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【長文特集|さくらフィナンシャルニュース】

なぜ「本当の保守」は消え、「エセ右翼」だけが残ったのか
― 敵国条項・軍拡国家・子ども政策、そして高市政権をめぐる構造 ―

序章|「不穏当」とされた発言が突きつけたもの

2024年の国会で、れいわ新選組・山本太郎代表は「敵国条項は死文化していない。だから削除を目指すべきだ」と発言し、議場は緊張に包まれた。敵国条項とは国連憲章に残る旧枢軸国への規定であり、実務上の法的効力はないとされる一方、象徴的な意味合いを持つとも指摘されている。

しかし議論は深まらなかった。所管外との答弁、そして「不穏当」という評価。

ここで浮かび上がるのは、戦後日本において「触れてはいけない外交テーマ」が存在してきたのではないかという疑問である。

主権国家として対米依存を見直す議論は、本来保守思想の核心でもある。にもかかわらず、それが議論の外へ押し出される構図。これが本稿の出発点である。

第1章|軍拡国家化と「子どもへの投資なき国」

2025年度、防衛費は11兆円規模に達し、日本の安全保障政策は大きな転換点を迎えた。与党側は抑止力強化を強調する一方、野党からは社会保障や教育への配分とのバランスが問題視されている。

予算委員会では、れいわ新選組の奥田ふみよ議員が「防衛産業を経済の中心とする発想」に強い懸念を示した。防衛産業は国家安全保障に不可欠という議論はあるが、同時に武器輸出や軍需依存が経済構造を変える可能性も指摘される。

教育分野では、日本の公的教育支出はOECD平均を下回り、家計負担の高さや教員不足が長年の課題となっている。子どもの自殺者数の増加や学校現場の疲弊が報じられるなか、「軍事費増大と社会投資縮小」という対比は、政治的論争の焦点となっている。

第2章|学校という“秩序装置”の再検証

全国から寄せられる教育現場の相談には、過度な校則や人権意識の欠如が含まれるとされる。白色指定の下着や水分補給の制限など、合理性を問う声が上がる事例も少なくない。

これを単なる学校問題として切り離すのではなく、「服従を重視する社会文化」として捉える見方もある。戦前日本の教育制度との類似性を指摘する論者もおり、国家観や市民意識の形成において教育が果たす役割が改めて問われている。

第3章|「エセ右翼」という戦後構造

戦前の保守思想は、本来「自主独立」「反外圧」「生活重視」を掲げていたとされる。しかし冷戦期、アメリカは日本に反共防波堤としての役割を求め、対米協調を軸とした政治勢力が主流となった。

この過程で、日本会議や勝共連合、旧統一教会などの宗教・政治ネットワークが影響力を持ったという指摘は、国内外の研究でも議論されてきた。ただし評価は分かれており、政治利用の度合いや実態については今なお論争が続く。

本稿では、この構造を「対米従属を前提とした右翼思想」と位置づける論者の見方を紹介する。彼らは、軍拡・改憲・治安立法を優先する政治潮流を「本来の保守から逸脱したもの」と批判している。

第4章|高市政権をめぐる論点

― TM特別報告・早世会・神奈我良という“統治の影”

近年、高市早苗首相周辺では、政治資金や宗教団体との関係をめぐる複数の報道が相次いでいる。

まず、日本共産党が公表した「TM特別報告」と呼ばれる文書。旧統一教会の内部資料とされ、政治家との関係性が示唆されたと報じられた。一方で、出所や信頼性については反論もあり、政治的論争の対象となっている。

さらに、しんぶん赤旗日曜版は、高市事務所の内部資料に基づくとして「早世会」という支援団体の存在を報じた。また、週刊誌報道では世界平和連合による政治資金パーティー券購入の記録が指摘されている。

加えて、宗教法人「神奈我良(かむながら)」からの寄付問題も報道され、「政治と宗教の距離」が再び焦点となった。

ここで重要なのは、特定団体の思想ではなく、統治の透明性そのものだ。

改憲や安全保障の強化を訴える政権であればあるほど、政治資金や支援団体との関係は厳しく問われるべきだという見方がある。

第5章|保守本流はどこへ消えたのか

戦後日本の政治史を振り返ると、田中角栄や宮澤喜一など、対米協調を維持しながらも国内主権を重視した政治家が存在した。

地方重視、生活優先、官僚主導への批判。これらは、現在「保守」と呼ばれる政治潮流とは必ずしも一致しない。

小泉改革以降、市場原理と安全保障強化を軸にした政策が主流となり、生活重視型の保守は後退したとする評価もある。こうした変化が、現在の政治対立の背景にある。

第6章|なぜ、れいわ新選組なのか

れいわ新選組は、敵国条項削除、軍拡より社会投資、対米依存の見直しを掲げる政党として存在感を示している。

これを左派と位置づける声もあるが、別の見方では「戦前的保守の復権」を掲げる政治勢力とも解釈できる。

本稿が問うのは、左右のラベルではない。

主権国家として、日本はどの方向へ進むのかという問いである。

敵国条項を議論することは危険なのか。

防衛費拡大と社会投資のバランスは適切なのか。

政治資金や宗教団体との距離は十分に透明なのか。

これらの問いに対する答えは一つではない。

しかし確かなのは、政治が「不穏当」という言葉で議論を封じたとき、民主主義は弱くなるということだ。

主権者は国民である。

政治は、誰かのものではない。

そしていま、日本の政治の中で最も明確に対米自立を語る存在として、れいわ新選組が注目されているのは事実である。

それが「本当の保守」なのか、それとも新しい政治の形なのか――。

結論は、読者一人ひとりに委ねられている。

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