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私が「減税」ではなく「無税」という言葉を使う理由

私は投資家として、長いあいだ国内外の企業と向き合ってきた。
企業統治、株主総会、裁判、制度設計。
そのどれに関わっていても、最後に必ず行き着く問いがある。
制度は、人をどの方向に動かしているのか。
税制も、その一つだ。

税は財源ではなく、行動を決める装置である

一般には、税は「国の財源」として語られる。
だが、投資の現場から見れば、税はそれ以上に、
人と資本の行動を静かに誘導する制度だ。
法人税があることで、
企業はどこに拠点を置くかを考え、
どこで雇用し、どこに投資するかを選び直す。
これは思想の問題ではない。
国境を越えて投資を行ってきた経験から見て、
ごく自然な行動だ。
経済学の分野でも、
法人税が投資や成長を抑制するという点については、
長年にわたり一定の合意が形成されてきた。
私が法人税の廃止を主張してきたのは、
特定の企業を優遇したいからではない。
制度として、すでに役割を終えつつあると考えているからだ。

「減税」では、問いが浅い

日本では、税の議論がすぐに「減税か増税か」に収束する。
だが、それは制度の表層をなぞっているにすぎない。
私が考えてきたのは、
税率を何%にするか、という話ではない。
なぜ国家は税を集めるのか。
その仕組みは、いまの経済構造に本当に合っているのか。

資本市場が発達し、
個人が直接、世界の成長に参加できる時代において、
国家だけが「徴税」という形で介在し続ける必要があるのか。
この問いは、
投資を仕事にしてきた立場から見れば、
むしろ自然な疑問だった。

資産運用国家という選択肢

私が構想してきたのは、
税で集めて配る国家ではなく、
運用によって価値を生み、その果実を共有する国家だ。
企業価値を高めることで、
長期的に社会全体が豊かになる。
この発想自体は、
私が企業統治の現場で一貫して向き合ってきたものと同じだ。
かつて松下幸之助が語った
「企業は社会の公器である」という言葉は、
単なる倫理論ではない。
成長が先にあり、分配はその結果として生まれる
という、制度設計の思想だと私は理解している。

無税国家アカデミーという名前について

「無税国家」という言葉は、誤解を招きやすい。
だが、私が最初から制度変更を目的にしているわけではない。
私がやりたいのは、
制度をいきなり変えることではなく、
制度を読める人間を増やすこと
だ。
企業統治でも、
条文を変えるより先に、
それをどう使うかを理解する人間が必要だった。
税制も同じだ。
徴税とは何か。
国家と資本の関係はどう変わってきたのか。
他国では、どんな選択肢が試みられているのか。

その前提を共有せずに、
制度だけを動かしても、結果は見えている。

私が一貫して気にしてきたこと

企業統治でも、税制でも、教育でも、
私が見ているのは一つだ。
正しさが、どのような条件のもとで決まってしまうのか。
人が悪いわけではない。
能力が足りないわけでもない。
多くの場合、判断が行われる前提条件が、
選択肢を狭めている。
だから私は、
「何をすべきか」より先に、
「どう決まっているのか」を見たい。
減税日本から、無税国家アカデミーへ。
それは結論ではなく、
制度を考え直すための思考の入口にすぎない。
私はその入口を、
これからも丁寧に整えていきたいと思っている。

山中裕

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