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今回は、郵便不正事件において証拠の改竄をしたとして逮捕された検察官について解説します。

大坪弘道氏は、2010年に発覚した大阪地検特捜部主任検事証拠改ざん事件に関連し、犯人隠避罪で逮捕・起訴された。郵便不正事件に端を発したこの事件では、主任検事の前田恒彦が村木厚子元厚労省課長の無罪を示す証拠(フロッピーディスク)を改ざんした。

大坪氏は当時の特捜部長であり、この改ざんを把握しながら隠蔽したとされている。しかし本人は、「改ざんの事実を知らされておらず、犯人隠避の意図はなかった」と主張。また、最高検察庁の取り調べについても、「逮捕前提のような理不尽で不当な扱いを受けた」と批判的であったが、これは特捜部が過去に被疑者に対して行ってきた方法と同じであるため、皮肉にも自身がその犠牲になった形だった。

大坪氏は「前田検事が証拠を改ざんしたことを知らなかった」として争ったが、部下の國井検事が「大坪には前田の改ざんを報告していた」と証言するなど、不利な状況に陥った。同期の弁護士からは「最高検が大坪ら特捜部幹部に責任を押し付けようとしている」という指摘もあり、大坪自身もこの見方を支持した。

裁判では一貫して否認を続けたが、2012年3月に大阪地裁で有罪判決を受け、2013年に高裁で確定した。執行猶予期間満了後の2021年には弁護士資格を回復したが、事件を通じて検察の権力濫用や内部の体質が厳しく批判されたことは確かである。

一方、大坪自身も検察内部の秘密を暴露するとして抵抗を示したものの、実際にはそれを行わず、結局内部告発には至らなかった。

また、前田検事が「特捜部のプレッシャーやパワハラ体質」を理由に改ざんの報告を控えたと説明したことに対し、大坪は「特捜検事ならマイナス証拠も報告すべきだ」と厳しく批判した。

しかし、この発言自体が特捜部内のパワハラ的な文化を象徴しており、市川寛氏などからも指摘されている通り、特捜部の捜査体質が改めて問われる結果となった。

また、裁判では一貫して否認を続けたため、より厳しい司法判断を招き、起訴猶予の可能性もあった副部長の佐賀ともども有罪判決が下された。

検察側はこれにより組織防衛に成功したが、日本の司法制度への信頼は大きく損なわれることとなった。
この事件は、日本の検察が持つ権力の問題点を明確に示した象徴的な出来事であると言える。

コラムニスト:根本 良輔(ねもと りょうすけ、1994年6月21日)
東京都練馬区出身。くりのみ保育園、大泉南小学校、大泉第二中学校卒業。石神井高校、芝浦工業大学を卒業後、東京大学大学院へ進学し(のち中退)、電気工学の研究に従事する。会社経営者、政治活動家、つばさの党幹事長。二児の父。

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参考サイト:さくらフィナンシャルニュースnote

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