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【政治評論 上脇博之教授 不起訴(嫌疑なし)連発】

上脇博之教授が連発する不起訴(嫌疑なし)という赤札

告発は、正義のパフォーマンスではない。

本来は、疑いの芯を突き、証拠の筋を通し、捜査機関を動かすための精密作業だ。ところが近年、上脇博之教授の告発をめぐって世間がざわつくのは、件数の多さではない。不起訴の中でも調べるに値しないと判断された「不起訴(嫌疑なし)」を連発していることだ。

「嫌疑なし」は、ただの不起訴ではない。不起訴にもいろいろある。「嫌疑不十分」なら、疑いはあるが立証できない、という余地が残る。だが「嫌疑なし」は違う。言い方は冷酷だが、「嫌疑なし」はそもそも疑いが成立していないということだ。告発の出発点「疑いの立て方」そのものに、赤信号がともっている。

ここに、上脇教授が恥ずかしく見えるのだ。本人は「150件超」と誇る。だが、数は免罪符ではない。上脇教授は、自身の刑事告発について「すでに150件は超え(200件近いかも)」で、「そのほとんどは受理されている」と発信している。

たしかに、この件数のアピールは派手だ。だが、告発の価値は件数ではなく命中率だ。派手に撃って、外し続けたらどうなるか。「正義の弾丸」ではなく、ただの空砲に見えてしまう。そして、空砲であることを象徴するラベルが「嫌疑なし」だ。今回も嫌疑なしがニュースになる。

直近、東京地検特捜部が、自民党東京都連の政治資金パーティーを巡り、萩生田光一氏ら5人を不起訴(嫌疑なし)にしたと報じられた。この告発状を提出していたのが上脇教授だ。つまり、上脇教授の告発が、検察の判断で「嫌疑なし」という形で跳ね返されたのだ。この瞬間、告発者の側に刺さるのは、相手ではない。自分の信用だ。

「嫌疑なし」を異常と言い募るほど、恥ずかしさは増幅する。上脇教授は、不起訴に納得できないとして検察審査会への申立てを繰り返す姿勢も報じられている。さらに、奈良地検が「嫌疑なし」で不起訴にした件について「異常」といった趣旨で申立てをしたと伝える記事もある。 もちろん、不起訴に異議を唱える制度はある。申立て自体は合法だ。だが、外から見るとこう映る。

告発して「嫌疑なし」を連発し、それを「異常だ」と言い返す。この流れが繰り返されるほど、告発はただのアピールに見えてくる。人々がいちばん嫌うのは、正義の顔をした負け惜しみだ。ここが、上脇教授が「さらに恥ずかしい」と思える最大の理由になる。さらに皮肉なのは、上脇教授サイドの告発が「嫌疑なし」で退けられたという話が、最近だけの現象ではない点だ。

上脇教授自身の回想として、2001年に政治資金規正法違反容疑で刑事告発に関わった件を、東京地検特捜部が「嫌疑なし」で不起訴にした、という事実もある。嫌疑なしが一度なら事故で済む。しかし「またか」と見えた瞬間、世間は容赦しない。結局、恥ずかしいのは「説明」を放棄したまま「件数」を誇ることだ

告発をする自由はある。監視活動の意義も語れる。だが、それを社会に向けて大々的に掲げるなら、最低限やるべきことがある。どれだけ当てたのか。ほとんどが不起訴(嫌疑なし)ではないか?そして、とりわけ「嫌疑なし」がどれだけ出ているのかを、どう説明するのか。

ここを曖昧にしたまま、件数だけを看板にし、「嫌疑なし」を異常と言い募る。この姿に、正直に言う。みっともないし、恥ずかしい。証明できるのは、精度と説明だけだ。


コラムニスト:芸能ライター山本武彦
過去に夕刊フジで六本木パパラッチ日記、週刊実話にて六本木黒服の芸能界裏fileを連載。2024年からXで政治評論シリーズを投稿中。

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