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山形・三川町90歳女性殺害 金品目的の侵入を認めながら「殺意なし」と控訴する29歳被告

2024年9月22日未明、山形県三川町横山の一軒家で、1人暮らしの阿部祥子さん(当時90歳)が殺害された。寝室で顔や胸を執拗に殴られ、踏みつけられ、首を絞められるという残虐な犯行だった。逮捕・起訴されたのは同町横川新田に住む無職、石川一馬被告(29)である。

山形地裁の一審裁判員裁判は2026年2月4日、被告の殺意を認定し、住居侵入罪と殺人罪などで懲役17年(求刑18年)の実刑判決を言い渡した。判決では「金品を奪う目的で被害者宅に侵入した」「命への配慮はみじんも感じられない」と指摘された。

しかし石川被告は判決を不服として控訴。2026年5月12日、仙台高裁で控訴審初公判が開かれ、即日結審した。

被告側の主張と一審の判断

一審で石川被告は起訴事実を否認し、「酒を飲んでいて記憶がない」と繰り返した。弁護側は「被害者宅を自分の自宅と誤認していた」「突然抱きつかれて過剰防衛になった」と主張。殺人罪ではなく傷害致死にとどまると訴えた。

これに対し、山形地裁は被告の言い分を「信用に値しない」と明確に退けた。犯行後の知人との通話で意思疎通に問題がなかった点や、首を数分間にわたり圧迫し続けた行為などから、殺意の存在を強く認定した。

事件の背景 繰り返される窃盗と強盗殺人的な性質

石川被告は事件当時、地元でアルバイトなどをしていたが、無職となっていた。注目すべきは、殺人事件以前にも複数の窃盗を繰り返していた点だ。2024年6月には鶴岡市内の飲食店で現金約10万円が入った財布を盗み、別の時期には三川町内の空き家に侵入して80代男性のクレジットカードなどを盗んだとして追起訴されている。

本件でも、検察・裁判所は「金品を奪う目的での住居侵入」を認定。90歳の独居高齢女性を狙った犯行で、被害者と面識はなかったとされる。結果として金品の窃取が完遂されていなかったとしても、計画性と残虐性を考慮すれば、強盗殺人(強盗致死傷)に近い悪質性を持つ事件と言える。

地元やネット上の反応も厳しく、「強盗殺人ではないのか」「17年は軽すぎる」「反省の色が見えない控訴に憤り」といった声が目立った。被害者の尊厳を踏みにじった犯行の重さを思えば、司法が下した17年という刑期が、果たして社会の感覚に十分応えているのか、改めて問われる局面だ。

控訴審判決は6月11日。仙台高裁が一審の判断をどう判断するのか、注目が集まっている。

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