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【恩地寿和を巡る循環取引疑惑】

コロナ禍、紹介者の信用を担保に近づいてきた男がいた。恩地寿和。投資話は「首にかけるだけでウイルスを除去する商品」から始まり、美容商材の卸取引へと姿を変えた。利益は振り込まれ、信頼は強化され、出資は増えていく。

だが1年ほどで男は突然「返せない」と告げる。被害者は会社資金だけでなく、母・兄弟の貯蓄まで失い、家庭も崩れた。さらに再起を信じて融資で作った金まで投じた後、取引先が「実在企業へのなりすまし」だった疑いが浮上する。これは単なる商取引の失敗なのか。それとも、最初から設計された循環取引だったのか。

被害を訴える男性は、コロナ禍の時期、数十年来の付き合いがある後輩の紹介で恩地寿和と出会った。後輩は「恩地はコロナ関連商品を大量に仕入れ、卸して利益を出している先輩だ」と説明したという。被害者は会社に利益を残したい思いから話を聞いた。

最初に持ち込まれたのは、「首からかけるだけでコロナウイルスが除去される商品を作れる工場への出資」だった。恩地は「出資額に応じて利益10%を還元する。元本は補償する。

期限は1か月と説明したと被害者は語る。加えて後輩から「万一の際は出資額の半分を補償する」と言われ、被害者は出資に踏み切った。結果として1か月後、利益と元本が戻った。

この成功体験の直後、恩地は次の案件として美容商材の取引を提案する。「安く仕入れて他社へ卸し、出資額に応じて利益を分配する」という内容だったという。被害者は恩地と食事を重ね、距離を縮める中で「誠実で信頼できる人物」と認識するに至った。

被害者の会社は、恩地の用意した「預かり証」なる書面を受領している。書面には恩地本人の署名、免許証のコピー、直筆サイン、実印の押印があったと被害者は述べる。出資は月1回ペースで増え、利益も再投資に回し続けた。

しかし、約1年が過ぎようとした頃、恩地は電話で「商品代金として受け取った全額を返すことが難しくなった」と告げた。理由として恩地は「多額の詐欺に遭った」「反社に近い会社から資金を脅し取られた」「資金繰りが破綻し倒産する。自己破産する」などと説明したという。

被害者は愕然とした。投じたのは被害者個人の資金、会社資金に加え、母の老後資金、姉・弟の貯蓄まで含まれていた。被害者は「家族の生活を少しでも楽にしたい」と資金を集めたが、美容商材購入資金として拠出した金は消失したと訴える。精神的にも追い詰められ、自殺念慮に至り、抑うつ状態となったという。

数か月後、恩地から「少しずつでも返していく」と連絡が入った。被害者は恩地の家族まで心配し、「協力して取り戻そう」と涙ながらに伝えたと述懐する。ここから被害者は、取り戻すための再始動に踏み込む。

恩地は自己破産で資金がないため、被害者は自社の信用を利用して銀行融資を受け、その資金で取引を再開する道を選んだ。被害者は融資資金の一部と資産売却益を原資に、恩地へ借用証を交わして無利息で貸し付けたという。

条件は
(1)恩地が持つ仕入れ会社・卸先を紹介すること
(2)被害者の会社が関わる取引に恩地は関与しないこと
(3)恩地は被害者が貸した資金で元々の顧客と取引することだった。

ところが約1年後、卸先から商品代金が振り込まれなくなり被害者が調べたところ、恩地が紹介した仕入れ会社は、過去に「株式会社clear」との取引で負債を抱えた会社だった疑いが出たという。

さらに深刻なのは、恩地が紹介した卸先が「実在する会社の社名・個人名・電子印鑑・インボイス番号を使ったなりすましだった」と被害者が主張している点だ。被害者は、恩地の携帯電話の中身を本人の許可を得て確認したこと、また別の被害企業が恩地のPCデータをUSBに移した情報を入手し、そこから循環取引の疑いを強めたと説明する。

手口はこうだ。

被害者の会社に提示された美容商材の仕入れ・卸は「実際に商品が動いていない架空取引」だった。協力会社は取引が循環取引であると認識しつつ、過去の負債回収のため関与していた疑いがある。被害者の会社から「商品代金」として入金を受けると、協力会社は手数料名目で差し引き、残金を恩地が経営していた「株式会社clear」および恩地が実質支配する「株式会社アカラ」「株式会社アドアリンク」へ送金していた、というのが被害者の主張だ。

さらに被害者は、恩地が複数の出資元から資金を集め、元本と利益を付けて振り込み信用を維持しつつ、自社にも利益を付け、協力会社と共謀してマネーロンダリングを行った疑いがあると主張する。

不動産購入を経て、事件発覚前に関係者へ代表者を変更し譲渡した疑い、また架空取引で協力会社側に負債が出るよう仕向け、三社間契約で負債の付け替え・保証を事前設計していた疑いも挙げる。資金が尽きると循環は止まり、恩地は会社を倒産させ、代表名義を変え、現在も逮捕されず逃げている。

被害者はこの一連の出来事で借金が膨らみ、家族に迷惑をかけないため離婚に至った。さらに、離婚の報告をした際、恩地が電話越しに笑った、と被害者は言う。

「一度返して信用を作る」「紹介者の人間関係を担保にする」「書面と実印で“本物感”を演出する」「架空取引で資金を回し、最後は倒産で逃げる」。

これが事実なら、これは典型的な投資詐欺だ。鍵となるのは金の流れと、なりすましの実在性、そして協力会社の関与だ。捜査当局と金融機関、そして取引先は、見過ごしてよい話ではないはずだ。

コラムニスト:芸能ライター山本武彦

過去に夕刊フジで六本木パパラッチ日記、週刊実話にて六本木黒服の芸能界裏fileを連載。2024年からXで政治評論シリーズを投稿中。

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