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刑務所出所者雇用と「拘禁刑」施行で見えた更生の新展開

― 変わり始めた“塀の中と外”の架け橋 ―

刑務所出所者の社会復帰には、安定した就労の確保が欠かせない。厚生労働省と法務省は2006年度から「刑務所出所者等総合的就労支援対策」を実施し、職業訓練や専用求人の紹介など多面的な支援を展開している。
また、事業主に対しては、試行雇用助成金や就労奨励金、身元保証制度などの金銭的支援を用意し、雇用のハードルを下げる取り組みも進む。

近年では「職親(しょくしん)プロジェクト」など、出所者の就労探求や職場体験、資格取得、住居確保支援といった多角的なサポートが全国的に広がり、協力企業も増えつつある。

「刑務所での教育が、今になって響いた」

さくらフィナンシャルニュース編集部は、刑務所を出所した男性に取材した。

男性は「僕のいた刑務所では“教育”と呼ばれる時間がありました」と語る。授業は犯罪の種類に応じて分けられ、暴力や性加害、窃盗などに関する行動分析や再犯防止の講義が行われていたという。

「その時は、刑務作業をサボれるからラッキー程度にしか思っていませんでした。でも、出所して何年か経って仕事を始めてから、あの時学んだことが心に響いてきた。地に足をつけて働き、生活が安定して初めて、過去の自分と決別できた気がします」と話す。

支援の“落とし穴”も 選定の精度に課題

しかし、出所後の就労環境は決して平坦ではなかった。
男性が最初に就いた職場は、刑務所の中で面接を受け、就労支援の一環として紹介された企業だったという。

「最初の職場はパワハラが酷くて辞めました。『お前、埋めるぞ』と脅されたこともあって……刑務所ボケで動きが遅かったのかもしれませんが、あの一言でやめました」と苦しい体験を明かす。

こうした事例は、支援の仕組み自体に課題を投げかける。支援を形式的なマッチングで終わらせないためには、刑務所側や行政が企業選定の段階で職場環境や体制をより丁寧に確認し、出所者が安心して働ける就労先を整備することが求められている。

「拘禁刑」施行で更生支援の新時代へ

2025年6月に施行された「拘禁刑」は、これまでの懲役刑と禁錮刑を一本化した新しい刑罰制度だ。懲罰よりも更生を重視する設計となっており、仮釈放審査では受刑者の改善更生や社会適応度がより重視される。刑務所内での教育プログラムや職業訓練への取り組み姿勢も、評価対象として注目されている。

この制度改正を受け、刑事施設内処遇と社会復帰支援の連携が一層強化された。福祉支援や依存症回復支援を含む個別対応型プログラムの導入も進行中で、高齢受刑者や障害者への対応強化も検討されている。

社会復帰と再犯防止へ “塀の中と外”の連携強化に期待

刑務所出所者の雇用支援制度と拘禁刑の施行は、いまや相互に補完し合う関係にある。受刑中から社会復帰への準備を段階的に行うことで、「塀の中から塀の外」への移行を円滑にし、再犯防止と自立支援の両立を目指している。

取材に応じた男性は最後にこう語った。
「拘禁刑のことはよく分からない。でも、更生に真剣に取り組む仕組みがあるのは良いことだと思う。中にはどうしようもない奴もいるけれど、再犯率は少しずつ下がっていくのかもしれません」

社会復帰を支える制度の整備と、現場の実効性ある支援。
2025年、刑罰制度の転換期を迎えた日本で、更生への“新たな道”が模索されている。

さくらフィナンシャルニュース

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