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ガソリン減税が「増税」に?──国民生活と財政をめぐる欺瞞 減税のはずが負担増

「減税の意味がなくなる」。ドライバーの素朴な嘆きは、多くの国民の本音だろう。与党が進めるガソリン暫定税率の廃止議論は、一見すれば物価高対策の一環として歓迎されるはずだった。しかし、その裏では「恒久財源が必要」との名目で新たな税負担が検討されている。看板を掛け替えただけの“増税”ではないか、との批判が広がっている。

ガソリン暫定税率は、50年以上前に道路整備の財源として導入され、その後は一般財源化。現在は1リットル当たり約25円が課税され、家庭にとっても月数千円規模の負担だ。確かに廃止すれば1兆円規模の税収が失われ、インフラ補修費用に穴が開く。しかし、国民からすれば「減税すると言いながら別の形で徴収」では意味がない。

揮発油税と消費税 二重課税の矛盾

そもそもガソリン課税は構造的におかしい。揮発油税や地方揮発油税が上乗せされ、その上からさらに消費税がかかる「二重課税」構造になっているのだ。ガソリン1リットルに含まれる税金は価格の約半分に達し、家計を直撃している。暫定税率廃止の議論を機に、根本的な課税のあり方を見直すべきなのではないか。

国民生活より「武器購入」

一方で、巨額の防衛費増額は国会でほとんど議論なく決まっていく。米国からの武器購入には数兆円単位の予算が投じられるが、その決定過程に国民の合意形成はほぼ存在しない。ミサイル防衛やステルス戦闘機の導入は、まるで「外圧」の下で自動的に決まっていく。

その一方で、ガソリン減税や生活支援策には「恒久財源が必要」として二の足を踏む。国民にとって不可欠な車の燃料費や生活物資への支援は抑え、兵器には巨額を惜しまない。このアンバランスこそが、政治への不信を増幅させている。

消費税増税と法人税減税

さらに構造的な問題は、消費税増税と法人税減税のセットである。消費税は「社会保障のため」と導入されたが、実際には法人税減税の穴埋めとして活用されてきた。特に大企業輸出企業に有利な「輸出戻し税」の仕組みによって、消費者が払った消費税が還付され、大企業の利益に直結しているのだ。

中小企業や一般家庭が増税の負担を背負い、その分大企業が潤う構図。経団連の要望を政府が吸い上げ、政治が動く。国民の生活を守るためではなく、一部の大企業とその背後にいる国際金融資本家に奉仕しているのではないか、との疑念が消えない。

国際金融資本のシナリオ?

こうした動きは日本だけではない。欧米でも同様に、公共サービスの削減や増税が進む一方で、軍需産業や多国籍企業には巨額の支援が流れている。世界規模で「財政再建」の名の下に国民生活の負担が増し、資本市場に資金が流れ込む構造は、まるで国際金融資本によるシナリオのようにも見える。

グローバル企業や投資家は、日本のような成熟国市場において、安定した税収と高い消費税率を歓迎する。なぜなら、消費税は必ず国民から徴収でき、景気に左右されにくい「安定財源」だからだ。その結果、国の政策は「国民の生活支援」よりも「国際金融資本が望む財政構造」へと傾いていく。

国民の声をどう反映させるか

FNNの世論調査では、ガソリン税暫定税率の廃止に「早く廃止すべき」と答えた人は48.3%。急がずを含めれば8割以上が「廃止すべき」と考えている。にもかかわらず、与党は「新たな税負担」を検討。国民の声はどこまで政策に反映されているのだろうか。

地方では車が生活必需品であり、ガソリン価格の高止まりは生活の根幹を揺るがす問題だ。それを理解せずに「減税しても別の形で税金を取る」という発想は、国民の不信をさらに深める。

終わりに──本当に必要なのは何か

ガソリン減税議論は、単なる税の掛け替え問題ではない。国民生活を守るために国家がどう税制を設計すべきか、という根源的な問いを突きつけている。

防衛費を拡大し続ける一方で、社会保障や生活支援は「財源がない」と切り捨てる。法人税を下げ、大企業を優遇する一方で、消費税を引き上げて庶民に負担を押しつける。この構図を変えない限り、国民は「搾取される側」に固定され続ける。

「ガソリン減税」が真に意味を持つのは、国民の生活を第一に考える税制改革が伴ってこそだ。今こそ「誰のための政治か」が問われている。

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