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イラン大規模デモ 政府 国内のインターネット遮断 インフレ率9割 国民一揆「独裁者ハメネイに死を!」




2025年12月28日に始まったイランの市場のストライキが、年明けて大規模に体制批判デモへと発展した。

市民は夜間も通りに集まっている。イラン全土31州でその規模数百万人規模に達しているとの推計もあるという。政府は通信遮断と武力弾圧で応じ、数百人規模の死者が報告されている。

 

経済危機の深刻化

2025年末、急激なインフレと通貨の暴落が起きたことが最大のきっかけだ。

 

12月28日、始まりは経済危機の深刻化を訴えるためにテヘランの市場で店舗が一斉にシャッターを下ろしストライキ、平和的に始まったが

12月29日以降、急速に他の都市へ拡大し、政治体制批判(最高指導者ハメネイ師への反対スローガンなど)へと発展する。

 

抗議では「独裁者ハメネイに死を!」「イスラム共和国はいらない」など体制批判のスローガンも目立ち始めた。

 

年が明けた2026年1月に入ってからも続き、100以上の都市・町に広がり、治安部隊との衝突で多数の死傷者が出ている。人権団体による推計で約600人の死者報告があがっている。

 

2025年イラン情勢

イランの通貨リアルが史上最低水準に下落し、物価が高騰。

 

食料品・日用品の価格が急上昇し、国民生活を直撃した。

 

12月にガソリン価格の新価格帯が導入され、政府補助の見直しでさらに生活負担が増大。

 

この経済的な苦境が商人、労働者、学生など幅広い層の不満を一気に噴出させた。

 

何よりも当局がインターネット・通信を3日間以上遮断するなどし、情報統制を強化する中、死者・負傷者・逮捕者が多数出ている。

 

接続監視団体NetBlocksによると未だにインターネット接続はできていないという。しかし一部が制限を回避する方法を開発していると報じた。

 

慢性インフレとインフラ崩壊による生活不安の固定化

過去数年にわたりインフレ、失業、所得停滞が続き、中産階級や都市住民の生活が苦しくなっていたことも背景にある。

 

イランは、慢性的(chronic)な高インフレ状態が長く続いており、特に深刻化したのは2018年頃から現在(2026年1月)までで、約8年近く続いている。

 

2025年に関しては40%超が続き、10月時点で48.6%(前月比上昇、2023年5月以来の高水準)。年間平均も42%前後で、食料品インフレは約90%の時期も。

 

なんと、米ドルに対して1ドル=約14万5,000トマン(リアル)という前例のないレベルまで急落した。実質価値が壊滅的。

 

水不足や電力不足など生活基盤の脆弱さも不満を増幅させた。(2025年の地域ごとの水危機など)2025年現在、イランは6年連続の干ばつに直面しており、降水量は歴史的に極めて低い状態が続いている。19のダムが枯渇寸前で、主要ダムの殆どが貯水率10%未満。

 

地下水も組み上げ過ぎて枯渇しており地盤沈下が深刻化している地域もあるというのだ。

 

当初は物価高・経済悪化への怒りとして始まった動きが、政権転覆や政治改革を求める政治的要求へと広がった。

 

中東問題の緊張も

また戦争や地域の緊張も原因で 例えば2025年のイスラエルとの戦闘などが国家予算や信用を削ぎ、間接的に国民生活をさらに困難にしている。

 

対外制裁が外国からの資金・技術導入を阻んでいるとの分析もある。“鎖国”“北朝鮮状態”が自らの首を圧迫する。

 

長年に渡る抑制 人権侵害に耐えかねて

イランは1979年のイスラム革命でパーレヴィ(Mohammad Reza Shah Pahlavi)国王失脚以降、イスラム法学者による統治(ヴェラーヤテ・ファギーフ)を柱とする神権体制だ。アリ・ハメネイ(Ali Khamenei)氏が1989年からの最高指導者。

 

イランはイスラム体制による抑圧的な政治体制、表現の自由の制限、人権侵害などに対する根強い不満があり、定期的に抗議運動が起きている。

 

以前の大規模な抗議としては、2022年9月に女性が拘束中に死亡した事件をきっかけに起こった「Woman, Life, Freedom」運動があった。

22歳のクルド系イラン人女性マフサ(ジナ)・アミニさんが、テヘランで「ヒジャブの着用が不適切」として道徳警察(ガシュト・エルシャド)に逮捕された後、拘置所内で死亡。

 

これら事件が発端で、イラン全土に大規模な抗議運動が勃発。

 

モフセン・シェカリ(Mohsen Shekari)さん。2000年生まれ、22歳

 

2022年9月のマフサ・アミニ抗議デモ参加後、逮捕され「神に対する戦い(moharebeh)」の罪で死刑判決。

 

2022年12月8日、絞首刑で処刑された最初の抗議者とされる。

 

モハンマド・メフディ・カラミ(Mohammad Mehdi Karami)さん。

 

2001年生まれ、21歳。

 

同じ抗議デモ関連の裁判で死刑となり、2023年1月7日に処刑。拷問も受けたとされている。

 

拘束後に死亡した16歳のニカ・シャカラミ(Nika Shakarami)さん。

 

少女が逮捕された後に死亡し、内部文書で殴打による死亡との報告があることが明らかになっている。

 

未成年としての尊厳すら守られていない事例。

 

彼女たちの死は、治安部隊による理不尽な逮捕、暴行そして処刑。(当局は否定)

 

これが長年蓄積された不満—強制ヒジャブ、女性への体系的抑圧、少数民族差別、腐敗、経済苦境—を一気に爆発。大規模デモに繋がった。

 

抗議の中心となったスローガンが

「زن، زندگی، آزادی」

(ザン・ゼンデギ・アーザディ)

「Woman, Life, Freedom」

(女性、生命、自由)

 

この言葉は、クルド人の女性解放運動(特にアブドゥッラー・オジャラン思想に由来する「Jin, Jiyan, Azadî」)から生まれ、マフサさんの葬儀の場で最初に叫ばれ、瞬く間に全国に広がった。

 

イラン国内で王政復古が多数派というわけではないが

 

一部では退位したパーレヴィ王朝支持者など、体制そのものの変革を求める声も加わってきた。

 

SNSや、アルジャジーラニュースによると、人々が「Heydar! Heydar!」(へイダーラ/正義のアリーの力を!)(勇気を!)とチャントしながら街を行進している様子が見られた。

 

※イマーム・アリーはシーア派の神。

 

イランの16歳女性不審死 「デモで拘束の内部報告書」 BBC報道

https://www.asahi.com/sp/articles/ASS513RZMS51UHBI02JM.html?utm_source=chatgpt.com

 

Iran: At least 23 children killed with impunity during brutal crackdown on youthful protests

https://www.amnesty.org/en/latest/news/2022/10/iran-at-least-23-children-killed-with-impunity-during-brutal-crackdown-on-youthful-protests/

 

Live updates,

Iran protests live: Unrest ‘stoked and fueled’ by foreign elements – Tehran

https://www.aljazeera.com/news/liveblog/2026/1/12/iran-protests-live-us-rhetoric-rises-as-tehran-announces-3-days-mourning?update=4232659

 

As the dams feeding Tehran run dry, Iran struggles with a dire water crisis

https://www.aljazeera.com/news/2025/11/12/as-the-dams-feeding-tehran-run-dry-iran-struggles-with-a-dire-water-crisis?utm_source=chatgpt.com

 

抗議デモ拡大 死者約550人か イラン政府 3日間の追悼期間を設けると宣言

https://news.tv-asahi.co.jp/news_international/articles/000478091.html?utm_source=chatgpt.com

Breaking point: Iran inflation dwarfs income as economy begins to buckle | Iran International

https://www.iranintl.com/en/202511142855

Iranian security forces clash with protesters at Tehran‘s grand bazaar | Iran | The Guardian

https://www.theguardian.com/world/2026/jan/06/iranian-security-forces-clash-protesters-tehran-grand-bazaar

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