東記念病院事件、袴田事件……日本には無実の罪で人生を奪われた人が後を絶たない。Winny事件もまた、その長いリストに加わった一例に過ぎない。
「自分は関係ない」と思っている人ほど危うい。
警察が“組織の都合”を優先し、検察が“勝つこと”を優先し、裁判所が“前例”を守ろうとする限り、誰の身にも明日降りかかる可能性がある。
金子勇氏はもういない。
だが彼が残した教訓は今も生きている。
技術を罪に問う社会は、いつか誰の自由も奪う。
令和の今だからこそ、観るべき映画だ。

さくらフィナンシャルニュース

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