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東京大学教授・川合慶氏とは―競争政策と市場分析を研究する経済学者―

公共調達における談合の検知や競争政策、政治経済学を研究テーマとする経済学者が川合慶氏である。現在は東京大学大学院経済学研究科教授を務めるほか、経済コンサルティング会社Compass Lexeconのシニアコンサルタントとしても活動している。

川合氏はノースウェスタン大学大学院で経済学を学び、Ph.D.(経済学博士)を取得した。その後、2012年からニューヨーク大学スターン経営大学院で助教授を務め、2015年にはカリフォルニア大学バークレー校へ移った。バークレー校では研究と教育に携わり、2023年からは東京大学大学院経済学研究科教授として活動している。

研究分野は産業組織論(Industrial Organization)と政治経済学である。特に市場における競争の実態を分析し、競争を阻害する行動や制度上の問題をデータから明らかにする研究に取り組んでいる。

主な研究課題として、競争的でない行動の検知手法、独占禁止法の執行、規制遵守の分析などが挙げられる。企業や市場の行動を理論だけでなく実際のデータによって検証することを特徴としており、公共調達や入札制度に関する研究でも知られている。

代表的な研究の一つが、公共工事などの入札における談合の検知手法に関する研究である。中林純氏らとの共同研究では、入札データを分析することで競争が十分に機能しているかを検証し、談合の可能性を識別するための手法を提案した。

2022年に公表された「Detecting Large-Scale Collusion in Procurement Auctions」では、大規模な公共調達入札における談合の検知をテーマとし、第7回宮澤健一記念賞を受賞している。また、「Using Bid Rotation and Incumbency Patterns to Detect Collusion」では、入札の順番や落札パターンに着目し、競争制限的な行動を識別する分析を行った。

このほか、オンライン信用市場における情報の非対称性を分析した「Signaling in Online Credit Markets」や、有権者行動を分析した「Inferring Strategic Voting」など、金融市場や政治経済学の分野にも研究対象を広げている。

研究成果はEconometrica、Journal of Political Economy、Review of Economic Studies、American Economic Reviewなどの国際的な学術誌に掲載されている。

2022年には宮澤健一記念賞を受賞し、2025年には日本経済学会中原賞を受賞した。中原賞は日本経済学会が若手・中堅研究者を対象に授与する賞であり、川合氏の産業組織論や競争政策に関する研究成果が評価されたものである。

現在は東京大学大学院経済学研究科教授として研究・教育活動を行うとともに、競争政策や市場分析に関する研究を続けている。

【関連論文】

  • Detecting Large-Scale Collusion in Procurement Auctions
  • Using Bid Rotation and Incumbency Patterns to Detect Collusion
  • Signaling in Online Credit Markets
  • Inferring Strategic Voting

【関連資料】
日本経済学会中原賞とは、公共調達と競争政策とは何か、談合はなぜ起こるのか――競争政策の視点から、受賞論文「Detecting Large-Scale Collusion in Procurement Auctions」参照。

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