2025年秋、自民党総裁選のさなかに、国民の怒りを呼び覚ます出来事が起きた。
候補者のひとり、茂木敏充前幹事長(69)が「子ども食堂」を視察した際、誕生日祝いのケーキを受け取る姿がSNS上に拡散されたのである。
「貧困支援の場で政治家がもてなしを受けるなど言語道断」
「今日明日食べるご飯に困る子どものための食堂なのに、国の責任者が食べてどうする」
批判の声は瞬く間に広がった。さらに、茂木氏の推薦人である鈴木貴子衆院議員が「皆さん、食べに行ってもいいんですよ」と擁護発言を行い、炎上は決定的となった。
《ボランティアや寄付で成り立っている活動に我が物顔で意見するな》
《政治がやるべき仕事を民間に押し付けているのに、居場所だと言い張るのは欺瞞だ》
こうした辛辣なコメントがあふれ、鈴木氏は翌日に釈明を余儀なくされたが、国民の不信感を拭うことはできなかった。
この炎上劇は、単なる政治家の失言にとどまらない。むしろ「子どもの貧困対策を本来担うべきは誰か」という根源的な問いを私たちに突きつけたのだ。
第一章 子ども食堂の成り立ち 民間の善意が切り開いた居場所―
子ども食堂が全国に広がり始めたのは、2010年代半ば。報道を通じて、家庭の経済状況により満足に食事をとれない子どもが増えている現実が明らかになった。
本来、子どもの健全な成長を支えるのは国家の責務である。しかし日本では、生活保護の捕捉率の低さや教育・福祉予算の脆弱さが放置された結果、貧困家庭の子どもたちが空腹のまま学校に通う事態が常態化していた。
その穴を埋めるべく立ち上がったのが、地域の人々やNPOである。
「余った食材を子どもに」
「地域の孤立を防ぎたい」
こうした思いが結集し、全国に数千を超える子ども食堂が誕生した。そこでは単に食事を提供するだけでなく、学習支援や心のケアも行われ、地域のセーフティネットとしての役割を果たしている。
しかし忘れてはならないのは、これらがすべて民間の善意と寄付で成り立っているという現実だ。政治の失策が生んだ貧困を、再び国民が肩代わりしている構図である。
第二章 安倍政権の「未来を担うみなさんへ」
2016年11月、安倍晋三首相は「日本の未来を担うみなさんへ」と題したメッセージを発表した。
「日本の未来を担うみなさんへ」
あなたは決してひとりではありません。
こども食堂でともにテーブルを囲んでくれるおじさん、おばさん。
学校で分からなかった勉強を助けてくれるお兄さん、お姉さん。
あなたが助けを求めて一歩ふみだせば、そばで支え、その手を導いてくれる人が必ずいます。
あなたの未来を決めるのはあなた自身です。
あなたが興味をもったこと、好きなことに思い切りチャレンジしてください。
あなたが夢をかなえ、活躍することを、応援しています。
平成28年11月8日
内閣総理大臣 安倍晋三
優しい言葉で綴られたメッセージは子どもたちを励ますものに映った。だが、その裏側を冷静に見れば、国が本来担うべき役割を民間のボランティアに委ねることを前提とした宣言だったとも言える。
実際、この時期に創設された「こどもの未来応援国民運動」「こどもの未来応援基金」は、政府の広報的な色合いが強く、実際の支援は企業寄付やボランティア頼みだった。国庫からの直接支援は限定的で、現場は慢性的な資金不足に苦しみ続けた。
第三章 こども家庭庁と無駄な予算
2023年4月、岸田政権の目玉として「こども家庭庁」が創設された。子ども政策を一本化し、支援を強化するという建前だったが、実際に注目を浴びたのは広報・委託費用の膨張だった。
広報キャンペーン事務局を大手広告代理店が数億円単位で受注。
ホームページの運用・保守に数千万円の随意契約。
イベントやシンポジウムの開催に莫大な予算。
「見せかけの政策」に莫大な公費を投じる一方で、子どもの貧困に直結する給食費無償化や学習支援員の配置には十分な予算が回らない。
国民はこうした現実を敏感に察知している。茂木氏や鈴木氏の発言が炎上した背景には、「結局は政治家も官僚も子どもの貧困を解決する気がないのでは」という深い不信感が横たわっているのだ。
第四章 なぜ政府は子どもの貧困対策をやらないのか?
日本はOECD諸国の中でも子どもの貧困率が高水準にある。それにもかかわらず、政府は抜本的な対策を打たず、部分的な制度改正や広報事業でお茶を濁してきた。その理由は明白である。
第一に、経済界との癒着。経団連を中心とする大企業は、自民党に莫大な政治献金と組織票を提供してきた。見返りに、政府は法人税減税や輸出戻し税といった企業優遇策を続けてきた。
第二に、財政規律の名のもとに社会保障費を抑制する論理。消費税増税は繰り返されても、子どもや生活困窮者に直接届く支援は後回しにされる。
つまり、政治は「子ども」より「大企業」を優先してきたのである。
第五章 経団連と自民党の組織票の闇
経団連加盟企業は自民党の主要な資金源である。政治献金が表立って批判されるようになってからは、グループ企業や関連団体を通じた寄付、パーティー券購入といった形で支援が続けられてきた。
さらに大企業は、従業員や関係団体に対して「自主投票」という名目で組織的に票を動かす。こうした組織票は、総裁選や国政選挙における自民党の圧倒的な強みとなってきた。
その見返りが、輸出大企業に有利な輸出戻し税の継続や、法人税の大幅引き下げである。
一方で、そのしわ寄せを受けているのは一般国民であり、特に子育て世帯や非正規労働者だ。教育費や住居費の負担が重くのしかかり、貧困の連鎖が断ち切れない。
第六章 子ども食堂に携わる人々の声
今回の炎上では、子ども食堂で活動するボランティア自身が強い怒りを示した。
「この投稿に激しく憤りを覚えます。政治家が恥ずかしくないんですか?
貧困支援も居場所の提供も国の仕事です。それを民間の善意に丸投げしているのに」こうした声は、現場の本音を代弁している。寄付金が減れば食材が買えず、ボランティアが減れば運営すら困難になる。それでも現場は子どもたちを見捨てられないから続けている。
だが、この「現場の必死の努力」に安住し、政治が責任を放棄してきたのが日本の現実なのだ。
第七章 国民に寄り添わない政治のデタラメ
茂木敏充のケーキ事件、鈴木貴子の「皆さん食べに行ってもいい」発言。
これらは氷山の一角にすぎない。
本質は、政府が子どもの貧困対策を本気でやるつもりがないという事実である。代わりに、広報事業やイベントに巨額を投じ、経団連や大企業には減税で報いる。
国民に寄り添うポーズを取りつつ、実際には「政治の失敗のツケ」を民間ボランティアに押し付ける。この矛盾こそが、今回の炎上を生んだ根源的な理由であろう。
終章 未来を担う子どもたちのために
「あなたは決してひとりではありません」
安倍政権が掲げたこの言葉を、いま私たちはどう受け止めるべきだろうか。
現実には、子どもたちは「ひとり」にされている。政治が責任を放棄し、民間に丸投げし、支援の手が届かない子どもが全国にあふれている。
子ども食堂の存在は素晴らしい。しかしそれはあくまで地域の善意の補完であって、国家の責任を代替するものではない。
政府はまず、子どもの食と教育を保障する制度的枠組みを整えるべきであり、それこそが「未来への投資」である。
国民に寄り添わない政治のデタラメを終わらせるために、私たち有権者はこの問題を決して「小さな炎上」で済ませてはならない。
さくらフィナンシャルニュース
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