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ミルトン・フリードマンとは―マネタリズムを提唱したノーベル経済学賞受賞者

ミルトン・フリードマン(Milton Friedman、1912年7月31日―2006年11月16日)は、アメリカの経済学者である。シカゴ大学で長年にわたり研究と教育に携わり、マネタリズム(貨幣主義)の代表的な研究者として知られる。1976年には消費分析、貨幣理論、金融史研究などの功績によりノーベル経済学賞を受賞した。

1912年、ニューヨーク市で生まれる。ラトガース大学卒業後、シカゴ大学で修士号を取得し、その後コロンビア大学で博士号を取得した。第二次世界大戦中にはアメリカ財務省や統計研究に関わり、戦後はシカゴ大学経済学部へ移る。以後、長年にわたり同大学で研究と教育に携わった。

研究の中心となったのは、貨幣供給量と経済活動との関係である。1963年には経済史家アンナ・シュワルツとの共著『A Monetary History of the United States, 1867–1960』を刊行した。同書ではアメリカの金融史を分析し、貨幣供給量の変化と景気変動との関係について論じている。

フリードマンの代表的な理論の一つが、1957年に発表された恒常所得仮説である。この理論では、人々の消費行動は一時的な所得の増減ではなく、将来を含めた長期的な所得見通しによって決まると説明された。恒常所得仮説は現在も消費理論を学ぶ際の主要な理論の一つとして扱われている。

1960年代には、失業率とインフレーションの関係を巡る研究の中で「自然失業率」の概念を提示した。長期的には失業率とインフレ率の間に固定的な関係は存在しないとする考え方であり、その後のマクロ経済学の研究において広く参照されている。

活動の場は大学や研究機関にとどまらなかった。金融政策や公共政策を巡る議論にも参加し、市場メカニズムや自由な競争を重視する立場から、規制緩和、民営化、教育バウチャー制度などについて意見を発信した。また、徴兵制廃止を支持し、アメリカの志願兵制度への移行に関する議論にも関わった。

一般向けの著作やテレビ番組を通じた情報発信にも取り組んだ。1962年刊行の『Capitalism and Freedom(資本主義と自由)』では、経済的自由と政治的自由の関係について論じている。1980年にはテレビシリーズおよび著書『Free to Choose(選択の自由)』を発表し、自らの経済思想を広く社会へ紹介した。

フリードマンの理論や著作は、1970年代以降の金融政策や経済政策を巡る議論においてしばしば引用されてきた。アメリカのレーガン政権やイギリスのサッチャー政権の時代には、市場原理や規制緩和を重視する政策との関連でその名前が取り上げられることも多かった。

2006年11月、カリフォルニア州サンフランシスコで死去した。享年94。貨幣理論、消費理論、金融政策、公共政策などの分野で残した研究や著作は、現在も経済学の研究や教育の場で参照されている。

関連リンク

  • 『資本主義と自由(Capitalism and Freedom)』(1962年)
  • 『選択の自由(Free to Choose)』(1980年)
  • 『A Monetary History of the United States, 1867–1960』(1963年、アンナ・シュワルツとの共著)
  • ノーベル経済学賞(1976年)
  • シカゴ学派
  • マネタリズム(貨幣主義)

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