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【ブラジルでX全面禁止 X側弁護士にまで制裁 デ・モラエスの思惑とは】


2024年08月21日ブラジルのアレクサンドル・デ・モラエス最高裁判所判事(56歳)はイーロン・マスク氏(53歳)に対し、24時間以内にブラジルにおけるXの法定代理人を立てなければ、2億人の国民を対象としたXのソーシャル・ネットワークの利用を禁止するよう命じた。
これに応じてモラエス判事はマスク氏に対する「司法妨害」の疑いで捜査を開始し、 約1850万レアル(4億8千万円)の罰金を課した。
 これに対しマスク氏はXのブラジル本社を閉鎖し、火に油を注いだ。
このソーシャルネットワークの停止は、デ・モラエス判事によって31日土曜日の早朝に命じられた。

Xの政府対策関連チームは、デ・モラエス判事がブラジルでXを閉鎖することに対して、
「それは単に、私達が彼の政治にそぐわない者たちを検閲せよという違法な命令に従わないからだ。これらのそぐわない者たちとは、上院議員から16歳の少女までが含まれる。」とXに発表した。

「私達が法廷で弁護しようとした時デ・モラエス判事は私達のブラジル人弁護人を逮捕投獄すると脅した。彼女が辞任した後でさえ、判事側は彼女の銀行口座をすべて凍結した。デ・モラエス判事の違法な行為に対するXの政府対策関連チーム側の異議申し立ては却下、或いは無視された。ブラジルの最高裁判所、デ・モラエス判事の同僚たちは彼に対して抵抗する意志がないのか、出来ないのかのどちらかだ。」

「Xチームは、何も他の国々が米国と同じ言論の自由を持つべきだとは主張していない。ここで問題となっている根本的な事は
デ・モラエス判事が我々にブラジルの法律を破るようにと要求している点だ。Xチームは決してそんな事はしないと断言している。」

今後Xチームは透明性を保つためにデ・モラエス判事の違法な要求と関連する裁判所への提出書類を全て公表する予定だという。

『Xは他のソーシャルメディアやプラットフォームとは異なり、当社は違法な命令に秘密裏に従うことはありません。

ブラジル及び世界中のユーザーの皆様、Xは引き続き言論の自由に対する保護に尽くしてまいります。』
というコメントを発表した。
Xクリエイターチームは「他の国は法律に従わないからと、Xの使用を禁止される可能性があるが、ブラジルは法律に従っている
という理由で禁止された」と皮肉る。

《デ・モラエス判事の思惑とは?》
そもそもマスク氏とデ・モラエス判事との対立は、2022年の選挙で投票制度の信頼を失墜させようとしたブラジルの極右前大統領
ジャイル・ボルソナロ氏の支持者のXアカウント数件の停止をデ・モラエス判事が命じたことに始まった。

ブラジル当局はボルソナロ大統領が、ルイス・イナシオ・ルラ・ダ・シルバ現大統領の2023年1月就任を阻止するためにクーデターを企てたか調査中である。

デ・モラエス判事によって凍結された幾つかのアカウントを、2024年4月にイーロン・マスク氏が復活させたことによって火花が
散ったというわけだ。

デ・モラエス判事は、Xを禁止して2024年ブラジル地方統一選挙の結果に影響を与えるためだとし、で無なければ、有権者がXに
投稿された政治的見解(デ・モラエス判事が認定する主観的反民主なもの)の影響を受け、それが市民運動という結果につながる
恐れが懸念されているからである。

問題はデ・モラエス判事の命令が一般的に言論の自由を侵害するかどうかではなく、それ以上にブラジルの法律を尊守しているか
どうかである。政治的な思想の検閲を禁止しているのがブラジルの憲法でありそれに真っ向から反するものだ。

《アメリカ連邦通信委員会委員ブレンダン・カー氏はこう見る》
「デ・モラエス判事の51ページに及ぶ判決文は、見出しから想像されるよりも遥かに重大で広範囲に及ぶ。デ・モラエス判事自身の言葉は、言論の自由に対して、また権威主義的な統制に対しても、より広範な打撃を与えようとしていることを明らかにしている。
極端な市民勃発運動の結果例として、ブレグジットと2016年のトランプ大統領の当選を、デ・モラエス判事は指摘している。

しかし、このような政治的、イデオロギー的な検閲は、ブラジル憲法で明確に禁止されているのだ。
それにもかかわらず、デ・モラエス判事は、同サイトで表明される政治的意見の多様性が、2024年10月に行われる統一地方選挙を
控えたブラジル国民に影響を与える可能性があるため、Xでの言論の自由を継続することは許されないと主張する。 言い換えればデ・モラエス判事は言論の自由が民主主義を脅かすものだと主張している。」

ブラジルを無法地帯にしているのはデ・モラエス判事自身だというブラジル内での指摘がある。

彼はそれを隠そうともしていない。 彼は、今年末のブラジルの選挙に先立ち、新たな検閲制度を課すことで回避しようとしている。

《ブラジルのネットワークユーザーはどうしている?》
ブラジルでは8月31日土曜日の早朝からXの遮断が始まった。VPN等を通じてのアクセス、投稿が当局に見つかれば罰金5万ユーロ、日本円で130万円だ。
もちろんこれまでXを楽しんでいたユーザー達は怒りの声を上げている。

ウェブとモバイルアプリの両方に影響を及ぼすXが使えないことで、多くのブラジル人をいらだたせ、彼らは代替手段を探すこととなった。
まずインスタグラムが開発した新しいテキストアプリ、(Threads)スレッズについては、その新しいアルゴリズムは直感的でないと考えられているようだ。

一方、新興ソーシャルネットワークのBluesky(ブルースカイ)は、ブラジル人ユーザーが大幅に増加し、この2日間で20万人が
新規登録した。

Xに対抗して昨年立ち上げられたこのプラットフォームは、ブラジルで急成長を遂げており、ユーザーは積極的に他人をフォロー
したり、投稿に「いいね!」を押したりしている。

Xはブラジルではフェイスブック、インスタグラム、ユーチューブ、TikTokほどの人気はないが、それでも政治家、ジャーナリスト、公人の間では影響力のあるプラットフォームである。

また、他のネットワークへの移行はブラジル人にとって目新しいことではなく、過去にもOrkut(オーカット)から他のプラット
フォームに移行した経緯がある。

イーロン・マスク氏、X停止を警告するブラジル最高裁判事を口撃 「邪悪な独裁者」
https://www.cnn.co.jp/tech/35223388.html

ブラジル最高裁、「X」のサービス停止命令 偽情報対策めぐり
https://www.bbc.com/japanese/articles/cd9dv8jjy91o

ブラジル最高裁、Xサービス停止命令 アカウント凍結拒否―マスク氏「言論の自由破壊」と批判
https://www.jiji.com/sp/article?k=2024083100010&g=int

ブラジル最高裁がXの国内での全サービス停止を命令
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240831/k10014567001000.html

2024Bloqueo de X en Brasil impulsa a Bluesky y causa controversia
https://sipse.com/mundo/bloqueo-x-brasil-impulsa-bluesky-causa-controversia-476335.html?utm_source=dlvr.it&utm_medium=twitter

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