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“環境にやさしい”のは本当か? 室谷悠子弁護士が語るメガソーラー開発の裏側

メガソーラー問題に取り組む弁護士・室谷優子氏が語る
“調和ある再生可能エネルギー”の必要性と、レノバを巡る政官業癒着の構図

※本記事は、弁護士・室谷優子氏(日本弁護士連合会 公害環境委員会 プロジェクトチーム副座長)へのインタビュー動画の内容をもとに構成しています。

急増するメガソーラー開発がもたらす災害リスク

再生可能エネルギーの推進は、地球温暖化防止という大義のもとに加速している。
しかし、その名のもとに地域住民の安全や自然環境が犠牲にされ、さらには政治との癒着までもが指摘される事態となっている。

この問題にいち早く向き合い、警鐘を鳴らしてきたのが、日本弁護士連合会(以下、日弁連)公害環境委員会のプロジェクトチーム副座長を務める室谷悠子弁護士だ。
森林保全や野生動物の保護をライフワークとしてきた室谷氏は、2021年ごろから全国各地の山間部で急増するメガソーラー開発に危機感を抱き、本格的な取り組みを始めた。

「森林を削り、土砂を盛って造成されるメガソーラーは、土砂災害を誘発する危険性があり、住民の生命や生活に直接的なリスクをもたらします」と語る室谷氏。

実際、2021年に静岡県熱海市伊豆山で発生した大規模土石流では、メガソーラー開発に伴う造成工事が一因と指摘された。さらに、福島県いわき市では、景観を損ねる太陽光パネル設置に住民からの抗議が相次ぎ、福岡県では住民が知らぬ間に周囲をパネルで囲まれたという事例もある。

洋上風力発電と住民参加の排除

洋上風力発電についても、住民参加が制限された制度設計が問題視されている。
「洋上だから住民が関係ない、というのは明らかにおかしい」と室谷氏は言う。北海道や秋田県の漁業関係者とのトラブルや環境影響の懸念も後を絶たない。

政治と企業の癒着構造――レノバと秋本真利 元議員の問題

この洋上風力を巡っては、再エネ企業と政治の癒着構造が露呈している。特に問題視されているのが、再生可能エネルギー企業「レノバ」と自民党・秋本真利元外務政務官を巡る一連の疑惑だ。

秋本真利元外務政務官
画像引用:首相官邸HP

秋本氏は「洋上風力新法」の起案に深く関わり、レノバが参画した秋田県沖の洋上風力事業に影響力を行使したとされる。2017年時点でレノバ株を400株保有し、2018年にはさらに2200株を買い増したが、政務官在任中の取引について国会では詳細を明かさなかった。

さらに、レノバ創業メンバーで特別顧問だった人物の関連会社から、秋本氏の政治団体に180万円の献金が行われていたことも判明。秋本氏は国会で「レノバ関係者からの献金はない」と答弁していたが、虚偽答弁の疑いで東京地検特捜部が捜査に乗り出している。

また、日本風力開発からの3000万円超の資金提供が明らかになり、秋本氏は受託収賄容疑で起訴された。レノバの株価は秋本氏の発言や行動によって急騰と暴落を繰り返し、再エネ業界と政治の癒着が経済に与える影響も無視できない。

加えて、レノバの千本倖生会長は菅義偉前首相と近い関係にあり、洋上風力入札ルールを「レノバ方式」へと誘導したとの指摘もある。これにより、再エネの公平な推進に対する信頼が揺らいでいる。

自治体の規制と市民の声が鍵に

このような中、日弁連は2022年に再エネ開発の法規制強化と、自治体による条例制定を提言。すでに300以上の自治体が独自の規制を導入しており、地域の自衛措置としての役割が期待されている(全国自治体数1741″2024年”)。

また、開発の前提として求められる「住民説明会」についても、「現行のルールでは300メートル以内の住民しか対象にならない」と制度の限界を指摘。土砂災害や水源汚染、景観破壊といった広域に及ぶ影響を考慮すれば、もっと幅広い住民の意見を取り入れるべきだと主張する。

環境アセスメントについても、「調査内容に誤りがあっても是正も罰則もない」「事業者主体の調査では住民の意見が反映されにくい」といった根本的な課題がある。環境影響評価が、制度として実効性を持つためには抜本的な見直しが必要だという。

「今、全国で起きているのは“地域の分断”です」と室谷氏は言う。
再エネ事業者が地域に寄付をするなどして一部住民を取り込み、反対派との対立を生む構図は、かつての原発問題と同様だという。

「電力は都市部で消費されるのに、開発のリスクや犠牲を負うのは地方。住民の声が届きにくい構造は、原発とまさに同じです」

最後に、今後の課題について室谷氏はこう語る。
「地球温暖化対策も、生物多様性保全も、地域住民の生活も、すべて大切にしなければなりません。どれか一つを優先して他を犠牲にするようなやり方ではなく、すべてのバランスをとった調和ある再エネのあり方を、国も地方も、そして私たち一人ひとりも真剣に考えていく必要があるのです」

クリーンエネルギーという響きは、誰しもが前向きに受け入れたくなるものです。
しかし、その裏側にある現実は決して一様ではありません。山が削られ、水が濁り、人々の生活が分断される。再生可能エネルギーの推進という大義が、いつのまにか「儲けの手段」となり、地域の声が置き去りにされる構図が浮かび上がります。

秋本議員をめぐるレノバとの関係や、政官業の癒着が取り沙汰される今、私たちはただの「環境にいいこと」というイメージだけで再エネを語る時代を終えなければならないのではないでしょうか。

再生可能エネルギーは本来、未来の持続可能な社会のための手段であるはずです。
その実現のためには、環境、地域社会、政治の透明性、そして一人ひとりの納得—そのすべてが両立されなければなりません。

クリーンな未来を描くのなら、その過程もまたクリーンであるべきではないでしょうか。

〜室谷悠子弁護士経歴〜
•1977年兵庫県生まれ。
•2000年京都大学文学部卒業。
•2004年京都大学文学研究科修了。
•2008年大阪大学高等司法研究科修了、司法試験合格。
•2009年大阪弁護士会に弁護士登録(62期)。(弁護士登録番号41619)
•2024年より日弁連 公害対策・環境保全委員会 メガソーラー問題検討プロジェクトチーム副座長

室谷悠子弁護士
画像引用:https://www.asunaro-l.gr.jp/profile/murotani

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参考動画:https://www.videonews.com/interviews/20250329-murotani
参考サイト:
メガソーラー及び大規模風力発電所の建設に伴う、災害の発生、自然環境と景観破壊及び生活環境への被害を防止するために、法改正等と条例による対応を求める意見書
chrome-extension://efaidnbmnnnibpcajpcglclefindmkaj/https:/www.nichibenren.or.jp/library/pdf/document/opinion/2022/221116_3.pdf

シンポジウム「メガソーラー及び大規模風力による開発規制条例の実効性確保~地域の自然環境及び生活環境を守るための処方箋~」
https://www.nichibenren.or.jp/event/year/2023/230916.html

秋本政務官(再エネ推進派)へ風力発電会社が資金提供か 親会社も複雑
https://www.data-max.co.jp/article/65619

《特捜部が家宅捜索》再エネ関係者から180万円献金 秋本真利外務政務官が国会で虚偽答弁の疑い
https://bunshun.jp/articles/-/64862

画像引用:
https://www.asunaro-l.gr.jp/profile/murotani
https://www.sankei.com/article/20240630-CTGPCU7DHBJ6LNXVEW5ZSRODPA/photo/M4IW3TUB6BIBZOEIYBGTTA43LA/
https://www.kantei.go.jp/jp/101_kishida/meibo/seimukan/akimoto_masatoshi.html

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